イベント情報

ツアー・オブ・ジャパン堺ステージ前日記者会見

 

ツアー・オブ・ジャパンが4年ぶりに堺に帰ってきました。
自転車ロードレースのツアー・オブ・ジャパンは国内最大最古の国際自転車ロードレースですが、コロナ禍によって縮小開催が続いていました。ようやくフルスペックの8日間8ステージ、国内から10チーム・海外から6チームが参加する国際自転車ロードレースとして復活した今年、その第一戦は堺からはじまります。
レース前日に文化観光施設さかい利晶の杜にて記者会見が開催された様子をレポートします。

 

■選手たちの意気込みは?

▲さかい利晶の杜のエントランスが記者会見場に。

 

記者会見には以下の5人の選手が登壇されました。
まずは地元のシマノレーシングから入部正太朗選手。EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム (アメリカ)から仮屋和駿選手。トリニティ・レーシング(イギリス)からルーク・ランパーティ選手。グローバル・シックス・サイクリング(ニュージーランド)からケイラム・オーミストン選手。トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム(マレーシア)からイエルン・メイヤス選手。
みなさんトップアスリートとあって、鍛え上げられた肉体であることがジャージ越しに見て取れます。レースのために研ぎ澄まされた存在、無駄なものをすべてそぎ落とした機能美の格好良さを感じます。
さっそく司会の方が各選手に話をふっていきます。

(司会)まずは真ん中に座っている入部選手に話をきかないわけにはいかないですね。なんといっても堺ですから。
入部選手「地元枠ですかね?(笑)」
(司会)地元枠というわけではないですが(笑) 4年前にシマノレーシングにいらして、そこから4年間。またシマノに戻ってきてフルスペックのTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)が戻ってきたというのは、率直にいってどういうお気持ちですか?
入部選手「シンプルに戻ってこれて嬉しいですよね。ステージが戻ってきて、過去に京都ステージで2位になって悔しい思いをしたこともあったので、リベンジのチャンスも戻ってきたのかなと。堺は3キロぐらいですが、意外と好きなんです」
(司会)チーム状況はどうでしょうか?
入部選手「少し前まで高知で合宿してきて、みんな気合が入ってます。調子は上々だと思うので、しっかりとチームで話し合って、ステージと総合の両方の視点から考えています」

 

▲シマノレーシングの入部正太朗選手。地元選手としてオープニングトークの大役を任されました。

(司会)続いて、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチームのイエルン・メイヤス選手に伺います。メイヤス選手といえば、今年のツール・ド・台湾で総合優勝されて、かなりいい状態で日本に乗り込んできていると思うのですが、ツアー・オブ・ジャパンとはどんなレースだと思われますか?
メイヤス選手「ツアー・オブ・ジャパンはとてもハードなレースというのは覚悟しています。たくさんの登りを経験することになると思います。ツアー・オブ・ジャパンの参戦ははじめてのことなので楽しみにしております」
(司会)ツール・ド・台湾での総合優勝はかなり自信になって日本に来てますよね?
メイヤス選手「そうですね。シーズンの序盤にいいレースができる。そして勝つことができるというのは、自分のモチベーションにつながります。そのモチベーションをもってこのツアーにやってきました」

 

▲メイヤス選手が所属するトレンガヌ・ポリンゴン・サイクリングチームはマレーシアはトレンガヌ州のチーム。州政府の肝いりもあり、9年連続東南アジアのナンバーワンチームとなっていて、アジアの強豪チームのようです。

 

(司会)続いて、グローバル・シックス・サイクリングのケイラム・オーミストン選手。日本は初めてだと思うのですが、数日前に来日されまして、日本の印象はどうでしょうか?
オーミストン選手「おっしゃるとおり今回が初来日です。私が一番気が付いたのは、人々がとても親切だということです。みんながリスペクトをもって接してくれている」
(司会)今日もとても暑い日になって、例年に比べると気温が高くて暑いようですが、これについては?
オーミストン選手「私は暑さに強いんです。南アフリカ出身ですので」

▲ケイラム・オーミストン選手が所属するグローバル・シックス・サイクリングはニュージーランドで2021年に設立された若いチーム。「様々な出自や背景を持つ才能あるライダーに、プロサイクリングペロトンで走る機会を平等に提供している」とあり、オーミストン選手も南アフリカ出身の22歳です。

 

(司会)楽しみですね。続いてトリニティ・レーシングのルーク・ランパーティ選手です。おそらくルークも初めての日本になると思います。4月末にツール・ド・ブルターニュで総合3位になり、ポイント賞もとったし、とても期待されるランパーティ選手ですが、日本にきてのお気持ちをお聞かせください。
ランパーティ選手「今回初来日ということでとても楽しみにしてきました。他の国のレースとは違う点もあるかと思いますけれど、フランスでの大会を終えて、今回は強いチームの一員としてまいりました」
(司会)メンバーを見てもトリニティ・レーシングは今年のツアー・オブ・ジャパンでいい意味で大暴れしてくれるんじゃないかなという風に期待しています。それで8日間8ステージがあるのですが、どのステージが一番ポイントになるという風に見ているんでしょうか?
ランパーティ選手「ステージごとの詳細は見ていないのですが、富士山ステージが大変じゃないかと想像します。チームとしては、それぞれの選手が得意があり、富士山ステージが得意な選手もいますので、全員一丸となってチームとして勝ち取りたいと思っています」

▲ルーク・ランパーティ選手の所属するトリニティ・レーシングチームは世界最高の育成チームとして知られているとのこと。ランパーティ選手も弱冠20歳。今後の活躍が期待されますね。

 

(司会)お待たせしました。EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム の仮屋和駿選手。どうですか、ツアー・オブ・ジャパンの前日のお気持ちは?
仮屋選手「そうですね。8ステージのレースははじめてなのでチームとしてよく話し合っています」
(司会)アンダー23のチャンピオンジャージを着用し、2年前の相模原ステージでは2位というので、非常に相性がいいという印象があるのですが、そのあたりはいかがでしょうか?
仮屋選手「一つ一つのレースで自分らしい走りをしていきたいと思っています。ツアー・オブ・ジャパンではまだ勝ててないので一勝を目標として、チーム全員で勝利したいと思います」

▲仮屋和駿選手が所属するEFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチームは、EFエデュケーション・イージーポストの直下型の育成チームとのこと。U23全日本チャンピオンの仮屋選手をはじめU23世代の有望選手がそろっているようです。

 

 

■堺をもっと自転車の町にするためには?

 

続いて記者からの質疑応答となりました。つーる・ど・堺は地元メディアとして、僭越ながら口火を切らしてもらうことになりました。
--地元堺のつーる・ど・堺と申します。私たちの町堺は自転車の町ということを誇りにしてきました。最近は製造という意味では自転車の町とはいえなくなってきた部分もあり、新しい自転車文化を探していく必要性を感じています。その中でこういう国際的なイベントをしていただけることをとても嬉しく思っています。選手の皆さんからは、特にシマノレーシングの入部選手にはぜひ、そういう堺の町でレースをする意義や思いがあればコメントをお願いします。また自転車文化という点でプロの目からアドバイスがあればお願いします。
入部「堺で走れるという点では、第2の地元で、株式会社シマノのシマノレーシングに所属していることから、他のチームより気合が入っていると思います。地元という意味で、頑張らなきゃならないというのはあります。あとアピールしていくというイメージに関してですが、ちょっと難し部分ではあるのですが、こういう場所でレースを行い、観てもらうというのは、一番わかりやすいかと思います。現場に来てもらって、明日のクリテリウムは本当に1周が短い所を5周しているというので観戦しやすいということだし、駅から近いということで、より多くの人に観てもらうとどんどん広がっていくんじゃないかなと思います。その中で僕たちがいい走りを見せられたら、なおさらいいと思います」
--ぜひ、頑張ってください。

 

▲「堺は第二の地元」という入部選手。堺を熱くする活躍を期待しています。

 

(司会)ありがとうございます。プロの選手としてそういう走りを見せることで、新たな広がりが生まれてくるのではないかという入部選手のお話でした。そしてメイヤス選手も胸にシマノのロゴが入っておりますが。
メイヤス選手「私はオランダ出身ということで、自国のオランダの話を少しさせていただきたいです。オランダでは多くの人が自転車に乗っているのですが、ここ堺に入ってきて、堺でも自転車に乗っている人が多いなと感じました。それでオランダの例として、まずサイクリングクラブというのが沢山ありまして、自転車のカルチャーを増やしていくよう動いています。また自転車専用のレーンがたくさんありまして、それが市内だけでなく郊外にも自転車レーンがありまして、安全にそして早く走ることができる自転車レーンがたくさんあります。そして先ほど言ったサイクリングクラブでは、子どもたちが小さな頃から自転車に親しんでいます」
--ありがとうございます。
(司会)貴重なご意見をありがとうございます。

 

▲サイクリングクラブと自転車レーンというソフト面とインフラ面の事例を語ってくれたオランダ出身のメイヤス選手。海を干拓して平らな土地が広がったという点ではオランダと堺は似ているのでは? 堺市の行政の皆さんぜひご参考に。

 

その後、自転車専門メディアなどの記者の方からの質問があり、個人としてチームとしての目標などを聞かれていました。どの選手もどのチームも勝利を目指している点では同じ。ツアー・オブ・ジャパンのステージの中では、ひたすら上りという富士山ステージを気にしている声が多かったようです。

 

■茶道体験

記者会見後には、立礼席での茶道体験がありました。さかい利晶の杜は、堺の二大偉人である千利休と与謝野晶子の記念館で、二人の生家のすぐ近くという立地なのです。
お茶の体験は、入部選手が「一度だけある」以外は、皆さんはじめてだったそうです。

▲さかい利晶の杜の立礼席で茶道体験。

 

さかい利晶の杜では、堺の和菓子屋さんの和菓子が提供され、三千家が日替わりでお茶を担当しています。この日の和菓子は丸市菓子舗さん、お点前は武者小路千家でした。

 

▲お茶の前にお菓子を全部食べるんですよと教わっていました。「お茶が欲しくなりますね」と入部選手。

 

▲茶碗の持ち方のレクチャーを受けるメイヤス選手。横で練習しているオーミストン選手がかわいい!

 

▲一服後のランパーティ選手。なぜか神妙な表情。

 

▲入部選手は侘びの世界に突入していますね。メイヤス選手は「ストロングテイスト」、オーミストン選手は「ベリーナイス」と一言。「その英語はわかる」とお茶の先生。

 

▲選手にはお土産も。

 

さかい利晶の杜で記者会見をした価値がありましたね。色々難しいでしょうが、せっかくなので個人的にはさかい利晶の杜で一押しの「さかい待庵」に入ってもらいたかった所ではありました。日本文化を全身で体感できるのには最高の場所ですから。また、オランダ出身のメイヤス選手にオランダ船籍の南蛮船リーフデ号の模型はお見せしたのだろうか……という所が気になったりも。

いずれにせよ、このお茶体験が初戦を前に選手たちがリラックスするひと時となったのなら、幸いですよね。
そして4年ぶりに堺に帰ってきたツアー・オブ・ジャパンの堺ステージ。どのような結果になるのでしょうか!?

 

 

さかい利晶の杜
大阪府堺市堺区宿院町西2丁1−1
公式サイト

 

ツアー・オブ・ジャパン公式サイト
ツアー・オブ・ジャパン堺ステージ公式サイト

コース図/来場者動線(←会場へ)


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