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3ヶ月だけのブラジル料理店 レストラン・ド・デル(2)

 

子ども向けのスクールや、ジュニアミュージカル劇団の代表を務めている古賀和恵さんが、堺市西区鳳にテイクアウト専門のブラジル料理店レストラン・ド・デルを5月5日にオープンしました。
新型コロナウイルスの影響で外出もままならず、学校も閉鎖され、スクールも劇団も活動停止。そんな中で、我慢することが出来ない食事で子どもたちを楽しませたいという理由ではじめたのが、この3ヶ月限定のブラジル料理店だったのです。わざわざ子どもの日の5月5日に設定したオープン日には、色んな嬉しいことがあったようです。では、前篇に引き続き後篇をお楽しみください。

 

■子どもたちも巻き込んで

 

▲子ども向けの習い事スクールFSアカデミーを経営する古賀和恵さん。この日はトングをもって料理人に。

 

飲食業の経験のない古賀さんでしたが、ブラジル出身の夫デルさんは、小さい頃からお母さんのデリバリー料理を手伝っていて料理は得意。不動産屋さんに問い合わせると丁度良い具合に投資無しで3ヶ月限定でお店を借りることもできて、お店がオープンしました。

古賀和恵(以下、古賀)「オープン日には、ミュージカルの子どもたちが沢山来てくれて行列になったんですよ。売上も良かったんですが、いいことが沢山ありました。もう6年か7年は会っていなかった、スクールをはじめた頃に通ってくれていた子どもとそのご家族が来てくれたり、18年前にしていて日本語教室の先生が来てくれたり、デルも介護の仕事をしていた時の知り合いが来てくれたり。みんなFaceBookの宣伝を見てきてくれたんですね。その後も子どもたちがリピーターになってくれたりしたのも嬉しかったですね。精神的に支えられました」
――久しぶりに来られた方たちも、飲食ということで気軽に会いに来やすいというのもあるでしょうね。他にも飲食ならではの良かったことってありました?
古賀「スクールやミュージカルの世界と全然違うのは、瞬間的なありがとうとか、一瞬の会話しかできないけれど、それで心が暖まること。予約の時にお名前をお聞きして、二度目に電話がかかってきた時にはお名前を覚えていたり、キノコが食べられない人にすぐに対応したりとか、楽しいですね」

 

▲コロナで電車に乗れないからと、南区から自転車で開店祝いの花を届けてくれた子どももいたそうです。

 

――楽しそうですね。3ヶ月限定とおっしゃってますけれど、辞められなくなってくるんじゃないですか?
古賀「最後があるからいいのかなとも思います。でも、人のことを思って料理を作っていると、お店にも愛着が湧いてきますね。だんだん自分にとってホームになってくる。とはいえ、買い出し一つとってもすごい量になるので、スクールやミュージカルをやっている時に片手間では出来なかったですね」
――とすると、今回のことは古賀さんにとっても何かいい機会になったのでは?
古賀「そうですね。この何年間か、スクールやミュージカルをしている間は立ち止まらなかった。それは困難でもがんばれば乗り越えられることばかりだったからですが、今回はがんばってもどうしようもないことに直面してしまった。がんばらずに止まらなければならなかった。みんな苦しかったと思います。でも、自粛自粛だけでいることは自分の中では無理でした。今しか出来ないことをやってみようと思って、その姿を子どもたちにも見て欲しかったし」

 

▲パステル以外に、パーティー料理なども承っています。

 

――古賀さんのお子さんたちは、お店のオープンについてはどうでしたか?
古賀「このお店には、自分の子どもたちも巻き込みました。一緒に準備をして、このパンフレットも娘が作ってくれたり、一緒に買い出しにいって、一緒に一日の売上を数えたりしました。生々しいかもしれませんが、自分が生きていくこと、自分が来ている服、自分が食べているご飯がどこから来ているか知って欲しかった。何が社会とつながっているのか。テストのための勉強と違うことが出来て良かったです。自分自身も学んだことがありました。飲食ははじめてでしたが、見ることとやることは違う。コロナ禍で嫌なこと、悪いことだけで終わらずによかった」

 

■演劇界もアフターコロナに

 

▲一番人気のパステル。一つのパステルを分け合おうとしていた家族のために、つい具を多く入れてしまった。「一杯のかけそば」ならぬ「一本のパステル」的なエピソードもあったそうです。

 

――ところで、スクールやジュニアミュージカル劇団のこともお聞きしたいのですが、オンライン授業もされているそうですね。
古賀「はい。全ての先生ではないのですが。演劇は、生の感情のやりとりが大切なので、対面ではいのはやりづらいのはたしかですね。でも、やらないよりやった方が良かったと思います。社会からの隔離は、子どもたちが一番長くなってしまった。がんばっていた子どもたちにとって、何もしないというのは反動が大きくて、がんばることが面倒くさくなってしまっていたんですね」
――緊張の糸が切れてしまったんですね。
古賀「だからwebでつながってレッスンというのは、ゆりもどす効果がありました。みんな久しぶりに身体を動かしてみて、体力が弱っているのに気づいて、走りに行ったりして。それよりも、ひとりぼっちじゃないとわかって、意欲がわいてきたのが大きいかな」

 

▲劇団の打ち上げでも料理の腕をふるってきたデルさん。家族総出でお店を切り盛りしています。スクールでは、ロボット教室の先生です。古賀さん曰く「経営者として客観的に見ても、熱心でいい先生です」とのこと。

 

――ネット技術的な問題はどうでしたか?
古賀「ZOOM(ネットでの会議アプリ)で時差があでるのは、今後技術的に解消されるという話はききました」
――レッスンはそれで出来るようになっても、演劇作品をネット配信しようと考えるとハードルが高いでしょうね。定点カメラ一つで撮るわけにもいかないでしょうしね。
古賀「私は昭和、平成、令和と演劇にかかわってきました。昭和は現役の役者として、平成になって見る側やプロデューサーになって、そして令和になりました。この間、ソフト面ではデジタル化が進んだりしましたが、舞台は変っていないと思うんです。舞台には役者がいて、客席にはお客さんがいて。それは何も変っていない。しかし、こうなって突きつけられると、もちろん対面が一番いいのだけれど、新しいやり方が確立できたなら、演劇界の進化につながらないとも思います。これまで観てもらえなかった人に観てもらえるようになるかもしれません。ドイツでしたっけ、ドライブインシアターみたいな、車に乗ったままライブとかもありましたよね」
――コロナもチャンスにって考え方ですね。
古賀「演劇は、何があっても衰退しないと思います。今しかできないレッスンをして、発表の仕方をするだけです。コロナの時はコロナの演劇活動を賛同してくれるメンバーとやっていけるのが幸せだとつくづく思いました」

飲食店をはじめても演劇人古賀和恵さんの演劇へかける思いはそのままでした。むしろ、子どもへの思いからはじめたという点では、演劇も飲食も同じだったのかもしれませんね。新型コロナウイルスに対向するためにお店をオープンしたことは、古賀さんの演劇活動にも影響を与えそうです。

また、古賀さんの活動は、ただテイクアウトのお店を開いたというだけではありませんでした。他の人にとっても、ウイズコロナなのか、アフターコロナなのかはわかりませんが、こらからの生活、生き方に示唆を与えるような事のようにも思えます。
いずれにせよ、珍しいブラジルのストリートソウルフード“パステル”を食べることが出来るのは、7月まで。ぜひ、足を運んでくださいね!

 

レストラン・ド・デル
住所:堺市西区上431-9
電話:090-3862-9636
mail:kogachanbrazil@hotmail.co.jp

 

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