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NPO法人福祉ネットワーク絆

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■産地直送野菜で自立したNPOに
真紅のイチゴ、ヒスイ色のチンゲンサイ。大根や人参は畑から取り出してきたままの姿。
「NPO法人福祉ネットワーク絆」が野菜販売をする「ショップ絆」には、大地の気高い香りが漂います。
奈良の有機栽培・無農薬の野菜たちが、新鮮な輝きで店頭に並んでいます。
「えっ」と思わず声をあげるのは新鮮さに加えてリーズナブルな価格。主婦層や料理好きならテンションあがること請け合いです。
この野菜、「絆」の代表・藤岡修二さんが、毎週車を運転して現地の生産者から直接仕入れているもの。安くて新鮮なのも当然です。
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▲東吉野市と堺市は友好都市の関係。『絆』が民間レベルで人と人の交流を活性化させています。 ▲葉つきの大根が一本100円から。しかも無農薬だなんて! 東吉野市の特産品の他、野菜は宇陀市、葛城・天理から入手しています。
「自立できるNPO法人」を目指し、手立てを捜していた藤岡さんたとちは、縁があって東吉野の農林関係者と知り合います。
「やるなら過疎の村を救う手助けをしたい」
と、仲間たちと野菜販売を開始。
大仙公園の日曜市場からスタートして、今では「ショップ絆」を開店するまでとなりました。
「店舗の家賃はまかなえています。今はスタッフがボランティアで活動しているんですが、次はスタッフに給料を出せるようにしたいんですよ」
スタッフとして働く会員の中には、患者自身もいますが、言われなければ患者だと気づかないでしょう。お客様との会話もはずみ、快活に働いておられます。
難病のイメージをひっくりかえす『絆』の運営
視線を外に、一般の社会に向けたことで、好循環の流れがまわりはじめたのです。

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▲「ショップ絆」はJR上野芝駅から徒歩数分。2階では毎週月曜日にヨガ教室を行っています。
■人と人のつながりが気持ちを変える
「絆」は、難病のひとつパーキンソン病の家族会・患者会として藤岡さんと仲間たちで立ち上げました。奥さんの発病をきっかけに引退した藤岡さんには、「何か役に立つことがしたい」という思いがあったといいますが、それは他の会員にも同じことでした。
難病の患者はつい内向きになりがちですが、一般の方との交流や、「ショップ絆」で働き社会に参加・貢献している実感を得ることで、気持ちががらりと変わりました。
「精神的なものが病気の治療に与える影響の大きさを実感します」
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▲「絆」を立ち上げたスタッフの皆さん。1階では野菜販売、2階ではヨガ教室と、人の流れが絶えない様子です。
「『絆』の会員は8割ぐらいが一般の方なんです。野菜の販売やリハビリのため始めたヨガ教室にも、一般の方がどんどん参加しています」
一般の方も交えた数十人の会員がバスを列ねて、東吉野へ訪れる観光ツアーも大人気。
「今度は奈良の宇陀市の観光協会の会長さん自らがガイドを買って出てツアーに行くんですよ」
そんな「絆」だからこそ、東日本大震災の際にも、他にはない「絆」ならではの活躍をみせます。
■『絆』なら何でも届けてくれる
3.11。
あの大震災の直後。
普段からバザーの企画運営などに慣れていた「絆」は、すぐに寄付金集めなど震災支援の活動を開始しました。
そして、現地ボランティアと連絡を取る内に、「現地のことは現地のボランティアにまかせ、自分たちは得意な分野である後方支援に徹しよう」と決断します。
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▲車関係のコンサルタント業を営んでいた藤岡さん。「生き馬の目を抜くような世界でしたから。今は楽しいばかりですよ」
現地の患者会とは、すぐに連絡がつかなかったのですが、後に話を聞くと「薬が無く苦労した」ことがわかりました。食料や飲料などに集中するあまり、被災地に難病患者の薬を送ることを、普通の支援組織だと思いつかなかったのです。
「パーキンソン病患者は薬を切らすことが出来ませんから大変だったそうです」
薬だけではありません。大規模な組織の支援ではもれがちな必需品は少なくありませんでした。
「とにかく女性の下着は沢山送りましたね。サイズ別にわけて。もちろん男性向けの下着も」
春先の東北地方。防寒着が必要とされるイメージがある中、下着は盲点でした。
現地のリクエストに柔軟に対応するうちに、「『絆』にお願いすればなんでも送ってくれる」と頼られるまでになりました。
「お産のために必要なもの一式をセットにして送ったりして。喜ばれましたよ」
支援は今後もずっと続けていく必要があると、「絆」は息の長い支援を当初から見据えて行っています。
その長く継続する支援に地元からの感謝状が贈られました。
■支援する自分たちが支援され
様々な支援の活動を続けていると、思っても見なかったことが次々と起こるようになりました。
「今はネットの時代ですからね。私たちの活動を知って、札幌や名古屋から支援の寄付が届くようになったんです」
そして求めていたわけでもないのに企業からの寄付が舞い込んだことも。
「大阪の損保会社の方が訪ねていらして。ちゃんと活動している組織に役立てて欲しいと、社員の方が積み立てた寄付金を持ってこられたんです」
こうした寄付金は、会の運営費には回さずに、すべて支援のために役立てています。
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▲いつも野菜を買ってくれる子供さんから感謝のお手紙をもらうことも。
「もともと私たちの社会は『絆』を大切にする社会だったと思うんです。震災のことはただのきっかけだったのかもしれません。『絆』の大切さを思いだし、見直されるようになったのではないでしょうか」
法人の名前に「絆」とつけたのは、たまたまでした。しかし、まさに名前通り、絆が絆を呼び、思いもかけない広がりを見せています。
野菜売り場では、お客さんたちと楽しげに会話する藤岡さんやスタッフの方たちの声がはずんでいます。
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▲仕事のない東北地方のための就労支援。手狭になったヨガ教室のための会場探し、福祉関連イベントへの協力。今後も更に「絆」のパワーがもとめられています。

NPO法人福祉ネットワーク 絆
堺市西区上野芝町3丁7-21 エクセル上野芝
TEL/FAX 072-270-5115

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