フードステージ日之出屋 (前編)
堺で開業45年の実績を誇るスーパー『食鮮館 日之出屋』が、2010年に堺駅南口 ショップ南海に2つ目の日之出屋、『フードステージ日之出屋』をオープン!
この新店舗を任されたのは、日之出屋創業者の孫、岩橋栄太郎さん。
自ら「スーパーの申し子」と言い切る岩橋さん。その心意気と、地元のオバチャンに愛され続ける秘訣を教えてくださいました。
地元・堺にとことんこだわる品揃え。これは、岩橋さんが一番に目指す『超地域密着型スーパーでありたい』という理由から。
「地域密着という言葉は色々なところで使われてますよね、今の流行というか…。けど、そない簡単なことやないと思うんです。」
堺のこの地で、40年以上も商いを続け、チェーン店化という道も選ばずコツコツとファンを増やしてきたスーパーマーケット『日之出屋』だからこそ、意味がどこよりも深く、実現可能なのだと岩橋さん。
これは日之出屋イチオシの大阪ウメビーフを使った牛めし弁当(680円)。大阪ウメビーフとは、チョーヤの梅酒用に使用された梅を、餌に混ぜて育てた牛のこと。牧場はなんと、堺区西湊町にあるんですって。さらりとした脂身と上品な旨みが特徴。牛肉が苦手なひとも「これなら」と買っていかれます。
※ちなみに毎週火曜日は「炎曜日」。ウメビーフ牛めし弁当が100円引きの580円で販売されています。お得!
「僕は、お客様の家庭にどんどん入り込んでいきたいんです。」
例えば、販売した商品のひとつが傷んでいたとします。
岩橋さんは、クレームを頂いたお宅へ飛んでいく訳ですが、そこには「失敗と同じくらいのチャンスが存在する」といいます。
「傷んだものを販売するのは一番あってはならないことです。それは承知の上ですが、そんなきっかけがなければお宅へ訪問なんて出来ません。いつも足を運んで下さるお客様のお宅へ、『いつもありがとうございます』と頭を下げられる。こんな嬉しいことはないんです。」
まして、それらはほとんどが善意に基づいたクレーム。「兄ちゃんこれは傷みやすいわ、しゃあないわ。けどこんなん置いたら他のお客さんに迷惑やろ?」といった内容ばかり。
「ほんま有難いんですよ。そしたら隣の奥さんが『あんた、兄ちゃんになに文句つけてんの!』て怒りはる。いやいや、悪いのはこっちなんです、と(笑)」
あゆみ曰く、”魚のさばき方に愛が感じられる”お魚コーナー。確かに調理しやすいさばき方。メニューを想像できて買いやすい。しかも手書きコメントがなんとも愉快。
「僕は、この仕事をビジネスでななく”商い”やと思ってるんです。今まで築いてきたお客様の信頼は、40年以上この土地で、新鮮で良い商品を揃え続けてきた創業者のおじい、それから今の社長である父のお陰。地域の皆さんと互いに気持ちを通わせる、これが商いの原点やと思うんです。」
なかにはフェアトレード商品も。説明がもんの凄く分かりやすい!
今の時代だからこそ、物の豊かさよりも心の豊かさへと進化しているのかもしれない、と岩橋さん。
「価格競争よりも、付加価値にお金を払う人が増えているような気がします。うちは、むちゃくちゃ安いものばかりを置いているわけではないし、むちゃくちゃ高いものを置くわけでもありません。日之出屋としての付加価値はお客様に見つけてもらいたい、といつも思っていますね。」
コストパフォーマンスの良い、地元に寄り添った食材を揃えること。それも強く意識されていることでしょう。ですが、他の付加価値とは一体どういったものなのしょうか?
「それは、リレーション(繋がり)の大切さですね。僕はスタッフに、お客様にとっての登場人物になれ、といつも言っているんです。お客様の毎日のストーリーに、自分も出演しろと。」
ストーリーに出演…?
「このポイントカードもそのリレーション作りの大きな役割りを担っています。」
日之出屋のオリジナルポイントカード。家族も使えるように、ミニチュアサイズが2つ付きます。(私物なので若干汚くてスミマセン)
「これがあると、お客様の情報が一気に分かるんです。どこそこにお住まいで、家族構成はこうで、利用回数は何回で…とね。うちは堺駅改札口のまん前なので、会社帰りの方にも多く利用してもらっています。いつも来て下さっているのに、会話を交わしたことがない。でも、このカードがあると『今お帰りですか?お気をつけて!』と、お声をかけることができる。ポイントが溜まると『これ特典商品です、いつもありがとうございます』とお渡しできる。見てくれている、と分かると、なんだかほっとできると思うんですよ。”また来たい”と思わせるサプライズ。そんな小さな感動が、うちの付加価値なんじゃないかと。」
全てのお客様と、そんな会話をするのが理想と語る岩橋さん。そして、そんなリレーションシップ(※注1)、繋がりづくりこそ、日之出屋の出来る唯一無二の仕事なのだとも。
「一週間、なんも買う必要はありません。いっぺんただぼーっと見ていてほしいんです。そこに何か気がつくことがあれば、嬉しく思いますね。」
謙虚ながらもみなぎる自信は、岩橋さんの想い全てを、お店づくりに注いでいるから。
これほどまでに、超地元密着型スーパーを目指し続ける岩橋さんは、一体どんな生き方をしてきたのだろう…?
次回は、”スーパーの申し子”岩橋栄太郎さんの、現在に至るまでのエピソードに迫ります。(後編)
<つづく>
※注1:リレーションシップマーケティング【relationship marketing】
顧客との良好な関係を、長期に渡り継続することを目的とするマーケティング手法。顧客の個別の要求や趣向に基づくワンツーワンマーケティングなどがある。
フードステージ日之出屋
堺市堺区栄橋町1-10-1
最寄り駅:南海線「堺駅南口」
定休日:日曜日
営業時間:10:00~22:00
無料駐車場あり
電話番号:072-238-2323
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カイチョーのブログ
食鮮館日之出屋
堺市堺区南半町西1丁1-12
MAIL:info@e-hinodeya.com
定休日:日曜日(祝日営業)
営業時間:9:30~20:00
無料駐車場:9:30~20:30
最寄り駅:阪堺線「御陵前駅」徒歩1分
南海線「湊駅」徒歩10分
食鮮館 日之出屋 TEL:072-232-5125
くらし館 日之出屋 TEL:072-225-7721