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Spottedhorse~スポテッドホース~(後編)

【条者(じょうもの)の、上物づくり特集】

OZONOブランドで使用する染料は、すべてピュアインディゴ100%。
一般的なデニムと比べ、全体的に赤っぽいのが特徴です。これは我々日本人の黒い眼で見て美しいと思う色。

時を経てなお、魅力は増していくばかり。ピュアインディゴブルーは大園さんの大きな拘りのひとつです。

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左側が一般的なジーンズ。右側のピュアインディゴブルーと比べると緑っぽいのがわかります。

さらに、Spottedhorse独自の工夫を教えて頂きました。

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股下部分に小さな穴が開くことはありませんか?それは、裏のジッパー(ボタン)下の生地の処理が角ばっているから。Spotted horseはこの角を丸くすることで、裏からの擦り切れ穴を防ぐことに成功しました。

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「ジーンズはまっすぐに伸ばした状態で、約180cmほどの長さがあります。うちは必ず2本の糸で縫製しているんですが、途中で糸が無くなれば当然、解いて一から縫い直しです。この重要な部分を縫いあげる前に、必ず残り糸の確認をしてから作業に移ります。もう、あと数センチで完成…というところで糸が無くなると、もの凄いショックなんで(笑)」
あと数センチなら、いっそ裾部分を切って…という選択肢はないんですか?とつい主婦感覚で聞いてみると
「確かに楽ですがね。でもそれをやってしまうと他の部分もガラガラと崩れていくような気がして…”これぐらい”という感覚、それが一番怖いんです。」
妥協、という言葉はここでは皆無なのだと、迷いの無い答えから伝わってきます。

大園さんが”無意識に意識し続けている”こと、それは「鉄壁の」ジーンズを作りあげること。
「でもこの世に鉄壁なものって存在しないんですよね。諦めに近いものがあるんですが…。だからその分、マジックウォッシュなどを使い、見せ方に工夫を施し、キャッチーで手に取りやすい商品を目指しています。さらに云えば、購入されたお客様の体にぴったりと吸い付くようなものを作りたい。着心地のいいジーンズ…クローゼットにいくと、つい手を伸ばしたくような、そんなジーンズが理想です。」

Spottedhorseの輝かしい経歴には一切触れることなく、ただ、自分自身の創りあげるジーンズについて語る大園さん。
それは大園さんの生き様そのもののよう。…熱く静かに信念を叩き込む、そんな仕事に就かれた彼の人生が、すとんと腑に落ちます。

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ピュアインディゴ100%で作られたデニムの、最大の特徴は経年変化による色落ちと、酸化による変化。これらは環境の変化や穿き方によって大きく左右され、自分でコントロールすることは難しい。(OZONO handcrafted at the Spottedhorseより)

「その変化を楽しんでいるのがいわゆるデニムマニア。では、インディゴデニムはマニアでなければ買ってはいけないのか?という疑問になりますが、そんな訳は無い。どんな人でも楽しめる大きな懐を持つのもまたデニム。ただ、少し知識を持って頂くことで、もっとインディゴデニムの魅力、奥深さを知って頂ければ、嬉しく思います。」

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“すべてにおいての格好良さ”を追求したいと語る大園さんの思いは、ともすると男の欲そのもの。
自分を飾るための服、注目されたいという欲を満足させるための、服。
突き詰めると、服とは自分自身のライフスタイルや考え方そのものを、視覚的に具現化させる存在なのかもしれません。

「加工職人ではなく、服職人でないと駄目だ。」
信念を貫き通す彼もまた、ピュアインディゴのように歳を重ねるごと、魅力を増していくのでしょう。

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スポテッドホース・クラフトでは、マジックウォッシュの体験も行っています。
詳しくはこちらから。

有限会社スポテッドホース・クラフト
〒590-0047 大阪府堺市堺区二条通2-17
TEL:072-229-8155 FAX:072-229-8169
http://spottedhorse.shop-pro.jp
info@spottedhorsecraft.co.jp

※スポテッドホース記事写真G~Iは、写真家 レンジャー前田さんよりご提供頂きました。

◆追記◆

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7月始めに購入したSpottedhorseのジーンズ。10月現在に至るまで穿き続けてきました。
購入の際よりもやや色落ちし、濃かったブルーが段々とこなれた感じになってきました。

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あらかじめヒゲと膝裏部分はSpottedhorse独自のマジックウォッシュ加工済み。それにプラスして膝部分がフィットするように、体に沿うような形に変化してきました。
裾のマークはSpottedhorseオリジナルの証。所どころにさり気なく刻まれていて、お洒落。

そういえば、と気付いたことがあります。
それは、自分がSpottedhorseのジーンズを、なにもこの記事を書くためだけに穿き続けてきた訳ではない、ということです。
ジーンズはもともと、4本ほど手元にありました。新たにSpottedhorseのストレートジーンズが仲間入りしたわけですが、朝、着替える際に手を伸ばす先に、自然とSpottedhorseのジーンズを持つ自分がいたのです。
何故?…その答えはわかりません。
大園さんにそのことを伝えると、「何よりも嬉しい言葉」と喜んで頂けました。

「そういうのが一番強いんです。自然と、自分が意識していないの
に選ばれるってことが。それが一番カッコイイ。」


ayano

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