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フチ・ア・マ・ファソン

【セボン・ド・堺】

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A ma facon(ア・マ・ファソン)…それはフランス語で「自分らしさ」という意味。
堺は宿院にオープンしたフレンチレストラン、フチ・ア・マ・ファソンは、オーナーシェフ渕幸生氏が創り出す”自分らしいフレンチ”が存分に味わえるお店。
奥さま・渕範子さんの、明るくきめ細かな接客が色を添えます。
ランチタイム、ディナータイム、ともにコース料理(ランチ¥2400~・ディナー¥3800~)のみ。要予約、5組まで。
お料理をゆっくり楽しんでもらいたいという渕夫妻の心意気です。

今のスタイルに行き着くまで約2年。大変な時期を乗り越えるまでのエピソードを教えて下さいました。
「ここは以前、別のフレンチレストランだったんです。実は内装も外装も一切手直しなしで。」
なんと、当時は店名すら決まっておらず、以前の「Dan・mo(ダンモ)」のままのオープン。足を運んでこられたお客様ですら、お店が変わったことに全く気が付かなかったそうです。
「看板もそのままでしたからね。仕方がないといえばそうですよね。(笑)」
それでも徐々に”フチフレンチ”ファンが付き始めます。
「お店、変わった…?」と、やっと分かってくれるお客様も。

今ではフチ・ア・マ・ファソンは知る人ぞ知る、美味しいフレンチを楽しめるお店として定着。
とはいえ、「知る人ぞ知るでは困る!」とのこと。いやはや、ごもっとも。
今回はめいっぱい、フチ・ア・マ・ファソンの魅力、ご紹介させていただきますよ~。

オーナーシェフ渕幸生さんは大分出身。実家がお菓子屋さんなこともあり、通っていた関西の調理師専門学校では製菓コースを専攻。
しかし…渕さんには小さい頃からの夢がありました。
それは、フランス料理のシェフになること。
こうして料理の世界に入るからには自分の目指す料理を勉強し、作りたい。
その欲求を抑えきれなかったのは、”学校が良かったから”と振り返ります。

「その専門学校では、料理に関する全てのことを教えてくれたんです。和食・洋食・中華・製菓・そしてサービス。」
厳しく叩き込まれるなかで、やはり自分はフレンチがしたいのだと再確認。就職先は迷わずフレンチレストランを選びました。

そして、食は職人の世界。就職先で出逢った師匠も「目で盗め」タイプの厳しい人。それでも必死に付いていく渕さん…。
ひた向きに修行を重ねて数年後。師匠の薦めで、神戸にオープンするレストランのシェフに。
「この時も、師匠に”この店へ行け”って言われただけで、特に何にも言ってくれないんですよ。(笑)でもそうやって薦めてくれたってことは、一人前に出来ると認めてくれたのかなと。」
シェフとして腕を振るうその間も、常に精進の日々。お客様に教えられ、食材に教えられ…。料理をすることが純粋に楽しく、ますます夢中になっていったそうです。

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奥さま、範子さんはチーズプロフェッショナルの資格を持つ才媛。渕さんはさる飲食業界の集まりで、チーズ専門店でお仕事をされていた範子さんと運命の出逢いを果たします。(渕さん、範子さんのこの笑顔にノックアゥッ!だったんでしょうねー。)
ご結婚されてすぐ、縁あってこの土地、この場所と出会うことになり、時間も無い中、強行にオープンに踏み切られたのだとか。

現在はワインを勉強中の範子さん。
「ワインはいつも14~16種類をご用意しています。店の味に合うよう、神戸のワインショップでセレクトしたものばかりです。」
お喋りが苦手なご主人の代わりに、奥様の明るい笑顔が居心地の良い空間を作り出してくれます。可愛らしい外見とは裏腹に、中身はとっても男前。
「価値観が主人ととても似ていて。料理に関しても、ひとつのお料理をたっぷり盛られている方が私達は好きなんです。お皿の上に、ちょっとの量を数種類、というのは余り興味が湧かなくて。」
お二人で外食されるときも、”がっつり”食べられるところの方がいいのですって。

「ひとつのお皿の中に、どれだけ自分らしさを出せるのかが店にとっての個性だと思います。僕は、お客様の記憶に残る、イメージを残すことができる料理をと意識して作っています。持論ですが、お皿にたっぷりの方が記憶に残ると思うんです。」

記憶に残る一皿…?

渕さんの作り出すお料理には確かに、確固たる物語が感じられます。素材の持ち味を際立たせるしっかりとした味付け、たっぷりなのに最後まで厭きさせないデリケートな余韻。真面目な渕さんの人柄が伝わってくる、丁寧に丁寧に作られたお料理たち…。

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写真左上:寒大根のムース、貝柱のソースとともに。添えられた大根の甘みが凄い!
写真下:舌平目のムニエル・鹿バラ肉のコンフィ。どちらも舌の上でトロけます。
写真右上:アーモンドのムース、珈琲のソルベ添え・黒糖のブリュレ、ヴァニラアイス添え。パティシエ仕込みのデセールはさすがの本格派。

「コース料理の味付けは試行錯誤の連続です。自分的にはこれ、かなり薄味なんですよ。」
堺に店を構えてからは、来られるお客様のほとんどが女性。しかも高齢の方が多く、最後まで美味しく召し上がって頂けるにはどうすればいいのか頭を抱えたそう。
「アミューズ(突出し)、オードブル(前菜)、スープ、そしてメインの魚料理の次に更に肉料理がきては、正直食べきれない方がほとんどではないでしょうか?そう思い、前菜に力を入れるようにしたんです。新鮮な野菜や魚介を使った数皿を、存分に楽しまれてからメイン料理。肉か魚を選んでいただき、最後にデセール(デザート)。その方が最初から最後まで、飽きずに料理が楽しめます。」

そうなんです!フランス料理はたくさん食べられるのは嬉しいのですが、お魚料理でお腹の8割はもう満足。お肉はもうキツくって。
この”フチ”コース、目から鱗ですよね…!

「堺に来てから、自分の頭の固さを思い知らされることがたくさんありました。例えば、生の魚介を使うことはフレンチでは有り得ない。でも考え方を少し変えるだけで、新しい可能性が生まれてくるんです。」
さらに料理の幅が広がりましたね、と笑う渕さん。ただただ料理と、自分と、向き合う姿勢はまさに感服もの。

4月からは新メニューにも挑戦したいと、抱負を語ります。
「2軒目に、ワインを少し飲みたいなというお客様のために、アラカルトメニューを増やす予定です。実は、塩のしっかり効いたパテやアンデュイエット(ソーセージ)などの方が自分は得意で。」
候補メニューを聞くだけで、今にも涎が…(おっと失礼!)

レストランとしても、ビストロ(大衆食堂)としても利用してほしい。大事な日に、日頃から気軽に、自分の好きなシーンに合わせて活用してくれれば…そんな優しい想いが詰まったアットホームなお店、、フチ・ア・マ・ファソン

ここは渕夫妻が作り上げた、まさに「自分らしい」空間。
フランス料理だと構えずに、まずは気軽に、扉を開けてみませんか?

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この蝉のオブジェが目印。
蝉はフランス、プロヴァンス地方では幸運のシンボル。範子さんが苦労して探してきてくれたのだそうです。金運が上がりますようにと願いを込めて金色なんだとか…可愛いなあもう。

仏蘭西料理 フチ・ア・マ・ファソン
〒590-0952
堺市堺区市之町東2丁2-21
TEL・FAX 072-222-1239
http://fuchisakai.exblog.jp/


ayano

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