お正月が過ぎた頃から一か月近く開催される「新春まちなか福助人形展」は、堺の新春の催しとして次第に定着しつつあります。展示される数々の福助人形etc.は、すべて福助株式会社から堺市が譲り受けたもの。その福助関連資料の数は実に約1700点にも及ぶ一大コレクションです。
2018年の今回は堺市内の五会場にてコレクションの中から100数十点が「笑門来福」をテーマとして展示されています。つーる・ど・堺では、旧市街区の四会場を巡り、このおめでたい展覧会の様子、気になる福助さんをピックアップして紹介いたします。
■さかい利晶の杜
チンチン電車の「宿院」電停を降りてすぐにある、さかい利晶の杜。ここでは、一階と二階にある無料スペースで福助人形さんたちが展示されていました。
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▲こんな風にケース展示となっています。
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▲こちらは「正座裃口上福助」。平成11年のもの。裃の左右に招き猫、肩にはダルマさんと、縁起物をフル装備したこれまた御目出度さてんこもりの逸品ですね。
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▲「立姿裃扇持ち福助・おふく」。平成7年のもの。福助に寄り添う女性おふく(異名あり)は、母親説、夫婦説、愛人説とあるようです。これは夫婦っぽいですね。
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▲こちら昭和のもので、作者は不明。「立姿裃扇持ち舌出し福助」。珍しく木彫りです。福助というよりぬらりひょんとでもいいたくなる妖怪感あふれる逸品。どっかに水木しげるとか彫ってないですかね? 一際大きく独立して展示されていますが、この会場の中でも一際目をひく存在感があります。
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▲こちらも可愛い逸品。「立姿裃春駒持ち福助」。作者不明で陶器製。うなぎでも捕まえているのかと思ったら、春駒(馬の首形)を持っているようです。そういえば、このさかい利晶の杜近くにあるアサヒビールの創業者・鳥井駒吉の実家では清酒「春駒」を販売していましたね。
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▲なお、有料スペースでは「伝統の技、革新の表現 -堺の竹工芸-」も開催中。田辺竹雲斎(初代~4代)のみならず、前田竹房斎(初代・二代)の作品も展示されているという豪華さ、貴重さ。ぜひ、こちらにも足をお運びください。
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■堺伝統産業会館
二つ目の会場は、堺伝統産業会館です。さかい利晶の杜の最寄り駅の「宿院」からは、ちんちん電車で北へ三駅の「妙国寺前」電停が最寄り駅です。ここには刃物や注染、線香、緞通など堺の伝統産業の製品が展示、販売されています。
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▲こちらでもケース展示です。さかい利晶の杜のものより、小さめの人形が多いですね。
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▲こちらの福助さんとおふくさんの2人は婀娜(あだ)っぽいですね。これなら愛人説もうなずける。
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▲こちらはなんだか芸人夫婦のような福助とおふくさん。夫婦漫才してくれそうですね。昭和に秋田で作られた作品。
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▲これは! 平成に博多(福岡)で作られた、フグ乗り福助。フグライダーとは、なんともファンタジックで可笑しい。個人的には、一番お気に入りの逸品です。
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▲これも可笑しい首振り福助! おもちゃとしても福助は親しまれたのですね。
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■堺市立町家歴史館山口家住宅
堺伝統産業会館から堺市立町家歴史館山口家住宅へは、チンチン電車で二駅。「綾ノ町」電停が最寄り。歩いてもすぐな距離です。400年前の旧家である山口家住宅に、今回の会場の中で最大の74点の作品が展示されています。ケースも無くて、これがなかなかしっくりきます。
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▲西座敷のひな壇にずらり並べられた福助さんたち。壮観です。
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▲色鮮やかな福助さん。平成に愛知県で作られたものです。
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▲こちらは木彫の福助さん。何だか見たことがあるなと思ったら、作者はせんとくんやサカイタケルくんでお馴染みの籔内佐斗司さんでした! |
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▲達磨乗り福助さん。こちらはアヴァンギャルドですね。
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▲床の間に飾られていた福助さん2人。左は大正から昭和にかけて、右は明治中期から大正にかけてのもの。雰囲気満点。夜中にこの前を通ってトイレにいけっていわれたら、絶対無理な気がします。
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■堺市立町家歴史館清学院
清学院へは、「綾ノ町」電停から一駅北の「高須神社」電停が最寄りです。江戸時代には寺子屋として使われていた修験道の寺院清学院。当時使われていた座卓もそのままに残されている部屋に福助さんは展示されています。
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▲子どもたちを見守る福助さん’S。見つめられると勉強しづらいかも……。
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▲これは可愛い。鈴になっている福助さんとおふくさんのペア。
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▲なんかちょっとアンニュイな福助さん。大正から昭和初期のものです。
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▲こちらは今年の福助さん。福助株式会社が毎年干支にちなんで作られている年玉人形の戌。最新のコレクションですね。
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観覧レポート、いかがだったでしょうか。
「新春まちなか福助人形展」は2018年1月29日までです。
それにしても、これだけ多くのグッズを生み出し、人々に愛される福助とは一体何者なのか。疑問がふつふつと沸いてきました。今度はディープに福助を掘り下げてみたいと思います。→(
こちら)