『堺少女歌劇団』 (前篇) 語る夢に果てはなく 

syoujokagekidan01_00_face01.jpg
「大浜少女歌劇団」は大正から昭和初期にかけて、当時一大レジャーランドだった堺の大浜エリアで活躍した歌劇団。昭和9年の解散から80年たち、堺東に場所を移し「堺少女歌劇団」として復活しようとしています。
2014年春の募集で集まったのは77名の少女たち。夢が眩く輝くレッスン場へ足を運びました。
■夢は雲をつかむような話から
「そもそもは2013年の情報誌『Sakaist/さかいすと』に掲載された竹山市長と吉本興業の大﨑社長との対談で『堺で歌劇団を復活させては?』という話が出たことなんです」
お話を伺ったのは「堺少女歌劇団」のプロジェクトリーダーで、地元堺東駅前商店街で時計・宝石店「スズヤ」を営む奥元裕典さん。
「しかし『今は閑散とした大浜では難しい。やはり中心市街地の堺東でやるべきで、商店街が担ってもらえないか』という話がきたんです。その際には『町や地域コミュニティの活性化を念頭において』と」
最初は「雲をつかむような話だ」と奥元さんは思ったそうです。
syoujokagekidan01_01_okumoto01.jpg
▲プロジェクトリーダーの奥元さん。もともと町づくり活動には熱心に参加されており、『堺少女歌劇団』も奥元さんにとっては、その延長線上にあります。

 

「歌劇団と言われても、想像するものは人様々です。AKBのようなアイドルグループなのか、宝塚なのか、キッズダンスなのか……違うイメージを統一していく所からはじめました」
導きだされたのは「本格的な歌劇団」というコンセプト。
「本物を作る職人の町・堺だから、ご当地アイドル的なものではなく、本格的なものをと考えました。歌と踊りと演劇の三つを備えた本格的な歌劇団というコンセプトです。そこで吉本興業さんとも話し合い、商店街の意見をミックスさせて、実現可能なものをと模索して今にいたるんです」
当初商店街内に劇場を持ちたいと考えていましたが場所は無く、レッスン場のみを確保して始動となりました。
「5年後の市民会館のこけら落とし公演を『堺少女歌劇団』でやりたいですね。そして将来的には商店街内に劇場を持ち、町のシンボルになればと考えています」
すべてにおいてゼロからのスタートだった『堺少女歌劇団』ですが、「夢を語れば果ては無い」と、奥元さんは未来を語ります。
■半年の成果を披露
2014年の3月に告知、4月1日からレッスン生を募集しました。新聞・メディアにも取り上げられ、応募者から77名のレッスン生が選ばれます。
「レッスン生は下級生と上級生に分けられます。小学1年生から5年生までが下級生、小学6年生から中学3年生までが上級生です。バレエやダンスの経験がある子もない子もいてマチマチですね。ここではバランスよく歌と踊りとお芝居が一度に習えるので、親御さんからすると習い事としてお得なんじゃないでしょうか。そして『堺少女歌劇団』第一の売りは、人前に出る機会が圧倒的に多いことですね」
syoujokagekidan01_03_lesson00.jpg
▲レッスンは週2回。歌とダンスが一回ずつです。

 

最初の機会は、10月19日の「堺まつり」市役所前の市民交流広場でのステージがはじめてでした。
「9月にレッスンが始まったばかりで本当にできるのか、大きくはない舞台に70名以上も動けるのか不安でした。でも舞台演出をうまくしていただいて、全員が時間差で踊れてオリジナルソングも披露でき、観客からは『感動した』との声もありました」
「堺まつり」の次は、12月の5日間のクリスマスコンサートが発表の場でした。イルミネーション点灯式にはじまり、ジョルノ専門店街、観光案内所などで、レッスングループに分かれて成果を披露したのでした。
「今は、2月21日の『ガシバル(堺東まちなか逸品バル)』でのステージと、3月14日の堺市総合福祉会館大ホールでの本公演にむけてレッスンが始まりました。本公演はいよいよ初の歌劇になります」

 

syoujokagekidan01_03_lesson01.jpg
▲3月の本公演に向け、本格的な練習が始まった。
■地域の自慢になるように育てていきたい
syoujokagekidan01_04_lesson02.jpg
▲本公演に向けて緊張感が出てきました。レッスンの合間でも練習に余念がありません。
「レッスン生も色々ですね。歌手になりたい子もいれば、ケーキ屋さんになりたい子もいる。下級生は『元気なちびっ子』そのもので成長するのが楽しみですし、上級生はやっぱり意識が高い子が多い。個々の夢を応援したいですね」
レッスン生にとって『堺少女歌劇団』は、自分を鍛える場、自己表現の場、あるいは夢の扉を開く場であるかもしれませんが、奥元さんたち商店街の皆さんにとっては、どんな存在なのでしょうか。
「商店街は商売人の集まりですが、宝くじのようなものだと思います。ニーズがあればCD販売などもしますが、お金儲けを目指す所ではありません。地域の自慢になるように育てていきたいですし、もっと商店街が関わっていけるはずだと、様々な方法を模索中です」
その模索の第一歩として商店街の「自転車マナーアップキャンペーン」があります。
「『堺少女歌劇団』にキャンペンガールズなってもらいます。それによって商店街と接点ができる。そうした接点から、自然に商店街からも興味を持ってもらえるし、レッスン生も商店街に愛着を感じてもらえればと思います。こういったことは無理強いするものではないですから」
専用の劇場がないための苦労はありますが、商店街の道でフラッシュモブのようなことも出来るかもしれない、などと奥元さん自身の夢をもって運営にあたられています。
syoujokagekidan01_05_lesson03.jpg
▲レッスンが終わり「今日は楽しかった!」「時間が過ぎるのが早かった!」の声が溢れます。

 

(→後篇につづく)
 【堺少女歌劇団第1回公演「想い出の一瞬!」】
 日時:2014年3月14日(土)①公演 開演15:00(開場14:30) / ②公演 開演17:30(開場17:00)
 会場:堺市総合福祉会館6階ホール(堺市堺区南瓦町2番1号)
 出演者:堺少女歌劇団、
  特別出演:島田珠代 / 高橋靖子 / 吉岡友見
 チケット:前売り2,000円 ・ 当日2,500円 (指定席)
  ※チケットよしもと 15:00公演・Yコード[ 501417] / 17:30公演・Yコード[501418]
 チケットに関するお問合せ:チケットよしもと TEL:0570-550-110(10:00~19:00)
 ※詳しくは、堺少女歌劇団ホームページをご覧ください!!
堺少女歌劇団
専用レッスン場
住所:堺市堺区 中瓦町1-4-24 7階・8階

灯台守かえる

関連記事

Remodal

Remodalテスト

Write something.


PAGETOP

remodal