堺ブレイザーズの挑戦2017/2018 (3)

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2017年10月に開幕したバレーボールのV・プレミアリーグ男子の2017/18シーズン。
堺市をホームタウンとする堺ブレイザーズは、ここ数年優勝戦線から遠ざかっています。昨シーズンは、就任したばかりの真保綱一郎監督のもと、シーズン後半に調子をあげ黒鷲旗全日本選抜大会で3位に入る健闘を見せました。
今シーズンは、新戦力に加えて、NHK・Eテレの人気番組「奇跡のレッスン」に「最強コーチ」として登場したマルキーニョスことアントニオ・マルコス・レルバッキさんも招へいし、全タイトルに絡むことを目標に開幕に挑みました。しかし、初戦・第2戦ともセットカウント1-3で落とし、堺ブレイザーズは開幕ダッシュに失敗してしまいました。
堺でのホームゲームは12月2日、3日。それまで待っていられないファンも多いことでしょう。そんなわけで、堺ブレイザーズの闘いを伝えるべく、VSパナソニックパンサーズ戦(10月29日)の行われる大阪市中央体育館へと向かいました。

■巨大なアリーナで
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▲大阪市中央体育館の巨大なメインアリーナに堺からかけつけた応援団の雄姿。
実ははじめて訪れた大阪市中央体育館。地下鉄中央線「朝潮橋」駅から徒歩すぐで、体育館の入り口はなだらかなスロープを降りた地下にありました。堺で台風被害があったばかりということもあり、こんな海際で高潮や津波が来たらどうなるのだろうと、ちょっと思ったりも……。
会場のメインアリーナは巨大で1万人の収容人数を誇ります。堺ブレイザーズのホームである堺市金岡公園体育館の収容人数は約2000人なので5倍の規模の会場で、さすがに客席は空席が目立ちます。
あとで公式データを見ると、この日の入場者数は1800人となっていました。しかし、比率的に空席の多さもあってか、あるいはフルハウス状態の金岡公園体育館の熱量の記憶があるせいか、もっと少ないような印象を受けました。このあたりスポーツ興行の難しさを感じさせます。
さて、アリーナではすでに両チームの選手たちが試合前の練習を行っており、観客席では応援団が陣取っています。堺ブレイザーズサイドには、今年もなおき応援団長の雄姿が見られました。
そうこうしているうちに試合開始の時間です。
■今季初勝利を目指して~第1セット~
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▲この日のスターティングメンバ―。左端見切れてしまっている千々木駿介選手の隣が山口頌平選手。続いてウォレス選手、出耒田敬選手、井上裕介選手、松本慶彦選手、髙野直哉選手。
この日のスタメンで注目したのは、やはりセッターの山口頌平選手でしょうか。佐川翔選手を押しのけ、開幕から山口選手がセッターを務めていたのです。
山口選手は、髙野直哉選手と共に全日本ユニバーシアード男子チームとして台北で行われたユニバーシアード競技大会に出場し、日本に銅メダルをもたらした期待の若手です。リーグでは結果が出ていない2試合が続きましたが、今日こそ勝利をもたらしてくれるでしょうか。
第1セット序盤。堺ブレイザーズは最初から相手チームの先行を許す苦しい展開でした。パンサーズが連続得点でブレイクするのに対して、堺ブレイザーズの攻撃は単発で終わり、気が付くと4-7と点差が開いていました。パンサーズのエース外国人選手クビアク選手のスパイクが決まって4-8でファーストテクニカルタイムアウトを迎えたのでした。
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▲パナソニックパンサーズのクビアク選手。
タイムアウトあけも、堺ブレイザーズのウォレス選手がシャットアウトされて4-9。さらに4-10となってたまらず堺ブレイザーズがタイムアウトをとります。しかし、それでも流れは止まらず、千々木駿介選手がブロックされ4-11。
ウォレス選手、髙野選手、出耒田敬選手らが反撃しても次が続かない。セカンドテクニカルタイムアウトとなった時も8-16でパンサーズが差を広げていました。
まるで反撃の糸口が見えないまま1stセットは最終局面へ。11-23となって、さすがにベンチも動きます。セッターを山口選手に代えて佐川選手に。しかし、ここまで点差が開いていてはいかんともしがたい。最後はクビアク選手が決めて12-25でセットを奪われたのでした。
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▲第1セット最終盤に登場した佐川翔選手が吠える。
あっという間の第1セットだったなという印象です。これがボクシングなら、一方的に殴られ続けたサンドバッグ状態というやつでしょうか。パンサーズにはまったく隙が無く、ミスは少なく拾いまくる。ウィングスパイカーのクビアク選手、オポジットの清水邦広選手が絶好調。若手の山内晶大選手も要所要所で光ったプレーを見せ、記者席でも「山内は一皮むけましたねぇ」と感心されていました。
「堺ブレイザーズのいいところがない……」
このままでどうなるのか。不安を感じながら、第2セットを迎えます。
■暗雲振り払えるか~第2セット~
第2セットで気になるのはメンバー。セッターは山口と佐川のどちらを選択するのだろうか。
真保監督の答えは山口選手でした。この期待に応え山口選手は自らの手で流れを引き寄せて欲しい!
しかし、セットが変わっても、パンサーズのラッシュは終わりません。のっけからの3連続得点で0-3。セット開始早々に、堺ブレイザーズはタイムアウトをとらざるを得ませんでした。
その後の展開も、まるで第1セットの録画を見ているかのようで、単発攻撃の堺ブレイザーズに対してパンサーズは選手が躍動しブレイクする。5-8でパンサーズのファーストテクニカルタイムアウトを迎えます。
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▲出耒田選手もパンサーズのブロックを打ち破れない。

流れは変わらない。どうにもこうにもパンサーズの攻撃を止められないまま、8-14とセカンドテクニカルタイムアウトも目前となった所で、千々木選手に代わって主将の伊藤康貴選手が登場します。
シーズン前の記者会見では「レシーブで貢献したい」と言っていた伊藤選手。これは守備力を高めたいのだろうか? と素人ながらに考えます。
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▲伊藤康貴選手を投入。手前から伊藤選手、松本選手、ウォレス選手の三枚が揃った前線。
パンサーズ期待の山内選手の攻撃で10-16とセカンドタイムアウトをとられたあと、続いての選手交代で山口選手に代わって佐川選手が登場。第1セットよりプレイ時間を与えられた佐川選手はさてどうするのか?
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▲ウォレス選手のスパイクが決まる。こんなシーンをもっと多く見たかった前半の闘い。
プレイ再開後、ウォレス選手が決めて11-16、髙野選手が決めて12-16と、なんだか久しぶりのブレイクを見ます。その後、パンサーズのチャレンジが失敗し、13-17。タッチネットで14-17と、相手のミスもあってようやく試合が試合らしくなってきました。
ウォレス選手のアタックをパンサーズのクビアク選手がブロックして14-18。清水選手のスパイクで14-19と突き放されてしまいます。相手が立ち上がってきた所を叩き伏せるのが、エースの仕事と言わんばかりの仕事ぶりに舌を巻きます。
これで堺ブレイザーズの勢いはそがれたのか、スコアの差が縮まらないまま淡々と試合は推移し、セットポイントでは出耒田選手のサーブミスで19-25。第2セットもパンサーズのものになったのでした。
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▲パンサーズのセットポイントでの出耒田選手のサーブ。
この2セット、堺ブレイザーズはひたすら先行され追いつけませんでした。次のセットを落とせば一矢も報えず終戦です。まるで眠ったままの堺ブレイザーズ。応援席からの声援は変わらないけれど、それに応えることは出来るのでしょうか?
後篇へつづく)
新日鐵住金堺体育館
堺市堺区築港八幡町1番地(新日鐵住金堺体育館内)
電話:072-233-2264 
FAX:072-233-2248 
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