三人彫刻∵巴白波展
内から溢れくる「もの」を
かたちどった作品を作り続ける
彫刻作家の3人展が「ギャラリー いろはに」で開催されています。
巧みさと 素朴さと ---ユニーク造詣の競作
堺・宿院の商店街にある「ギャラリー いろはに」は、地域密着にこだわる文化発信の拠点としての存在感を増している。
そのオーナーの北野庸子さんが大阪彫刻家会議の協力を得て企画したのがこの選抜展である。
芦 博志さんと うらはま まさひこ さんはいずれも堺市在住で、共に堺市展 市長賞の受賞経験があり、岸和田在住の大津ヒロシさんも2008年の同展で市長賞を得た。
芦さんは堺の伝統産業である刃物の技巧者で、2009年の大阪・うつぼ公園「花と彫刻展」の出展作は、出刃包丁のイメージの鉄オブジェ6体に編み笠の頭部をのせて托鉢僧の列になぞらえ、ひょうひょうとしたユーモアが秀逸だった。
うらはまさんは、木、竹、布などで不思議な箱状立体を構成し、小旗などがひらひらそよぐ軽やかな作品。子どもの頃の工作のような素朴さといたずらっぽさがいつもある。
大津さんの「CO・KE Plan」シリーズは生きた苔が主役だ。焼いて炭化させた木の柱や皮付き松材に苔を張り付けた作品は、カガシやトーテムポールを連想させて、特異な造形表現である。
この組み合わせによる同一会場での競作はどのようなものになるのか。調和など考えず、自由に個性を発揮して欲しいと思う。
美術ジャーナリスト 山村 悟
期間 2011年 5月27日(金)~6月8日(水)
11:00~18:00 最終日 17:00まで
(6月2日 木曜日 休廊)
後援 大阪彫刻家会議
ギャラリー いろはに
〒590-0953 堺市堺区甲斐町東1丁2-29
アスティ山之口商店街・中程
TEL・FAX 072-232-1682
・南海本線 堺駅より徒歩12分
・南海高野線 堺東駅より徒歩17分
・阪堺線 宿院駅より徒歩2分
・堺駅、堺東駅よりシャトルバス利用の場合「大小路」下車5分