#堺ぶんぐ旅 レポート

 

2024年11月30日。
文具をテーマにしたイベント「#堺ぶんぐ旅」が催されました。
昔の人は、明窓浄机(めいそうじょうき)などといって、明るくて清潔な空間で勉強したいと願い、そのために筆墨硯紙(ひつぼくけんし)、すなわち文具にこだわりました。さて、この「#堺ぶんぐ旅」は、現代の文具愛好家たちをどう楽しませてくれたのでしょうか?

 

■スタンプラリーのゴール”紙カフェ”

 

 

この「#堺ぶんぐ旅」、旅とついているように、複数個所をスタンプラリーで移動してまわるイベントになっています。取材では、まず最初に「紙カフェ」に足を運んだのですが、ここがスタンプラリーのゴールに設定されており、図らずも逆方向からスタンプラリーを回る形になってしまいました。
「紙カフェ」には、すでに他会場をまわりゴールのスタンプを押すお客さんたちがひっきりなしに訪れています。
「スタンプラリーパスポート」と名付けられた、スタンプラリー帳を手渡されてうならされたのは、今回のスタンプラリーがただ会場を回ってスタンプを押すだけには、なっていないことでした。会場ではワークショップなど様々なコンテンツが用意されており、全18コンテンツのうち、いくつのコンテンツをおこなったかチェックし、そのチェックポイントに応じてスタンプラリー達成の賞品が豪華になるというのです。
さて、紙カフェではどんなコンテンツがあるのかな?

 

 

今回の目玉企画の一つといえそうなのが、この「OKB48総選挙」。OKBってなんやねん? それは「お(O)気(K)に入りボ(B)ールペン」のこと。48種類の選り抜きのボールペンから、試し書きで書き味を確かめてお気に入りを投票するという趣向です。さて、お気に入りのボールペンは見つかったかな?

 

 

紙カフェ店内には、普段に加えて充実した文具のラインナップが並んでいました。こちらは文具系Youtubeの #ノート旅 のJackieさんがおススメする文具コーナー。この中でも特に推しはどれですかとお聞きしたら、画面中央のichi-clipをおススメされました。シンプルで飽きの来ないデザインなのに、紙を50枚とめることができて、しかもステンレスだから丈夫なんだそうです。逸品ですね。

 

 

ワークショップもいくつも開催されていました。こちらは、クリスマスカードを作ろうという「シーリングスタンプのワークショップ」。メッセージを書いてプレゼントに添えたりすると良さそうですね。

 

 

ゲストハウス知輪もワークショップスペースになっていました。
マステちぎり絵ちゅみさん。すでにテーブル上がカラフルですね。マステを使って色鮮やかなちぎり絵作品を作ります。マステだと貼り付けるのもはがすのも簡単だから、自由な発想の作品を作るのにむいてそうですね。

 

 

可愛いイラストが目をひいたのは、ほっこりイラストレーターひだまりさんのグッズ販売ブース。どれも手にとりたくなる魅力がありますね。この日は販売だけでなく、キーホルダーやポストカードを作るワークショップもありました。

 

 

そして知輪の2階は、癒しの空間に。クリスタルボウル演奏を、リラックスした姿勢で間近に聴くことができるこの贅沢も、畳敷きの和の空間ならではですね。

 

 

その他にも、ペーパーフリマでお馴染みの「紙すくい」「紙バイキング」も行われていました。定番コンテンツとして好評を博していましたよ。

さて、そろそろ会場を移動しましょう。

 

■町に開かれたお寺”大善寺”

 

 

紙カフェから南へ歩をすすめ、柳之町の寺町筋にあるお寺、大善寺が第二の会場です。
大善寺は浄土宗のお寺、建立は1614年といいますから、400年の歴史を持つ由緒あるお寺です。2階にある二つ並んだ花頭窓(かとうまど)が可愛らしい表情を浮かべています。

 

 

大善寺のワークショップは、「木魚体験」や「ビーズ数珠を作ろう」、「巨大ぬりえのヌーリエを塗ろう」、「推し布教カードを描こう」と、お寺ならではといったものがあったりして個性的。どうして、大善寺がスタンプラリーに参加することになったのか、副住職にお話しを聞くことができました。

副住職「知り合いだったJackieさんに、何かお寺でもお手伝いさせていただけることがないかなと思って、お話しをさせていただいたんですが、お寺のこの大きいスペースを使ってイベントをしていただくのが一番いいかなと思ってこういう風にさせていただきました。Jackieさんが、文具のキシダさんとかと繋がっているので、ちょっと地域を巻き込んでやったら楽しいんじゃないかと思ったんです」

 

 

さて、今回は気持ちがはやりまして、山口家住宅はちょっとパスして、堺東にある文具のキシダさんに向かいました。

 

■老舗の文具店”文具のキシダ”

 

市役所前の大小路に店を構える「文具のキシダ」さんは、文具の専門店としてお馴染みです。
特に万年筆とその関連商品が一推しということもあり、ここでのコンテンツは、「万年筆インク無料詰め替え」「メッセージカードインクぬりたくりワークショップ」「オリジナルトートバックアレンジワークショップ」でした。スタンプラリー開始と同時にどっと子どもたちが押し寄せて、取材時には丁度波が引いて落ち着いた時だったので、お店の方にじっくりと話をきくことができました。

キシダさん「普段は子どもさんがお越しいただけるような店ではなくて、どちらかというと専門的な感じのお店なのです。ただお母様が使われている万年筆を子どもさんも興味おありの方が沢山いらっしゃるので、それだったらインクからぬり絵感覚で塗れるワークショップが一番で、手軽でお母様と一緒にお家に帰られても楽しめるんじゃないかというので企画しました。これまでもワークショップはやっていたのですが、どちらかというと大人向きで、万年筆でお名前を練習しましょうとか、カスタムしましょうとか、インクのブレンドなど、基本万年筆に特化したワークショップが多くて、子どもさんが参加するにはハードルが高いお値段になったりもするので、ワンコイン100円で参加していただけるというのは、今回うちでははじめてです。今まで全然来なかった子どもさんとかが来られて、本当にありがたいですね。ここから文具の世界に興味をもっていただけたらと思っています」

 

 

いかがだったでしょうか。過去、ペーパーフリマでもスタンプラリーは開催されてきましたが、今回の#堺ぶんぐ旅では、ポイント制で賞品が変わるところでゲーム性が増したり、お寺に文具店、町屋歴史館と従来にはなかった相手とのコラボレーションであったことなど、一味違うイベントになっていたように思います。なにより、紙、紙雑貨から文具へと広がりをみせたことも特筆すべきことだったように思います。文具という道具がひとつ入ることで、紙がもっと身近になり、紙とのかかわり方のヴァリエーションも増えることが実感できたイベントでした。

 

紙カフェ
web:https://kami-cafe.jp/

 

大善寺
web:http://dai-masa-jou.com/wp/daizenji-introduction

 

文具のキシダ
web:https://www.kishidajim.co.jp/

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