堺ブレイザーズ観戦記録2021-22(1)サントリーサンバーズ戦 1/15

堺ブレイザーズが好調です。
2021-22シーズン。2022年になって初めてのホームゲームを金岡公園体育館で迎えた1月15日(土)の時点で首位をキープ。2位の東レアローズとはポイントは並ぶものの、勝率では上回り、3位以下とは10ポイント以上のポイント差で引き離しています。
本日の対戦相手は、サントリーサンバーズ。昨シーズンの覇者で現在は3位につける強豪チームです。まったく侮れる相手ではありません。

 

 

好調堺ブレイザーズを牽引するのは、今シーズンJTサンダーズ広島から移籍してきたベテランセッターの深津旭弘選手(17)。コート上では人一倍の笑顔を浮かべ、高いリーダーシップを伺わせます。

第1セットの序盤は、互角ながらも堺ブレイザーズがポイントをリードし続け、サントリーサンバーズが追走するような展開。ファーストテクニカルタイムアウトを8:6、セカンドテクニカルタイムアウトを16:14で堺ブレイザーズが取りますが、その差は紙一重。相手のサーブミスで得点が17:15となった所で何かを感じ取ったのでしょうか、深津選手が大きな声で檄を飛ばします。
「さあブレイク取りに行こうぜ!」
しかし、ここでサントリーサンバーズが得点をあげサイドアウト。振り返ってみれば、ここがターニングポイントになってしまったようにも思えます。この後、サントリーサンバーズの連続ブレイクが出て逆転され19:21に。空気を変えようと、ピンチサーバーに堺出身でサーブも持ち味のセッター佐川翔選手(8)が登場しますが、サーブミスで失点。
その後、こちらも新加入の外国籍選手シャロン・バーノンエバンズ選手(13)が連続ポイントを決めるものの、及ばすに23-25で第一セットを落としたのでした。

 

▲ブロックポイントを決めて雄叫びをあげるシャロン選手。

 

なんだか、粘りにかけるプレーをしているような堺ブレイザーズの印象。それもそのはず、第2セットは、堺ブレイザーズにほとんど連続得点をするブレイクが出ないままに、サントリーサンバーズが得点を積み重ねていきます。その得点源はやはりドミトリー・ムセルスキー選手(13)。ロシア代表の超弩級の大型選手ですが、過去のドーピング陽性問題により、国際バレーボール連盟(FIVB)から1月4日まで選手活動の一時停止処分を受けており、ようやく復帰してきたばかり。まだ本調子ではないのでしょうが、それでも強烈なサーブにスパイクを打ち込んできます。

 

▲世界最長身のドミトリー・ムセルスキー選手を止めることが出来るのか!?

 

ファーストテクニカルタイムアウトは6:8でサントリーサンバースに奪われ、そのまま追いつくどころか引き離されて11:16でセカンドテクニカルタイムアウトもサントリーサンバーズのもの。
一方で、堺ブレイザーズの13番シャロン選手は、コート外までボールを追いかけダイブする姿を何度も見せるなど、ボールへの執念を見せます。攻撃でもえげつない角度のスパイクを決めて見せますが、本領発揮の大爆発とまではいってないような印象。

 

▲コート外にダイブしたシャロン選手が起き上がると、すかさずベンチの選手たちが健闘を称えるために囲んだ。コート内外の選手が一体となって闘っています。

 

堺ブレイザーズの攻撃は不完全燃焼のまま。失敗を恐れず強気のサーブで相手を崩していく攻めのバレーボールが堺ブレイザーズの信条ですが、今日の試合では目が悪かったようです。肝心な所でサーブが決まらない。サーブミスで失点した深津選手がしかめっ面を浮かべて、
「ごめん!」
と、声に出すシーンもありました。
第2セットは、そのまま16:25という大差がついてサントリーサンバーズに奪われてしまいます。

 

▲キャプテンとなった出耒田敬選手(7)。チームの日本人最長身から繰り出すクィック攻撃やブロックポイントをここぞという時に決めてくれる。

 

2セットを取られて後が無くなった堺ブレイザーズ。第3セットの序盤は、キャプテン出耒田敬選手(7)の活躍が目立ち7:4までリードを広げ、ファーストテクニカルタイムアウトも8:6で奪取します。その後は、互いにサーブミスやタッチネットなどの失点が続くかと思えば、サントリーサンバーズの小野遙輝選手(3)と堺ブレイザーズの樋口裕希(2)にサービスエースが出るなど、取ったり取られたりの互角の展開。堺ブレイザーズは16:15でセカンドテクニカルタイムアウトを奪います。21:21となった所で、サントリーサンバーズにブレイクが続き、最後は23:25でセットを奪われ終戦。
セットカウントは0:3のストレートという結果だけみれば、一方的な力負けといった試合となりました。

 

■記者会見

試合後の記者会見には、キャプテンの出耒田選手とセッターの深津選手に来ていただきました。まずは試合の感想から。

 

出耒田「先週はブロックが機能していい感じで勝って(今週を)迎えたんですけれども……。出だしは良くて、ただ相手の勢いのあるいいサーブに押された。自分達のやるべきことをやられてしまった。ただ正直相手の日本代表の柳田将洋選手(8)、藤中謙也選手(10)といったサイドに集められているとは思えないんですよ。明日、ムセルスキー選手の対策もしっかりとって頑張りたいと思います」

深津「今日、3:0で負けましたけれど、なすすべがなく負けたわけではない。明日チームでどういう方向性をもって闘っていくかを決めて、落ち着いてやっていきたいなと思います」

 

続いて質疑応答。

フリーランスの記者より深津選手に対して、「移籍してこれまでと違ったチーム、違った立場で、違った感じ方があるのではないか?」との質問。
深津「プロ選手になったから、何か変わったかというとそこはあんまり感じないですけれど、とにかくこのチームにきて色々な発見があって、よりバレーボールというものを違う所で見れていると感じる所があるので、それは本当に堺ブレイザーズに来て良かったと思います。このチームの選手が非常に受け入れてくれている土壌があったので、そこは助かっているし、そういった意味で感謝の気持ちっていうのはありますし、だからより勝ちたいというのも芽生えているんで、とにかく今これでまだ首位なのかはわかりませんが、上位にいるのでこれで満足することなく、このチームでとにかくタイトルをなんでもいいから取りたいので、V.LEAGUE一番の目標はタイトルだと思うので、そこにむけてみんなで考えてやっていきたいなと思っています」

--JTサンダーズ広島でもやられてきたと思うのですけれど、堺ブレイザーズに来て地域貢献で地域とかかわるイベントをしたりしたことは?
深津「前のチームでもそこの土壌で根付いたチームだったので、また堺ブレイザーズは堺ブレイザーズで違った良さがあるなと感じつつ、ここで沢山一緒に応援してくれているなと感じているし、すごくやりがいがあるなと思いますね」

--V.LEAGUEは、今ちょっと停滞感があると感じます。選手の立場から意見交換をしたいとか、そういう基盤はあるのですか?
出耒田「自分の場合は、シーズン前にプレイヤーズミーティングに参加させてもらったわけなんですけれど、もっとざっくばらんに硬くならずに……正直発言しづらい雰囲気もあったし、発言したところで自分の求めているものと違う回答をされたりもしましたし、可能であればかしこまらずに、それこそお酒を飲む場で、意見交換をしてみたいなという思いはあります。ただ今はコロナということもありますし。ただV.LEAGUEも変わっていかなきゃと思います。もちろん、まず自分たちはプレーで結果を残してファンを増やすことを今は取り組んでいきたいと考えています」
深津「バレーボールは完全にプロリーグだから、色々ビジネス的に発展しないといけないとか難しい所はあるんですけれど、選手の意識的に変わらないといけないのは、他のスポーツはちゃんと選手会が発足してあって、それが長い年月、野球でもサッカーでも他のスポーツでもあると思うので、選手から選手会というものを作りながら、野球だったら何年も前にボイコットというものもあったし、そういうものを作って、V.LEAGUE機構との力の差というのを近くしていけば、色んな意見が生まれてV.LEAGUEが発展できると思います。そういう所を選手で考えるか、他のスポーツの人たちと意見交換しながら、どういった運営をしているのとか、どういう方向性で進んでいるのとかを聞きながら、V.LEAGUE自体もよりよい方向で進められたらと感じます」
--選手会というのは具体的な話はあるのですか?
深津「いや全然無いです。自分が昔からそういうのがあった方がいいと思っていて、多分選手会をやるにしてもバスケットボールの選手から大変だったと聞いたことがあるので、どういう形で実現するかわからないのですけれど、他のチームの先輩選手とかもずっと感じていると思うんです。オリンピックが終わって、バレーボールというものの価値を上げていかないといけないと思うんです。別に何かと対立するとか、そういうことじゃなくて、より発展できる環境を作れればいいと自分は思いますね」

 

▲FC東京から移籍した迫田郭志選手(9)の加入もチームに刺激を与えている。

 

--(つーる・ど・堺から)このところ低迷が続いていた堺ブレイザーズが首位で調子がいい。何か大きく変わった事はあるのでしょうか?
出耒田「やっぱり深津さんや迫田(郭志選手)が加入したこともありますし、今まで以上に選手同士、ポジション同士の争いがそれぞれを成長させたなと思います。自分にとっては、キャプテンとして仕事をしなくてもいいぐらいに深津さんだとか山本(智大選手)だとか、すごいリーダーシップを発揮して、そういったものも好調につながっているんじゃないかと思います。あとは(シャロン・バーノン)エバンズ選手が、自分たちが思っていた以上にチームになじんでいますし、見てもわかると思いますけれどすごいポテンシャルを持った選手なので、それをしっかりチームにして使えているのも好調の証だと思います」

--深津選手は、堺ブレイザーズというチームは、入る前と入ってからのイメージは違ったりしましたか?
深津「いや、イメージ通りでした。そんなに変わったことはないです。でも日々選手を見ながら、こういう選手なんだなという理解はどんどん深まりました。あとは堺ブレイザーズの伝統というのに驚かされたというのは入って感じました。イメージとしては変わらなかったんだけれど、やっぱり強い……最近はちょっと低迷はしていたけれど、強い伝統を持っていると感じることがありました」
--驚かされた伝統とは?
深津「たとえばすごく練習する。今日も多分帰って練習する選手がいるから。そういうのを見るとすごいなって思います。他のチームでそれをやっているチームはなかなかないと思うので、それだけそういうものを脈々と受け継いでいきた人間がいると思うし、それを次に伝えていく作業を背中で見せていかないと。そういった意味ではやっぱりすごいなと思いました。このチームで勝ちたいなと思います」

 

 

千葉進也監督「(試合の感想)今年初のホームゲームで敗戦というのは、非常に残念です。サントリーサンバーズさんのハードサーブに対応し切れてない部分と、ムセルスキー選手のスパイクに対するブロックとディフェンスが機能しなくてこういう結果になってしまった」

--(つーる・ど・堺から)堺ブレイザーズという強豪チームが低迷が続いている状況で、今シーズン監督を引き受けられたのですが、どういうお気持ちだったのかとか、どういうチームにしようと決意されたとかありましたか?
千葉「長い間低迷して、ずっと成績も残せない中で監督に就任させてもらいましたけれど、やっぱり我々はファンの皆さん、スポンサーの皆さんに応援していただいて成り立っているチームなので、ずっと応援していただいている皆さんに恩返しは結果で返すしかないと思ってますので、まずは成績が低迷した中でも堺ブレイザーズを応援していただいている方がまだいらっしゃるので、その方々に堺ブレイザーズが強くなったというのをお見せしたい。それが我々の恩返しだと思っている。勝ち続ける。ファイナルに進む。そういうようなチームを作りたいと思いました」
--そのお言葉通り、今シーズンはこれまでいい成績が残せていますが、その要因は監督ご自身は何だと思っておられますか?
千葉「もともと個々の実力はある選手が集まっていたのですが、成績が全然残せない中で、意識がちょっと低いところがあって、そこをしっかり変えないとチームが変わらないと思ったので、選手の意識を変える事を一番最初に思いましたね」
--(フリーランスの記者から)選手の意識を変えるためにどんなことをされましたか?
千葉「まずは自分たちが成績を残せていないということを自分たちで理解しなくてはいけないですし、そこから去年おととしと同じことをやっていても同じ成績しか残せない。だから去年と同じことはやらない。オフシーズンにボール練習の回数も中身も基礎練習の回数も増やしたので、そこからスタートしました」

 

サントリーサンバーズの選手会見は割愛しまして、山村宏太監督が堺ブレイザーズについてコメントした部分をピックアップします。

山村宏太監督「堺ブレイザーズさんは、本当に古豪で力のあるチームだと思ってます。去年と今年で何が変わったのかという点に関しては、今のチームを支えているのはベテランだなということだと思います。去年(昨シーズン)もこのような記者会見の席で、松本(慶彦選手)は同期なんですけれど、選手の中で頑張っている松本選手、またJTサンダーズ広島から移籍した深津選手、この2人というのは堺ブレイザーズさんには無くてはならない存在だと思っています。去年はこういう席で、松本を早く引退させてやってくれという話はしたんですけれど、今期の彼の動きを見ていて、去年の自分はなんてアホだったんだろう、浅はかだったな。今の彼のプレーを見ていたら、まだまだいける。インタビューの中でおそらく去年は、松本がコートにいるかぎり僕らの中でプライオリティ(優先順位)が高い所に行くことはないという発言をしたと思うのですけれど、今の彼は僕らにとってプライオリティです。そういう意味では彼の41才という年でまだまだ進化していく姿に同世代として勇気をもらいますし、僕は監督で、彼はプレイヤーという違う立場でバレーボール界を盛り上げていきたいという気持ちは一緒だと思います。……(笑顔になって)気づいた人がいたかわからないんですけれど、選手入場の時に僕に手を振ってくれたんです。僕らはそれぐらい代表でもずっと一緒にやってましたし、仲間としてお互いにリスペクトできている関係だと思うのでずっと頑張ってほしいなと思います。それが間違いなく今の堺ブレイザーズさんの勝利の原動力だと思うし、力の源だと思う。もう一回僕は繰り返し言うんですけれど、そんな松本選手を早く追い抜くような選手が出てきて欲しいですし、彼を早く次のステージに連れて行けるような若い力っていうのが、今後さらに堺ブレイザーズさんが躍進するのに必要なんだと僕は思っています」

松本選手とリスペクトしあう関係というのが、よくわかる山村監督のコメントでした。これは明日、松本選手からもコメントをもらわないわけにはいきませんね。

(第2回へ続く)

 

堺ブレイザーズ
堺市堺区築港八幡町1番地
web:https://www.blazers.gr.jp/web/

金岡公園体育館
堺市北区長曽根町1179−18

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