沙界妖怪芸術祭 鋼と妖怪展開催!! @開口神社・山之口商店街12/4・5
妖怪たちが、山之口商店街を占領した!?
お買い物で向かう日常空間が、非日常の妖怪空間に様変わりしています。
山之口商店街は、堺区の旧市街区のど真ん中にある由緒ある商店街です。歴史を重ねると、不思議なものが棲みつくのは世の習いなのか……なにかいます。
実は、2021年12月4日(土)5日(日)の二日間、堺区にある開口神社とその門前町である山之口商店街を会場に「沙界妖怪芸術祭 鋼と妖怪展」が開催されているのです。
■開口神社
妖怪に導かれて、開口神社に向かってみましょう。
開口神社は、古代からずっと同じ場所にあり、堺の魂のふるさとといっていい重要な神社です。
開口神社の瑞祥閣には、大人数の人間たちがつめかけていました。彼らが見つめる先にあるのは、怪しいイラストやオブジェ。これらのアート作品はすべて一冊の本がもとになっています。
その本の名は「沙界怪談実記」。
江戸時代の堺で起きた様々な怪異をまとめたという幻の一冊。その実物は今では失われてしまったものの、地方誌に転載されてかろうじて現代に語り継がれていたのです。
「沙界怪談実記」は、序文を含めて全50話。その文章を当時の風情を遺しつつ、現代語として訳したのは、古書師の天羽孔明さん。今回はそのうち10話をとりあげており、この10話をモチーフにして様々なアーティストが作品を制作しました。
ミニチュア造形作家の長谷川敦子さんによるミニチュア作品。第四話「高須鬼臂躁人話」から、高須町の遊郭で見つかった鬼の腕。
第二話「北蛇谷飯縄法術」。堺の北蛇谷の商家に法師がやってきた。その夜から怪異が発生して……。
そうこうしているうちに中澤龍水さんによる琵琶演奏がはじまりました。
ちなみに二階では妖怪アートフリーマーケットや妖怪ワークショップが行われています。
妖怪さんにお願いして記念撮影をするもよし。4日5日両日とも15時から妖怪パレードがあるそうです。
■山之口商店街 紙cafe
さて、山之口商店街に戻って、もうひとつの会場紙cafeでは「鋼と妖怪展」として、趣のことなるアート作品が展示中。手前の鉄の作品は芦刃物製作所の芦博志さんの作品。背後の書は書家西村佳子さんの作品です。
鉄の技術は、古墳時代から現代まで、堺を代表する技術です。千数百年の技術から生み出された妖怪たちの姿をお楽しみください。
西村さんは、「沙界怪談実記」を書で書くことによって、バラエティ豊かなこの芸術祭・妖怪展のイベントと作品をつなぎ合わせて、芯を通す役割を果たしました。
真ん中の妖怪が一番強そうじゃないですか?
沙界妖怪芸術祭は12月4日と5日、 鋼と妖怪展は8日まで開催されています。