堺ブレイザーズ観戦記録2020-2021(2)vsVC長野トライデンツ戦 10/18

 

2020年10月18日。
昨日の冷たい雨はあがり、過ごしやすい秋の空が日本製鐵堺体育館の上に広がっていました。
V.LEAGUEの開幕戦の昨日の試合は、VC長野トライデンツに勝利した堺ブレイザーズですが、今年はこれまでのシーズンとは違いホーム&アウェー制で、同じ相手と2連戦することになります。昨日の戦いから相手が対策を練ってきていることは十分に考えられます。堺ブレイザーズとしては、このホーム2連戦を連勝で飾り勢いをつけところですが、さてどうなることでしょう。
さっそく試合の様子を見ていきましょう。

 

■試合経過

▲VC長野トライデンツのディフェンス力が印象に残った第1セット。

 

堺ブレイザーズのスターティングメンバーは昨日の第1セットと同じく、キャプテン髙野直哉選手(4)、セッター関田誠大選手(11)、ミドルブロッカーに出耒田敬選手(7)と松本慶彦選手(1)、昨日は前半戦でチームをひっぱる活躍を見せた新加入のアウトサイドヒッター鵜野幸也選手(23)、そしてオポジットは合流したばかりで実力はまだまだ発揮しきれていない新外国籍選手のジョン・ウェント選手(24)、リベロは鉄壁の守護神・山本智大選手(21)といったメンバーです。

 

▲高い身体能力が魅力の佐川翔選手は堺市出身。

 

第1セットは、VC長野トライデンツが先行する展開で始まりました。粘りのディフェンスで、堺ブレイザーズの攻撃が機能しません。気がつけば4-8でファーストテクニカルタイムアウトはVC長野トライデンツのものに。タイムアウト後は、鵜野選手に代りベテランの千々木駿介選手(10)がコートへ。それでも7-14と7点差まで点差は拡大します。終盤戦になってセッターも関田選手に代えて佐川翔選手(8)が登場。経験豊かな選手たちが、チームを盛り上げます。一呼吸おいて再びセッターが交代。関田選手も一度ベンチに下がって何か変化があったのか、再登場すると激しくVC長野トライデンツを追撃します。ついに22-22と同点に追いつくと、頼れるキャプテンの髙野選手が連続得点をあげ、25-23で第1セットをものにしたのでした。

 

▲”レジェンド”松本選手は、この日も攻守に活躍。アタック8点を含む13得点をあげる。

 

第2セット。最大7点差をひっくり返されたVC長野トライデンツは、さすがに意気消沈している……と思いきや、またも粘り強いプレーを見せます。5連続ブレイクで序盤を制し、堺ブレイザーズと互角の戦いを見せます。VC長野トライデンツの健闘が素晴らしかったともいえますが、堺ブレイザーズのサーブがともかく入らずブレイクできない、波に乗れないということも大きかったでしょう。このセットだけでサーブミスによる失点は10失点。ハイリスクな攻めのサーブが堺ブレイザーズの特徴とはいえ、全セット通じてのVC長野トライデンツのサーブミス6失点と比べると、ちょっと多すぎました。それでも第1セットに引き続き、松本選手、千々木選手らベテラン勢の活躍が光り、堺ブレイザーズは25-21で第2セットを奪ったのでした。

 

▲インターバルの間にちょっと人気調査。今年人気の選手は? とグッズ販売コーナーで尋ねると、11番と20番のキーホルダーが出てきました。

 

2セットを連取したものの、昨日の初戦よりも苦戦している印象です。案の定、第3セットは追いつ追われつの接戦となりました。関田選手のサーブ時に、サービスエースが飛び出したりして突き放しにかかったのですが、終盤になって20-20と追いつかれてしまいます。ここで、堺ブレイザーズは小池勇輝選手(12)をリリーフサーバーとしてコートに送り込みます。小池選手はサーブの機会こそ1回きりでしたが、その後もコートで味方を鼓舞するプレーを見せます。VC長野トライデンツは24-23まで堺ブレイザーズに迫りますが、最後はサーブミスによって25-23に。ちょっとあっけない幕切れでしたが、堺ブレイザーズは開幕2連勝をホームで達成したのでした。
「開幕2連勝なんて何年ぶりでしょう」
コートの外ではスタッフの方がちょっと恥ずかしそうに、でも満面の笑みを浮かべて呟いていました。

 

▲スピード感あふれる元気いっぱいのプレーを見せる小池選手。終盤になってチームに再び活力を注入しました。

 

■記者会見コメント

久々の開幕2連勝ですが、監督や選手自身はこの試合をどう受け止めているのでしょうか? まずは監督から。

 

▲記者会見で質問が少ないと「今日は早く終わってイイネ」と皮肉っぽくおっしゃるゴーダン監督。すいません。次はいい質問用意します!

 

●監督コメント ゴーダン・メイフォース監督
「VC長野トライデンツは本日も良いディフェンスをしてきました。私たちはブロックも良かったと思う、サーブも狙った所に決めることが出来たと思う。問題はエラーを多く出してしまった所です。特に2セット目です。今回の試合に関してはサイドアウトがスムーズにいかなかったので、サイドアウトオフェンスの方が少し状況が良くなかったという風に思います」

(記者からの質問)

--今シーズンのV.LEAGUEは2試合同じ相手の連戦ですが、監督としてはやりにくさを感じられているでしょうか。
「こうなっているので、こうするしかないと思っています。ひとつの興味深いシステムだと思います。今コロナ禍ということでこういう形になりましたが、基本的に自分としてはホーム&アウェー方式でやる方が好みです。今回のツアー予定ですが、堺の試合も多いですし、サントリーサンバーズさんの箕面、パナソニックパンサーズさんの枚方、ジェイテクトスティングスさんの奈良と、近隣での試合が多いですので、この間遠征が無いというのがチームにとっていいことだと思っています」
--途中から千々木選手を投入した意図、今日の活躍について。
「私たちのチームの23番鵜野なんですけれども、成長のためにそして自信をつけるためにチャンスを与えたいと思っています。そういう状況でしたが千々木がコートに入る準備が出来ていまして、ジョンはチームに合流して3日間しか練習をしておらず、聞いてみると8ヶ月もプレーから離れた状態でした。なので昨日から少し変更を加える形で、千々木が入るということになりました。千々木もオポジットのポジションとかアウトサイドのポジションのどこに入っていくかという話もあります。それから鵜野にもチャンスを与えたいということで、このような形になっております」

 

▲関田選手のひげについての質問は2日連続でありました。

 

続いて選手の試合の感想コメントです。

松本選手「スタートの入りが良くなくて、相手に勢いをつけさせてしまったかなと感じました。2~3セット目もうちのチームはいいスタートはきれなかったんですけれど、結果的に3-0で勝てたことは良かったと思います。うちの攻撃ももう少しパイプ攻撃とか、相手のディフェンスが良かったというのもあるのですけれど、しっかり決定率をあげていかなくてはという課題が出てきた試合だと思います」
千々木選手「今日の試合はうちの攻撃自体は悪くなかったと思うのですが、それをVC長野トライデンツさんのディフェンスが上回った試合だと思います。そこはうちのコンビが詰め切れてないということがあるので、今後うまく消化できるかと思います。あとはサーブミスが多かったんですけれど、そこで苦しんだゲームになったんですけれど、二つともすぐに修正できそうな内容なので、しっかり修正して来週に挑みたいと思います」
山本選手「まず序盤が悪くて、そこから勝ったというのはいい内容だったと思います。序盤の時点で相手より上回る展開にしないと、これから強豪が続くので苦しくなってくると思うので、入りというのはもっと大事にして来週の試合につなげたいと思います」
ジョン選手「良いゲームだったと思いますけれど、私としてはもっとチーム練習が必要だと思っています。チームに合流して間もない状況ですし、ここまで8ヶ月プレーしていなかったこともあります」
関田選手「今日に関しては3-0で勝つことを目標としていたので、それが達成できて良かったと思っていますし、昨日に引き続きクイックとパイプを中心に組み立てていてそれが通用して良かったと思っています。来週はさらに強いチームと戦うので準備をして挑みたいと思います」

 

▲8ヶ月間プレーから遠ざかり、チーム練習も3日間というジョン選手。プレー中も寡黙なジョン選手に他の選手が笑顔で話しかけている姿が目につきました。

 

--応援に制限のある中でのプレーですが、実際に2連戦を終えて雰囲気の違いはどのように感じられていますか?
松本選手「そのことに関して、昨日ちょっとチーム内で出た話なのですが、ファンの方も大きな声を出せないということで、会場の雰囲気はこれまでと違う。自分たちで声を出して雰囲気を作らないと波に乗っていけないという事を感じました。昨日ももちろんベンチの人たちも一生懸命声を出してくれていましたが、今日の方がよりコミュニケーションが取れていたと思います」

--昨日ゴーダン監督から松本選手は”レジェンド”と評価されていたのですが、ご自身ではどう思われますか?
松本選手「同世代も他のカテゴリーで監督なりコーチという人ばっかりなので、今の年齢まで出来ることはなかなかないと思いますし、それを支えてくれている堺ブレイザーズさんには感謝しています。レジェンドと呼ばれ続けられるようなプレーをしていきたいと思います。多分でもチームのみんなもレジェンドとは呼んではくれないですけれど、今日は呼んでもらえましたが(ヒーローインタビューで千々木選手が松本選手のレジャンドぶりに触れたことを指す)」
--千々木選手どうですか? レジェンドですか?
千々木選手「僕が入団時で松本選手は31才ぐらいですか。僕が今31才なのですが、僕が3年目に松本選手がスパイク賞をとられています。今自分がこの年になって、それがどれだけすごいことか認識して分かったというか。だからこそやっぱり、その姿を追いかけたいですし、そういうレジェンドと呼ばれる人とプレーできることはめったにないことですので、僕もですけれど若手選手にも、松本選手が普段という姿勢でスポーツにバレーボールに取り組んでいるのかということを、見て学んでもらって自分やチームに還元してもらいたいなと思っています」
--松本選手。この年で開幕に続けて、今日もスパイクを決めていたのがすごいと思うのですが、どういったトレーニングを続けてこられたのですか?
松本選手「年を重ねていくとトレーニングをしっかりしないと動けなくて、コロナでボールの練習とかもなかなか出来なかったのですけれど、しっかり身体を作れたのが動ける大きな一つの要因です」
--スパイクも良く決めています。
松本選手「チームのみんなもいいパスを返してくれましたし、関田もブロックを良くみえてますし、ブロックが甘いようだったら僕にあげてくれていると感じます。そこはコミュニケーションを取りながらやっています。最後に少し捕まってしまったのですが、あがったボールはアタッカーの責任だと思っているので、どんなトスがきても処理できるのが僕の仕事だと思っています。そこはしっかりセッターとの関係を作っていけたらと思っています」

 

▲とんでもない守備力を誇る山本選手ですが、笑顔もトップクラスです。

 

--山本選手に、昨日VC長野トライデンツの監督さんから、山本選手のコミュニケーション能力が素晴らしいという話があったのですが、普段から心がけたり考えられたりしているのでしょうか?
山本選手「プレーをする上で、自分の役割を果たすのは当然なのですけれど、リベロはコートの後ろからみて支えなければいけないポジションなので、そこはセッターの関田選手と声をかけて、チームが落ちている時に、チームを鼓舞する声だったり接し方をしてチームを盛り上げるよう意識して練習するようにしています」

--ジョン選手に、どんな期待をしてプレーを見ればいいか、自己紹介をお願いします。
ジョン選手「どういう風に言ったらいいか難しいと思ったのですけれど、自分はオポジットのプレイヤーで、自分のするべき役割はチームでポイントを取るところだという風に思っています。このチームのために貢献して、今シーズンがいいものになるようにと思っています」
--試合中に感情をほとんど表わさないのが新鮮でしたが、それは今日だけのことですか、元からそうなのですか?
ジョン選手「少し不思議に思われるかもしれないですけれど、私はどこのリーグでもこのようにプレーをしていて、自分にとってはこれが普通のプレースタイルです。ファンの方には、これが自分のスタイルだと思っていただければと思います」

 

▲ジョン選手は散髪にいったら、思った以上に短くされつぃまったとか。

 

--関田選手。1セット2セット目は意図的にジョン選手にあげてないように見えたのですが、試合を通じてのプランはどのように立てているのでしょうか?
関田選手「まず相手のブロックの状況がどうなっているのかと、こっちのチームの調子を見たりとか、ウォームアップの様子を見ながら考えているし、試合中でも考えているし、今まで考えたのを無くして新しいことをやったりもしているので、そういうのを踏まえながら今日もやっていました」
--ジョン選手が疲れているという印象を受けたから、最初の方はあげなかったのですか?
関田選手「疲れているという感じは無かったのですけれど、なかなか上手く点が決まらなかったので、他で回して良いところで使ってあげたいと思っていました」
--今シーズンから連戦で同じ相手と戦うのですが、セッターとして工夫した点や難しいと感じる所があれば教えてください。
関田選手「連戦ということで、一日決まったことが、2戦目戦術にはめられるということがこれから沢山出てくると思います。それを考えながらやっていきたいと思います。今日に関しては引き続きやっても全然通る攻撃だなと思ったので継続して使いました」
--ひげは当分伸ばされるんですか?
関田選手「僕が剃りたければ、剃るということで(笑) 気分ですね」
--(司会)二日連続で、ちょっと物議をかもしているようです。

 

▲この日もアタックにもサーブレシーブにも活躍した髙野選手は攻守の要。

 

--昨日もお聞きしたのですが、コロナ禍で試合を見に来れないファンに皆さんから一言ずつお願いします。
松本選手「会場に来る機会が毎年よりは少ないと思うのですが、ぜひバレーボールに注目してもらって、映像もあると思うので、自分たちもいいプレーをして、ファンの方々にいいプレーを見てもらうことをしっかりやっていきたいと思います」
千々木選手「堺ブレイザーズは熱いチームだと思うので、その熱さが画面の向こうにも伝わっていくようにしっかりチーム一丸となって戦っていきますのでよろしくおねがいします」
山本選手「今は厳しい状況が続いていますが、僕たちが全力でプレーすることで、皆さんに元気や勇気、感動を与えるようにこれからもチーム一丸となって頑張っていきたと思うので、これからも応援よろしくお願いします」
ジョン選手「ファンの皆さん、応援していただけるのは本当にありがとうございます。コロナの状況で会場に来るのは危険ではないと思いますが、難しいとは思います。画面の向こうから応援をお願いしたいと思います。応援をしてくださる皆様に本当にありがとうございます」

 

▲試合終了後、コートをぐるっと回ってご挨拶。試合中はなかなか見られないジョン選手の笑顔、素敵ですね。

 

昨日より苦戦した印象はあったものの、結果は3-0のストレートで勝利と最高の結果になりました。現時点での堺ブレイザーズの順位は、JT広島に続く2位。最初のホーム連戦を終えただけではありますが、順位が上にあるのは嬉しいものですね。
しかし来週は強豪のサントリーサンバーズ。会場は同じ大阪府の箕面市ですから、ゴーダン監督のおっしゃるように近隣の会場です。ぜひ堺から応援にかけつけて、選手にパワーを送りたいですね!

 

堺ブレイザーズ情報
https://www.blazers.gr.jp/web/

チケットの購入
https://www.blazers.gr.jp/web/ticket/#ticket_buy

VC長野トライデンツ情報
https://vcnagano.jp/

 

■会場

 


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