ファイアー&アイス 堺ブレイザーズ2019-20(2) 2019-20シーズン記者会見


堺ブレイザーズのV.LEAGUE2019-20シーズンの戦いがはじまろうとしています。シーズンに先立つ記者会見では、新体制が発足したばかりのチームの現状がアナウンスされました。2002年以来となる新監督ゴーダン・メイフォース監督の就任、新外国籍選手モーリス・トーレス選手の入団、新キャッチフレーズ「ファイア&アイス」をコンセプトとするチーム作りなどを前篇ではお届けしました。
今回の中篇、そして後篇では、各選手へのインタビューをお届けします。

 

●千々木駿介選手

 

 

千々木駿介選手は、強烈なスパイクに絶品のパイプ攻撃が魅力。スタメンでも途中交代でもチームへの貢献度の高い、頼りになるベテランのアウトサイドヒッターです。

――昨年の総括と、今年のチーム状況についてお聞かせ願えますか?
千々木「昨シーズンはスタートから波に乗れなかったのですが、3レグ以降はチームもまとまってきたのですが、上位チームには力及ばびませんでした。自分たちとしてもある程度形は見えているんですけれど、上位チームに勝てるようになるためには、どこをどうしたらいいのか、サーブで攻めるとかそれぐらいしか思いつかなくて。結局黒鷲旗大会でも、上位、優勝には絡むことが出来なかったし、リーグとしては最後良い形にはなったのですけれど、堺ブレイザーズのチームとしては、もっとやんなきゃなというシーズンでした。今シーズンはコンセプトがはっきりしていて、今はそれぞれの役割分担がはっきりしていますし、昨シーズンとは違った迫力のあるバレーボールが展開できるのではないかと思っています。どちらかというと昨シーズンは技術中心でした。今シーズンも技術は大切なのですが、まずは堺ブレイザーズらしい迫力のあるバレーボールで相手を圧倒するのを1番に練習しているので、相手を圧倒するバレーボールを展開できると思います。

 

▲2018-19シーズンFC東京戦。昨シーズン限りで退団したジョルジェフ・ニコラ選手と千々木選手。

 

――千々木選手のようなベテラン選手に、昨シーズンあたりから若手選手もチームの中核に加わってきましたが、チームのまとまりなどはどうでしょうか?
千々木「若手の選手も、ベテラン選手に臆すること無く意見を言ったりしているので、これを続けていけばチームとして成熟していくと思います。その中でチームが安定して力を発揮していけるようにするのが自分の役割で、自分はそれに寄与できると思います」
--今シーズンは近年の中では充実感のあるチーム状況ではないですか?
千々木「そうですね。もちろん、やってみないとわからないですけれど、でも、これをやったら俺たちは強くなるといった確信めいたものがある中で練習をやっています。ゴーダン監督がチームに合流したのは9月5日と遅かったのですが、リーグを戦う中でチームを強くしていくでしょう」
――個人的には今シーズンの目標はなんでしょうか?
千々木「もちろん優勝が目標なのですが、まずは一個一個、堺ブレイザーズらしいバレーボールを1試合1試合体現していくことです。監督がおっしゃられるチームの文化ですけれど、ファイナル6でも5位6位で進んで、ポイント差で次のステージに進めないとかでなくて、1試合1試合堺ブレイザーズらしいプレーをしていくことがいかに出来るかというのが、今後何シーズンも強い堺ブレイザーズであるための重要なシーズンであると思います。これまでのプレシーズンマッチでもいい試合もあれば悪い試合もあって、どんな場面でもこれが堺ブレイザーズのバレーボールだっていうのを出していけるようなチームにするのが、今シーズンの目標で、結果として優勝にからめたらと思っています」

 

●山口頌平選手

 

 

山口選手は、期待のセッターとして2017-18シーズンにチームに加入。2018-19シーズンは主将となるも、同じセッターの関田誠大選手の加入後は、試合に出ることが出来ない日々が続きました。そんな状況でも真保綱一郎前監督からは、「山口がよくチームをまとめてくれた」と評価されていた選手です。個人的にも厳しかった昨シーズンどんな思いでいたのかも語ってもらえました。

――昨シーズンを振り返っていかがだったでしょうか?
山口「2年目でキャプテンを引き受けたこともきつかったでが、プレイヤーとしてもほとんどベンチアウトで、今までのバレーボール人生の中でなかった経験です。1年を通してベンチにも入ることが出来ませんでした。そういう立場でもあって、プラスキャプテンという立場でもあって、正直きつかったっていうのが1番最初に来ます」
――厳しい昨シーズンがあって、今シーズンはどんな決意で挑もうとされていますか?
山口「今シーズンはキャプテンでは無くなりました。試合出場に絡むというのをこのシーズンは頑張りたいです。まだシーズンがはじまってどうなるかというのは分からない状況ですけれど、ユニフォームを着ていないと何も始まらないので、ユニフォームを着る。セッターが3人いるので、2番目以内に食い込むということ、1シーズンを通じた長い戦いになるので、いつかはどこかでチャンスは来ると思うので、少ないチャンスをものにできるように、しっかり準備していかないといけないなと思います。けれど、まずはユニフォームを着てないと試合に出たくても出られないので、そこはまず1番目指さないといけないことだと思っています」

 

▲第68回黒鷲旗大会で、久しぶりのスターティングメンバ―に。昨シーズンまで指揮を執った真保綱一郎監督と。

 

――今シーズンは盛り返すシーズンにしないといけませんね。
山口「そうですね。選手としてやっている以上、ユニフォームを着ないというのは、土日に何もしないことになる。そういう立場になったらなったで、何かチームのために仕事をみつけて、何かしらの形で貢献しないとと思うのですけれど、やっぱり選手なので、今シーズンは少しでもプレーでチームに貢献したいと思っています」
――新しい監督になって、自分はこういうことで貢献できそうだというのは出てきましたか?
山口「戦術や戦い方もわかりやすいですし、トスに関しても、トスの質や上げ方のアドバイスを色々くれるので、それを自分のものにしながら成長していきたいと思います」

 

●松本慶彦選手

 

 

松本選手は、スパイク賞を3度受賞したことがある、攻撃力も魅力のミドルブロッカーです。堺ブレイザーズでの優勝を経験した数少ないベテラン選手でもあります。

――今シーズンの新しいチームはどうみておられますか?
松本「先ほども記者会見で話がありましたが、近年は成績もふがいなく、結果につなげられない試合が多かったので、とにかくチーム一新で、新しい気持ちをもって挑みたいシーズンではあります」
――去年の3レグぐらいから、新しい選手たちの芽が出てきて、それがそのまま継続していて、今シーズンは3レグの期待が引き継げるような所があって、手応えもあるのではないでしょうか?
松本「そうですね。実際後半は、1レグからこれが出来れば良かったなぐらいの好ゲームが出来ていたので、今シーズンは1レグからやっていければなと思う反面、実は堺ブレイザーズって優勝した時って、スタートがあんまりよくないんですよ。後半、去年みたいにぶわっとなっていって、最後に優勝するというのが、堺ブレイザーズの優勝パターンなんです」
――火がつくのが遅いけど、後半追い込みというのが、堺ブレイザーズの伝統なんですね(笑)。
松本「そうなんですよ(笑)。そのぐらいの方がいいのかなって、実際早くから火がつき始めると、中盤から終盤にかけて失速してしまうシーズンも経験しているので、いいと思うんですけれど、しっかり最後に力を出し切れるぐらいの余力も残しつつ、試合に勝って、結果につなげていけたらと思います」
――では次に、松本選手個人はどうでしょうか。松本選手は、ベテラン選手とは思えない鉄人ぶりで知られています。ケアなどもしっかりされていると思うのですが、今シーズンもまだまだ若々しいプレーを見せていただけますか?
松本「気持ちはそうなんですけれど、だんだん年を感じることはありますよね(笑)」
――でも、年を重ねた強みもありますよね? たとえばそれはどういうものでしょうか?
松本「ありますね。たとえば劣勢でも、そうで無い時でも、普通にプレーできるんです。どうしても、良く出来て100点としたら120点を求めてしまいがちなのですが、いつも通り90点から100点のプレーで十分だと思っているので、あまり気負いもせずにしっかりと、若い選手とかが思い切ってプレーできるように状況を作ってあげたいなと思っています」
――なるほど、スポーツの中でもバレーボールでは、そういう安定感は特に大事そうですね。
松本「良く言えばそつなく、悪く言えばあんまり目立たないという所もあるんですけれど。ポジション的にも注目されづらい場所でもあるので、それだけに中に入ると安定するねというような安心感とか、そんな所をしっかりやりたいですね」

 

▲スパイクで得点を決めたあと着地でコートに膝をついた樋口祐希選手を助け起こす松本選手。優しい! 昨シーズン、豊田合成トレフェルサ(現ウルフドッグス名古屋)戦にて。

 

――では、最後に新監督が入って1ヶ月になります。ゴーダン監督はカルチャーという言葉を良くおっしゃっていますが、どんなチームになっていきそうでしょうか?
松本「もともとうちのチームは試合の中で熱い気持ちを前面に出していくスタイルなので、先ほどの記者会見でもでましたが、サーブの練習でも弱気なプレーや中途半端なプレーが出ると、パンチパンチ、キルパンチ、すごくパンチパンチと言ってますね」
――キルは、殺すですか。ちょっとぶっそうですね(笑)
松本「それだとあんまりあれですけど(笑) まぁ、キルは決めるという意味です。攻めるという所を、技術面でもそうですけれど、より堺ブレイザーズというチームのハートの部分に語りかけられているかなという感じがします」
――なるほど、伝える言葉も熱い監督が、熱い堺ブレイザーズに火を着けているようなイメージですね。
松本「そうですね」

どうやらゴーダン監督は、キャッチフレーズを多用して、まずは心に火を着けるタイプの監督のようですね。一方で、山口選手に具体的な指導を行うなど、こまかな所にも目が行き届く監督なのかもしれません。
続いて後篇では期待のホープや東京オリンピックでの活躍も期待される選手にマイクを向けてみました。

 

堺ブレイザーズ/日本製鉄堺体育館
堺市堺区築港八幡町1番地(日本製鉄堺体育館内)
電話:072-233-2264
FAX:072-233-2248

 

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