新生堺ブレイザーズ2018-2019(8)vsサントリーサンバーズ戦

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ロシア代表のロンドン五輪金メダリスト、世界最長身のバレーボール選手とも言われるドミトリー・ムセルスキー選手(13)を擁するサントリーサンバーズを迎えての堺ブレイザーズのホームゲーム。
第1セットはホームチームの堺ブレイザーズが取、第2セットはサントリーサンバーズが取るイーブンの戦いとなっていました。
堺ブレイザーズが4連勝するためには、あと2セットを奪い取らねばなりません。
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▲第2セットと第3セットの間のインターバルを盛り上げる『ニコイチ』のライブ。
■第3セット
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▲ムセルスキー選手の一撃を髙野直哉選手(4)がはじいて失点。
堺ブレイザーズの竹元裕太郎選手(21)のサーブからはじまった第3セット。サントリーサンバーズのセッター大宅真樹選手(9)は右サイドのムセルスキー選手にボールを上げると、ムセルスキー選手は、ブロックに跳んだ堺ブレイザーズの出耒田敬選手(7)と堤智久選手(9)の頭上から一撃を叩き込みます。この定番攻撃に無双されると、堺ブレイザーズにとって厳しい戦いになりそうです。
続くサントリーサンバーズの星谷健太朗選手(17)のサーブはサービスエースとなり、サントリーサンバーズのコートが沸きます。勢いづくサントリーサンバーズは連続得点のブレイクで順調に得点を重ね、スコアは4-8に。先に8点に達してファーストテクニカルタイムアウトはサントリーサンバーズのものに。
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▲今季より堺ブレイザーズに加入のリベロ山本智大選手(21)は機敏なプレーと、人一倍明るい笑顔でチームを盛り上げる。

 

中盤戦。
サントリーサンバーズにムセルスキー選手がいるなら、堺ブレイザーズにはジョルジェフ・ニコラ(ニコ)選手(18)がいる。ニコ選手も打てば必ず決める決定率の高さで、存在感を発揮。
一方、ムセルスキー選手の豪腕も止められなくなってきました。スパイクにブロックポイント、サービスエースも決めてしまいます。
堺ブレイザーズの真保綱一郎監督はスコアが10-15となった所で、セッターを関田誠大選手(11)から佐川翔選手(8)に、オポジットをニコ選手からサウスポーの松岡祐太選手(13)に替えます。
次のプレーはラリーとなりますが、最後はサントリーサンバーズの鈴木寛史選手(2)が真ん中から決めてスコアは10-16に。セカンドテクニカルタイムアウトで点差はさらに開いてしまったのです。
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▲ニコ選手の強烈なジャンプサーブは、堺ブレイザーズの武器のひとつ。

 

終盤戦。
堺ブレイザーズは佐川選手・松岡選手の2人をそのままコートに送り出します。
サントリーサンバーズは藤中謙也選手(10)がサーバーに立ちます。
これ以上点差を離されるわけにはいかないと、堺ブレイザーズの選手たちも闘志を見せる時でした。最初の一球を出耒田選手が真ん中からクイックで返すと、ムセルスキー選手が素早く反応してレシーブ。セッター大宅選手のトスは再びムセルスキー選手へ。ムセルスキー選手のスパイクは、堺ブレイザーズの堤選手が体全体を使ってレシーブしますが勢いは殺せず、ボールは高く跳ね上がって観客席へ向かいます。俊足で追いついたリベロの山本選手が返したボールはネット際へ。これをサントリーサンバーズの鈴木選手が直接たたき落として、サントリーサンバーズの得点に。熱いプレーが続いたラリーだっただけに決められたのは痛い。
さらに次のプレーで藤中選手がサービスエースを決めると、さすがの堺ブレイザーズ応援団も声を失います。
堺ブレイザーズは疲れの見える堤選手を宮原貴人選手(3)に替えますが、サントリーサンバーズの攻撃は止まりません。セットを挟んで8連続得点で、ついに10-23とスコアは倍以上に開いてしまいます。
出耒田選手のクィックとサービスエースで反撃したものの、焼け石に水で12-25のスコアで第3セットはサントリーサンバーズに奪われてしまったのでした。
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▲交代で入ったセッター佐川選手がトスをあげる。
■第4セット
このセットを獲られると終わってしまう堺ブレイザーズ。堺ブレイザーズ応援団も、このままでは終われないと、気持ちを立て直して大声援を送り始めました。サントリーサンバーズの応援席でも客席を覆うビッグフラッグが出て選手を鼓舞します。
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▲サントリーサンバーズの応援団はビッグフラッグでチームを鼓舞。
堺ブレイザーズは関田選手とニコ選手に戻して勝負をかけますが、サントリーサンバーズの勢いは第3セットから引き続いていて、ブレイクが続きます。しかもムセルスキー選手一辺倒ではなく、様々な選手が多彩に攻撃を決め、気がつけば4-8でサントリーサンバーズのファーストテクニカルタイムアウトになります。これでは徹底的にやられた第3セットの繰り返しです。
中盤戦。
宮原選手と出耒田選手に替って入った内藤和也選手(5)とフレッシュな選手たちが元気なプレーを見せて、サントリーサンバーズにブレイクを許さなくなります。ただ堺ブレイザーズもミスがあって波に乗りきれず、詰め寄った点数は1点のみ。12-16でセカンドテクニカルタイムアウトはサントリーサンバーズに。
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▲厳しい状況の戦い。得点しても鬼の表情を浮かべるニコ選手。

 

そして終盤戦へ。
堺ブレイザーズは宮原選手に替えて小池勇輝選手(12)が登場。俊敏な小池選手が加わり、堺ブレイザーズは粘り強い戦いを見せます。
ラリーが続き簡単にプレーが決まりませんし、堺ブレイザーズはサントリーサンバーズにブレイクを許しません。じわじわと点差を詰めますが、出だしの4点差は大きかった。追い詰めきることが出来ず、マッチポイントとなってニコ選手とムセルスキー選手の打合いになり、最後はムセルスキー選手がスパイクを決めて21-25。
堺ブレイザーズは4連勝ならず。
今季初のホームゲームでの黒星でした。
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▲ムセルスキー選手のスパイクが決まって勝負あり。
■インタビュー
敗戦チームのインタビューとは取材する側も気が重いものです。ましてや選手本人のストレスは比べられないものでしょう。
それでも、プレスルームに姿を現す選手はプロフェッショナルな存在です。
今回、敗戦チームとなった堺ブレイザーズからは、堤選手が来てくれました。出耒田選手も来る予定だったのですが、怪我があってキャンセルとなりました。それも心配です。
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▲昨日のヒーロー堤選手も今日は不完全燃焼。

 

まずは堤選手の試合を振り返ってのコメントです。
「自分個人としてはサーブが推測されすぎたなというのがありましたね。チームとしては1セット目は取れたのですが、2セット目、3セット目と相手の外国籍選手にやられてしまって、こちらのリスペクトみたいなのがありすぎたのかと思います」
さすがに口が重く、少し言いよどみ、言葉がつなげないかんじで終わりました。
続いて質疑応答です。
――1セット目はとれて、2セット目からは何が変わったのか?
「1セット目はムセルスキー選手にそれほどあがっていなかったと思うんです。でも2セット目からはムセルスキー選手に上から打たれすぎた。(守備も)1セット目ははまっていたのですけれど、2セット目からはブロック、ディフェンスでちぐはぐになってきて、ちょっとずつ余裕がなくなってきて、ボロボロになってしまった」
――ムセルスキー選手は想像以上だった?
「やってみて……そうですね。いいところに打ってくるし、ブロックの上から全然打ってくる。それに対して僕らはディフェンスをしないといけないけれど、ちょっとすごいなというのが出てきてしまった。ちょっと甘くなってしまった」
――高い打点からのサーブも受けたことがないようなサーブだった?
「そんなことはないですけど。(受けることが出来なかったのは)僕個人の問題で、髙野選手や山本選手は返せてたので、そこは僕のスキル不足だった」
堤選手のインタビューは以上です。
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▲一喜一憂しない真保監督。チームは着実に成長している。

 

続けて真保監督がテーブルにつきました。いつものようにゲームのデータをプリントした紙を前に、それを見ながらの受け答えになりました。冷静に根拠のあるコメントをする真保監督らしさは敗戦でも変わりませんが、やや早口になっているようにも感じます。
真保「1セット目の立ち上がりは良くなかった。サントリーサンバーズがミスを出したというのもあり、順調にセットを取ったのですけれど、徐々にサーブレシーブ(が悪くなり)とムセルスキー選手がいることによって相当プレッシャーがかかったかな。徐々にサイドアウトが取り切れなくなった」
――出耒田選手の怪我の具合は?
真保「今日の試合というよりは、前から水が溜まっている影響です。来週は大丈夫だと思います」
――千々木選手が欠場となりましたが?
真保「千々木選手は昨日の1セット目に脳震盪がありました。試合が終わった後、病院に行きました。医師からは、ナーバスなところなので48時間安静と言われましたので」
――対戦相手が一回りしましたが、振り返って
真保「一つ負け越して、借金があります。1レグが終わったところで、力負けした、どうしようもないっていうのはなかったと思います。我々の課題を修正していくことで、その負けを一つでも二つでも減らしていきたい」
――堺ブレイザーズのファンに向けて一言お願いします。
真保「次回からリーグの佳境で一戦一戦が生きるか死ぬかの戦いです。厳しい、緊迫した状況であるので、そこで是非みなさんの後押しが必要です。応援よろしくお願いします」
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▲鈴木寛史選手(2)と米山達也選手(20)。ベテラン選手として、かつて新人の頃先輩にしてもらったことを、今後輩にしている。

 

勝利したサントリーサンバーズの選手と監督のインタビューから一部抜粋します。
米山「昨日今日と1セット目を取られている。そこの修正が課題です。自分たちはもっと強くなれる印象があります」
鈴木「堺ブレイザーズの流れでした。自分たちのミスが多くてリードを許した。チーム全体としてプレゼントしてしまう点数が多い。(世代交代について)世代交代していかなければいけない。僕もそうやって育ててもらったので」
荻野監督「昨日に引き続き、連続得点をやられてしまったので、苦しいかと思いましたが、2セット目米山が頑張ってくれた。それが勝因です。堺ブレイザーズはブロックが高いし、ディグがいいし、ボールがなかなか落ちない。役割分担ができているチームです」
▲落ち着いた口ぶりの荻野正二監督。元バレーボール日本代表選手として活躍。

 

勝利しても淡々と自チームの課題に向き合う様子には、強豪チームの余裕すら感じます。ムセルスキー選手の加入も今季からなのですから、サントリーサンバーズが強くなるのはこれからかもしれないと考えると、なんとも恐ろしチームです。
しかし振り返ると、堺ブレイザーズも第3セットこそ一方的にやられましたが、ムセルスキー選手を押さえ込んだシーンも多く見られました。新加入の選手たちも持ち味を発揮し、サントリーサンバーズの鈴木選手ではありませんがベテラン選手もうかうかしていられないでしょう。
このホームタウン2試合で強い堺ブレイザーズの萌芽が見えてきたように思えるのですがどうでしょうか?
新日鐵住金堺体育館
堺市堺区築港八幡町1番地(新日鐵住金堺体育館内)
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