津久野フェスTHE夜店は一味違う、自由のフェスティバル(1)

 

■ロータリーがお祭り空間に

 

八月の夏の夕べ、ようやく日が陰って、蒸し暑さも和らいできました。
天王寺から上町台地を一路南へ走るJR阪和線。大仙丘陵の古墳の間を抜け、百舌鳥野の尽きるあたりに津久野駅はあります。

津久野駅は、普段はのどかでどこか鄙びた空気が味わい深い駅ですが、その日8月25日はホームに降りると、楽しく賑やかな喧噪に包まれました。音の出所は駅西側のロータリーからで、笑い声、ざわめき、音楽が聞こえてきます。

古い構造の駅は、西側へ出るためにも、一度東の改札からでて、線路の下の地下通路を通って、回り込まねばなりません。地下道をくぐって、ロータリーに出ると驚きました。ロータリーはすっかり人で埋め尽くされていたのです。道路は歩く隙間もありません。津久野の駅前はまさに一変していました。

「津久野フェスTHE夜店」。それがこの日のお祭りの名前です。丁度、8月25日は小学生にとっては夏休み最後の週末で、浴衣姿の子どもたちの姿も目につきます。それにしても、人の数が多いし、ロータリーの車道を完全に解放してのお祭りなんて、そうあることではありません。

 

▲なぜか路上に将棋盤?? 真剣な表情で盤を見つめています。この将棋盤の存在も、実は津久野フェスタの秘密に迫る手がかりなのですが、この写真を撮った時には、そんなこととは気づくよしもありませんでした。

 

地域のお祭りとは聞いていましたが、どうも普通のお祭りの様子とは違います。これは一体どういうことなのか、手がかりを得るために、ある人物を探すことにしました。その人物とは、このお祭りの存在を教えてくれた角野一彦さん。お祭りを企画したメンバーの1人で、このお祭りではステージイベントを担当していると聞いています。となれば、音楽の奏でられている所に、角野さんはいるはず。音を頼りに、ロータリーを回り込むと、道路の真ん中を占領しているミュージシャンたちの姿が見えてきました。

 

■センターライン上のステージマイク

 

▲ヤスキチさんのブルースが響き、津久野はアメリカ中西部に?

 

スピーカーやスタンドマイク、PA機器が車道に持ち出されています。ブルースハープとギターの音。2人のミュージシャンがこの街路のステージの主役です。

「『ヤスキチ』のブルースはどう? ええやろ」
ビールを片手にご機嫌で登場したのは角野さんでした。
--いいですね。濃い味のブルースで。
「センターラインの上で演奏しているのも珍しいでしょう。道路を塞いで演奏してええのって、みんなびっくりしてましたわ」
--そうですよね。まさか勝手に道路を塞いでいるんじゃないですよね?(笑)
「もちろん(笑)。ちゃんと警察の許可をとってます。津久野フェスのやり方だから、警察も許可を出してくれたんです」

一見普通の地域の夏のお祭りとしか見えないこの津久野フェスに一体どんな秘密があるというのでしょうか。これはもう少し調べてみる必要があるようです。

 

▲ビール片手にご機嫌の角野一彦さん(右)とミュージシャンのSUNさん(左)。

 

角野さんは、ステージ脇の歩道にいた男性に声をかけました。男性の脇には、大きなウッドベースがおかれています。
「『ヴァンスクインレトロジャズバンド』のSUNちゃん。もう会ってたかな?」
--一度ご挨拶したことがあります。今日はもう演奏を終わられたのですか?

SUNさんは、『ヤスキチ』さんの前にすでに演奏を終えていました。ベースの達人の演奏を聴き損ねたのは、残念でした。

「僕のウッドベースも、ヤスキチのブルースハープも珍しい楽器やから、それを演奏するだけである程度面白がってもらえる。けれど、それに甘えてたらあかん」
--素晴らしい演奏をしていても、腕を磨くことが大切ですか。
「僕はエレキベースも弾くけど、エレキではお金はもらったことはないよ」

妥協しないからこその達人なのでしょうね。『ヤスキチ』さんの演奏を眺めながら、音楽談義に耳を傾けるのは、なかなか楽しい経験でしたが、どうして道路を占領してステージを置き、お祭りを開けているのか、その理由が気になります。気になるのですが、路上ステージでは『ヤスキチ』さんの演奏が終わり、次のバンドが準備をはじめています。

 

▲キャラの立った3人組が道路のセンターラインを占領!

 

昭和から抜け出してきたようなサングラスと白スーツでキメキメのヴォーカル男性の姿が目をひきます。この日は、3人編成の彼らの名前は『ヲクイ鍵盤塾』さん。堺や富田林で活躍する、最近注目のバンドです。次回は、『ヲクイ鍵盤塾』さんの演奏と、津久野フェスの秘密に迫ります。

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