堺ブレイザーズの挑戦 2017/2018(7)

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2017年12月3日。
金岡公園体育館へ向かう堺ブレイザーズファンの足取りは、いつもより軽かったのではないでしょうか。
昨日、同じ会場で行われたバレーボールVプレミアリーグの2017/2018シーズンの堺ブレイザーズvs東レアローズ戦では、ホームチームの堺ブレイザーズが激戦を制しての勝利。特に第4セットの終盤は双方一歩も引かない壮絶なデュースにもつれ込んだ末、31-29での勝利をもぎ取り、会場は大いに沸きました。
ホームゲームでの勝利も数年ぶりのこと。また、今シーズンの堺ブレイザーズは序盤から大きくつまずき下位に沈んでいましたが、ようやく調子をあげてきて2位の東レアローズを撃破。そして翌日の相手であるサントリーサンバーズは、順位的には直上の敵。勝って順位を上げたいところです。
果たしてホーム2連勝となるか。

■エースが沈黙したままの第1セット
この日は堺市のホームゲームということで、堺市の竹山修身市長が始球式を務めました。「033(おさみ)」の番号をつけてコートに登場。始球式は、野球だとピッチャーマウンドからの一投、サッカーならサイドラインからのキックイン、バレーボールの場合はサーブです。毎年なかなか成功しない竹山市長ですが、今年は一回でネットの向こうにボールを届けることに成功しました。
そしていよいよ試合開始です。

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▲始球式に挑む竹山修身市長。

堺ブレイザーズのスターティングメンバ―は昨日と同じ。セッターには期待の新人山口頌平選手、ウィングスパイカーにはキャプテン伊藤康貴選手と千々木駿介選手、ミドルブロッカーには松本慶彦選手、出耒田敬選手。そして昨日は大活躍のウォレス・マルティンス選手がオポジットに。リベロは井上裕介選手。
第1セットは伊藤選手のサーブで始まりましたが、相手に返されて先制点はサンバーズ。立ち上がり、堺ブレイザーズの選手の中で目立ったのは、昨日も11得点をあげた千々木選手でした。最初の得点も千々木選手のスパイクで1-2。その後、サンバーズは得点を積み重ねて3-7と差がつきますが、堺ブレイザーズも追い上げ千々木選手得意のバックアタックも決まって6-7に。
一方、ウォレス選手は、昨日はズバズバ決まっていたアタックがラインアウトになったりブロックされたりと精彩を欠きます。まだエンジンがかかっていないのか、それとも昨日の活躍の反動なのか。チームをけん引する選手なだけに調子はどうなのか気にかかります。
そのままサンバーズがポイントを奪い6-8で、ファーストテクニカルタイムアウトに。

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▲山口選手のトスを松本選手が速攻で決める。
タイムアウトあけは、ウォレス選手のスパイクが決まって7-8、しかし次はウォレス選手がブロックされて7-9。やはりウォレス選手の表情も冴えず、今日はうまくはまらない様子です。
こうなっては他の選手が奮起しないといけません。伊藤選手のサーブ時に連続得点でブレイクし10-10に追いつく。さらに千々木選手の強いサーブもサンバーズを乱しブレイクを続けて4連続得点で16-13と逆転して堺ブレイザーズ先行でセカンドテクニカルタイムアウトとなります。

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▲千々木選手と出耒田選手の二枚ブロックが相手のスパイクを叩き落す。サーバーの伊藤選手とハイタッチ!

終盤戦。ブレイクを重ねたサンバーズがじわりと追いついてきて、19-20と先に20点台にたどり着かれます。真保監督は出耒田選手に代えて内藤和也選手、山口選手に代えて佐川翔選手を投入します。しかし、サンバーズの栗山選手のスパイクで23-24とセットポイントとなり、ウォレス選手のアタックもブロックされて23-25でセットを奪われました。このセットだけでウォレス選手は4回もブロックされて得点を奪われています。
一方、サンバーズの外国人選手エスコバル選手も、調子が悪いのかそもそもトスがあまりあがっていません。外国人エースに頼らずにセットをもぎ取ったサンバーズには、この時余裕が生まれたのかもしれません。

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▲出耒田選手に代わって入った内藤和也選手。相手の攻撃を拾えずに悔しがる。


■チームの明暗が浮き彫りになった第2セット
堺ブレイザーズは、出耒田選手ではなく内藤選手を入れてきました。
サンバーズのサーブでスタートしましたが、ウォレスのスパイクで得点。続いて内藤選手も得点し2-0で出発。ウォレス選手にも笑みが浮かんだのですが、ウォレス選手のタッチネットもあって2-2。その後互いにブレイクしあい、ウォレス選手のスパイクが決まり7-5。続いてウォレス選手のサーブは、そのまま決まるエースとなって8-5で、ファーストテクニカルタイムアウトに。これがウォレス選手復活ののろしとなって欲しいところです。

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▲昨日大活躍のウォレス選手への対策をサンバーズはこうじてきたのか、ウォレス選手は思うようなプレイが出来ない。

しかし続いてのウォレス選手のサーブは、避けねばならないサーブミス。堺ブレイザーズが足踏みしている間に、サンバーズは9-9と追いつきます。
堺ブレイザーズはというと、好調の千々木選手のパイプ攻撃はびしっと決まったり、代わって入った内藤選手も活躍するのですが、一回で攻撃を切られてしまい、やりたかったサイドアウトを相手にされている形です。第1セットでは、あまり使われなかったサンバーズのエスコバル選手も、第2セットではボールが集まるようになり、ミスもありますが得点もする。アウトと判定されたエスコバル選手の攻撃に、チャレンジで得点とひっくり返って13-13となってからは、連続得点で13-15に。ウォレス選手も久々にサービスエースをさく裂させますが、15-16とサンバーズ先行でセカンドテクニカルタイムアウトを迎えました。このままセットを奪われてしまえば、ホームゲームでの2連勝はかなり難しくなってしまいます。
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▲チャレンジ判定を待つ間コート外の選手たちは円陣を組んでいました。

真保綱一郎監督も手を打ってきました。タイムアウトあけにコートに姿を現したのは、佐川翔選手でした。セッターを代えて状況を打開しようというのでしょう。しかしミスもあってサンバーズのブレイクは続き15-18。堺ブレイザーズはタイムアウトをとって佐川選手と山口選手が再び交代。それでも押し返すことは出来ず16-20で再び堺ブレイザーズのタイムアウト。松本選手のブロックがアウトと判定されたのをチャレンジするも失敗して16-21。なんだかやることなすことうまくいかずバタバタしています。ウォレス選手がまたもブロックされて17-23。データを確認すると、この時点でウォレス選手のアタックの決定率も28%と昨日の半分近くまで落ち込んでいます。
ここまで来ると、サンバーズの選手はミスをしても笑顔を見せる余裕すらでてきました。最後はエスコバル選手のスパイクにワンタッチあってサンバーズの得点に。結局、20-25という差がついて第2セットをとられてしまったのでした。

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▲リベロの今富稜介。堺ブレイザーズのサーブの時は今富選手、相手チームがサーブの時は井上選手とリベロの役割分担をしてました。
セットカウントは0-2となり、もう堺ブレイザーズには後がありません。エースのウォレス選手が昨日と一転して絶不調の中、セットカウント2差をひっくり返すだけの力が堺ブレイザーズに果たしてあるのでしょうか。
(後篇へつづく)
堺ブレイザーズ
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