地球の裏側を身近に感じる 姉妹都市ウェリントン市

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ニュージーランドは教育を産業と捉えている国。首都ウェリントン市は多くの教育機関が集まり、治安や環境の良さとも相まって人気の留学先です。
堺市は、関西国際空港から直行便が出来たことをきっかけに、ウェリントン市と姉妹都市となって20周年。その記念事業の一環として、産業振興センターにて留学フェアが開催されました。
また、夕方からは『ホテル・アゴーラ リージェンシー堺』にてニュージーランド公使ジャネット・ローさんの講演があります。
『ハーベストの丘』で行われた物産展やハカダンスとは違った、クールなニュージーランドの魅力が垣間見えるイベントです。
■むすばれた教育の絆
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▲中学生同士の相互交流は1年交代で行われていましたが、こうした留学フェアははじめての試みです。

 

ウェリントン市からは大学や高校など12の教育機関が来堺し、産業振興センターの会場にブースを出していました。
「午前中は高校生がたくさん来ていましたよ」
会場に到着した頃には、フェアの様子は落ち着き始めていましたが、じっくり話を聞こうとブースをまわる若者や親子の姿が目につきます。
ブースにはボランティアで日本語通訳もついていましたが、英語で会話している若者の姿もありました。
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▲ウェリントン・カレッジ。カレッジという名前ですが高校です。ニュージーランドの習慣だそう。ウェリントン・カレッジは公立の男子校。女子校もあります ▲こちらオンスローカレッジも、高校です。
ウェリントンは、映画『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督の出身地で、デジタル映像の会社や専門学校も多くあります。デジタル技術やデザインなど専門的な教育機関のブースも。将来、ハリウッド映画などで活躍するデジタルデザイナーやプログラマーたちが、ここから生まれて来るのではないでしょうか。
フェア終了後には調印式が行われました。それは南大阪の教育機関とウェリントン市の教育機関が包括提携を行うもので「南大阪地域大学コンソーシアム」と「エデュケーション・ウェリントン・インターナショナル」の間で結ばれました。両者の提携により、留学生の交流などがこれまで以上に活発に行われることでしょう。
この調印式ではウェリントン市のセリア・ウエィド=ブラウン市長、そして堺市からは竹山修身市長と狭間恵三子副市長のスピーチが行われました。

 

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▲「内向きになりがちな若者を外向きにしたい。若者の元気な町にしたい」と竹山市長。 ▲狭間副市長は英語でスピーチ。「この包括提携がベネフィット(恩恵)をもたらすことを信じて疑わない」
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▲マオリ語で挨拶したセリア・ウエィド=ブラウン市長。堺市役所とウェリントン市役所が忙しく働き、この包括提携が実現したと感謝の意を述べられました。 ▲調印式でサイン。
■ジャネット・ロー公使講演
会場を南海本線「堺駅」の海側にある「ホテル・アゴーラ リージェンシー堺」に代えて、ニュージーランドのジャネット・ロー公使の講演会が行われました。公使は日本とニュージーランドの経済や観光の関係がどれほど深いものかをわかりやすく語られました。

 

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▲ニュージーランド大使館のナンバー2 ジャネット・ロー公使。

 

南半球ですが経度は近い日本とニュージーランドの位置関係を生かして、季節が逆の作物を輸入するなど貿易や経済は深い関係があります。
また、堺で物産展や留学フェアが行われたように、観光・教育も力を入れています。ニュージーランドの61%の中学校では、日本語のプログラムがあり、これは人口比では世界四位になるそうです。
「草の根の暖かい友好関係の基礎になっています」
と公使も強調されていました。
その一つの例が、日本からの留学生も犠牲になった、痛ましいクライストチャーチの震災です。
この時日本から医師団が駆け付け、ニュージーランドの人々は非常に感謝したそうです。その数か月後に東北大震災が発生。今度はニュージーランドから東北へと、支援の部隊が急ぎ派遣されたのでした。
「被災者への支援は今も続いています。東北の被災児童をニュージーランドに招いての自立支援プログラムが行われています」
同じ地震国、今後も長く相互の支援と交流を続けていくべきでしょう。
交流はスポーツの分野でも提案されました。
「ラグビーのニュージーランド代表オールブラックスは私たちの誇りです。日本のラグビーもアジアをリードしてきました。2011年にラグビーのワールドカップがニュージーランドで開催されましたが、2019年には日本で開催されます。私たちの経験を生かしてほしいです」
堺にあるサッカー施設「J-GREEN堺」にはラグビー用のグランドもあります。堺もウェリントン市とのつながりや施設を生かして、ラグビーワールドカップ時には一役買いたいものですね。オールブラックスが堺でキャンプすれば、全国のラグビーファンが集まりますよ。
「決勝戦は、オールブラックス対全日本だといいですね。でも、勝つのはオールブラックスですよ」
と、プライドを覗かせる公使のお言葉に笑いが起きました。

 

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▲会場に集まった人たちからは、鋭い質問も。
講演の最後には参加者と質疑応答がありました。
Q「ニュージーランドの見どころは?」
A「自然景観に優れた南島はどうでしょう。個人的にはニュージーランドワインもおススメです」
Q「ニュージーランドのキャッチフレーズは?」
A「『100%ピュアニュージーランド』です。前向きでポジティブなメッセージです。何がピュアなのかはご想像ください」
Q「関空の直行便が無くなりましたがどうにかなりませんか」
A「堺との姉妹都市のきっかけとなった直行便が無くなったのは残念です。今、ニュージーランド航空を説得していますので、皆さんももっとニュージーランドに足を運んでください」
留学フェアと公使講演のどちらのイベントでも、教育関係者も公使もフレンドリーな印象で、終始和やかでした。日本との交流も、すでに100年にもなるというのも意外。
草の根の交流が活発な両国ですが、教育機関の包括提携をきっかけにこれまで以上の交流が出来るのではないでしょうか。より一層の緊密な友好関係が結ばれることを願います。
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