祝! 姉妹都市20周年・ウェリントン市と国際交流

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▲カリフォルニア大学バークレー校とウェリントン・カレッジのマスコットを手に。

 

ニュージーランドの首都ウェリントン市と堺市が姉妹都市となって、2014年の2月で20周年となります。
現在、堺市の姉妹都市は、ウェリントン市とアメリカのバークレー市、中国の連雲港市の三都市。
関西空港へのニュージーランドからの直行便就航を控える1992年ウェリンドン市から、堺市は関西空港に近接し、歴史があり、関西で有数な都市であるとして都市提携の希望が寄せられたことがきっかけとなり、1994年に姉妹都市提携を結びました。
その縁で、ウェリントン市出身の映画監督ピーター・ジャクソンが製作した『ロード・オブ・ザ・リング』に登場する舞台『ホビット庄』と堺市が仮想姉妹都市になるなんてことも。
この20周年には、ウェリントン市の市長が来堺するなど、記念事業がいくつも行われます。事業を担当する『国際交流プラザ』に20周年の記念事業、そして堺市の国際交流についてのあれこれを聞いてきました。
■ニュージーランドに触れ・知り・遊ぶ
国際交流プラザでは林有子さんと津田恭仁子さんをはじめ多くの職員が記念事業に携わっています。
「『ハーベストの丘』で開催される『ニュージーランドフェア』では、ニュージーランド物産展、羊の毛刈りショー、そしてマオリ(ニュージーランドの先住民族)の伝統芸能ハカダンスのショーを楽しんでいただけます」
ハカダンスは、ニュージーランドのラグビー代表チーム「オールブラックス」が試合開始前に行う勇壮な舞踊として有名。日本在住のニュージーランド出身者が全国から集まって披露してくれます。
「24日、25日の二日間の開催の間は、『ハーベストの丘』の入場料が大人500円・子ども300円とほぼ半額近く割引になります。お天気に恵まれれば、大勢のお客様が来られると思いますよ」
25日には、『ホテル・アゴーラ リージェンシー堺』にて、ニュージーランド大使館ジェネット・ロー公使の講演が行われます。公使は大使に次ぐニュージーランドのNo2というVIP。「日本とニュージーランドの二国間交流」をテーマに講演されます。入場無料・先着80名。興味のある方は国際交流プラザ内の『堺ウェリントン協会事務局』までご一報を。
そして同じく25日に堺商工会議所で行われる『ウェリントン留学フェア』は、ウェリントン市の12の教育機関が留学相談ブースを設け学校説明会を開くというもの。
「ウェリントンへの留学は非常に盛んです。堺からも中学生年代の青少年交流が毎年交互に行われています。高校・大学での個人留学も数多いようです」
というのも、ウェリントンは大学や教育機関が集まり、治安や環境の良さもあって留学先として人気が高いのです。
「ピーター・ジャクソンの出身地で、『ロード・オブ・ザ・リング』でアカデミー視覚効果賞を受賞したWETAデジタル社をはじめ、CG製作プロダクションも多く、最先端のデジタル技術やデザインが学べるのも強みです」
様々な芸術家・デザイナーが集まり、文化をけん引する都市でもあります。
「ニュージーランド自体が、完全に『教育産業』という認識を持って力をいれています。留学フェアでは、堺など南大阪地域の22の教育機関の連携組織『南大阪地域大学コンソーシアム』とウェリントンの教育機関の間で包括提携を締結します。今後、交換留学などの交流がさらに盛んになるのではないでしょうか」
■20年続く多彩な交流
堺市とウェリントン市の民間レベルでの交流も盛んです。
「ウェリントン市の『ウェリントン堺協会』、堺市の『堺ウェリントン協会』が中心になって、市民同士の国際交流が行われています。堺まつりにウェリントンの親善使節が訪れたり、ウェリントンで『Wellington Japan Festival』が開催された際には、堺からも多くの文化団体・スポーツ団体が訪問しました」
「『泉州国際市民マラソン』には、毎回姉妹都市から市民ランナーを招待しているのですが、ウェリントンはスポーツ面でも非常に熱心なんです」
ウェリントンは、ウォーキングやランニングも盛んな土地柄。
「地元ラジオでマラソン大会の告知がされていて、応募のあったランナーの中から一番早いランナーがやってくるんです。毎回好成績で、過去にはウェリントンの選手が入賞したこともあります」

 

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▲国際交流プラザに掲げられた三姉妹・友好都市のパネル展示。バークレー市とは1967年から、連雲港市とは1983年から姉妹都市となっています。

 

■国際交流と福祉の両面
こうした堺市の民間国際交流の活発さは、一過性のものでなく生活に根差したものでもあるようです。
「堺市には、行政が運営する在住外国人向けの日本語教室が一昨年まで無かったんです。というのも、行政が用意する前に、すでに民間で日本語教室が数多くあったからなんです」
行政は登録された日本語教室の運営団体に情報を提供したり、活動の補助金を出すなどサポートに徹してきました。そうした国際交流プラザが把握する登録団体は十数団体にもなります。
「一方で、もっと初級の日本語教室が必要ではないかと、昨年になって行政が『入門レベルの日本語教室』をはじめたんです」
初歩の日本語教室のニーズは高く、主婦などを対象に開設することも考えています。
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▲「多文化共生分野の仕事はイベント的な仕事とまったく別物」と津田さん。
「こうした事業は国際交流という側面だけでなく、福祉的な面もあるんです」
日本では中核市以上には国際課があることが多いのですが、市によっては人権局などに所属することもあります。
堺市でも86万人の市民のうち外国籍の方は1万2千人にもなり、いわゆる多文化共生分野的役割が国際交流プラザにも求められています。
「外国にルーツがある小学生がピアスをして学校で怒られたとして、両親もなぜ怒られているのかわからない。母国では小学生でもピアスが当たり前だったりするからです」
イベント的な交流も大切ですが、日常的な相互理解も身近で必要不可欠なことですね。
「初級日本語教室も、ただ日本語を教えるだけでなく、どこともつながっていない外国籍の方に、つながりを持つ場、コミュニティとして提供する意味も強いんです」
草の根から国際的な式典まで、国際交流プラザの仕事は想像以上に幅広いものでした。
■堺の活性化とオールブラックス
「堺市では定住人口を増やす施策も行ってきましたが、他の地域からやってくる交流人口を増やす施策にも力をいれはじめています」
直行便をきっかけに姉妹都市となったように、関西国際空港が近く空の入り口という立地条件に恵まれ、国外からの交流人口も期待できます。

 

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▲国際交流プラザが出来たのは平成22年7月。「組織の形態としては過渡期だと思います」と、林さん。

 

たとえば、日本に唯一のスポーツ施設も活用できそうです。
「実は堺浜のサッカー施設『J-GREEN堺』は、昼間の経済波及効果が思ったより高かったんです。当初は宿泊は堺市内のホテルでと考えていたのですが、ニーズにこたえて宿泊施設も設置し、外からのお客様も利用しやすくなりました」
大きなサッカー大会があれば、全国からサッカー少年・サッカー少女・サッカー選や関係者が集まります。時には日本代表選手が合宿を行い、それを目当てにサッカーファンが足を運ぶことも。
「この『J-GREEN堺』は一面だけなんですが、ラグビー向けの仕様になっているんです。ラグビーが国技ともえいるニュージーランドとの交流に活用できればと思いますね」
ニュージーランド代表『オールブラックス』は日本でも人気が高いですから、今回の記念事業をきっかけに『オールブラックス』が『J-GREEN堺』に来てくれるようなことがあれば、堺の活性化につながるかもしれませんね。
20年間の長きにわたって継続して続いていたウェリントン市との国際交流。これから先も、互いの市の個性を生かしながら、相互が刺激を受けて発展していくことを願ってやみません。
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▲国際交流プラザは市役所のお向かいで、商店街側の大小路に面したビルにあります。外国語の堺市情報のラジオ放送を『FM COCOLO』(76.5mhz)で提供していますので、こちらも要チェック。

 

堺市文化観光局 国際部国際課(国際交流プラザ)
堺区中瓦町1丁4−24
tel:072-340-1090
fax:072-340-1091

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