与謝野晶子生誕芸術祭2011【前編】
10代で芸術文化運動に参加し、全国の若手作家たちの精神に大きな影響を及ぼした与謝野晶子。
2011年の10月15日~12月7日、そんな晶子の誕生を祝う、年に一度の大型イベントが堺旧市街地の広い範囲で開催されました。
毎年”アート”をテーマにしたこのイベント、ポスター製作は昨年に引き続き 井田将史さん。斬新で上品な色使いに、晶子のシルエットを思わせるアクセントが印象的でした。
綾ノ町にある与謝野晶子の生家をイメージした町屋『鳳翔館』では、 繭堂のオリジナルブランドmayukohuの着物アクセサリー、夢璽奈のアンティーク着物、和潤のプリザーブドフラワーと書とのコラボ作品が展示販売され、開催期間中は与謝野晶子をイメージした昭和初期時代の着物コーデと共に、晶子が大好きだった着物について綴った歌が展示されました。
風情のある『鳳翔館』を、センス溢れるアンティーク着物と晶子の歌がひときわ魅力を引き出していました。
山之口商店街の奥野晴明堂ホールでは、晶子情報ステーションが開設され、与謝野晶子関連資料やゆかりの地を紹介するパネル展示と、晶子グッズの販売がされていました。
壁面いっぱいに引き伸ばされた昔の堺の絵を背景に、晶子に関する映像、ピラミッド型に積まれた資料などを見ることが出来ました。晶子が発行した歌集を年代順に並べたブースもあり、当時の表紙デザインの秀逸さにただただ驚くばかり。
写真に映るのは大阪芸術大学の学生たち。晶子をイメージした作品製作のため、真剣に資料や映像を確認する様子です。
同じく山之口商店街にあるギャラリーいろはにでは堺を代表する2大若手アーティスト、竹工芸家 田辺小竹さんと華道みささぎ流家元である 片桐功敦さんのコラボ作品が展示されるという、なんとも豪華なものになりました。
(※12月14日の田辺小竹さん・片桐功敦さんのイベントについては改めて別記事にてお知らせします。)
そして先ほど情報ステーションにいた大阪芸術大学金属工芸学科の5人の学生たちの作品が南都銀行堺支店内ロビーにて展示されました。晶子をイメージしただけではなく、自身の心情も重ね合わせた若々しい作品が完成。
写真左上:松本真生さん『取り扱い注意』 写真右上:竹内春香さん『みだれ髪』 写真左下:沖田恵夢さん『夫婦杯』 写真右下:長畑こころさん『迷走』
井上有沙さん『纏わる』
まさに若い世代を巻き込んだ、与謝野晶子が盛りだくさんのイベントとなったのです。
そして晶子生誕133年を迎えた2011年12月7日。
この大型イベントのクライマックスといえるサンユーロビーコンサートが開幕されました。
会場は 株式会社サンユー都市開発1階にあるロビー。当日は予想を上回る、100名を超える来場者が。
既に熱気溢れる会場内。晶子の誕生会を今か今かとお待ちの様子。
中編ページではいよいよ、コンサートの様子を詳しくお伝えします。お楽しみに♪
<つづく>