イベント情報

与謝野晶子生誕芸術祭2011【中編】

さて、中編は生誕芸術祭のメインともいえるサンユーロビーコンサートの模様を詳しくお伝えします。(前編

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さて、お楽しみのコンサートの前に、毎年欠かさず行うセレモニーがあります。
それは、与謝野晶子生家跡にある歌碑に、バースデーソングと花束を添えること。

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キャンドルを灯した歌碑の前。来場された皆さんでバースデーソングを捧げます。『今年の晶子さん』に選ばれた竹内春香さんが花束を添えました。
暗闇に浮かぶ蝋燭の炎はなんとも幻想的。
添えられた花束は大小路通りにある フラワールーシュのもの。

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続いて会場内。まずは、毎年この会場を提供して下さり、実行委員としても大活躍された 株式会社サンユー都市開発本部長、山本富央さんからご挨拶。

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そして与謝野晶子生誕芸術祭実行委員を代表し、ギャラリーいろはに北野庸子さんのご挨拶へと続きます。

山本本部長、北野さんのお二人は見えない部分で様々な動きをされた、まさに縁の下の力持ち。この日、無事開催されたことを心から喜んでおられました。

そして、待ちに待ったコンサートが開始!
【プログラム第一部 サンユーロビーコンサート ~移ろう季節の中で…晶子の歌と共に~】

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このプログラムでは、ソプラノ歌手谷内暁子さんの独唱を存分に楽しむことが出来る、贅沢な内容。
晶子の歌をアレンジし、メロディと振り付けをプラスした歌劇風の演目は、たっぷり全12曲。

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伴奏には東條和恵さん、渡部明子さん、そして 水野鍛錬所5代目、水野七菜子さんが登場。

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はじまりは、水野七菜子さんの朗読から。
『我が恋を みちびく星とゆび差して 君ささやきし浜寺の夕』
声楽を勉強された彼女の、ハリのある声と可憐な姿は春の花のよう。

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会場内に谷内さんの美しい歌声が響き始めます。
「春」「夏」「秋」「冬」それぞれのテーマに沿って披露される歌たち…。

まずは、「春」。母の持つ柔らかな、包み込むような愛の表現。
そして徐々に激しい情熱の炎「夏」へと変貌していきます。
「秋」では、晶子のなかでちりちりと燃える青い炎を連想させ、
「冬」では故郷、堺への慕情がしっとりと綴られました。

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アコーディオンの切ない音色が、谷内さんの歌声を引き立てます。

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昭和のはじめ、晶子の生きた時代は恐らく、彼女の情熱を受け入れることは困難であったはず。
子ども達をおいてフランスにまで夫を追いかけてゆく様は、さぞや当時の常識からは逸脱した行動だったことでしょう。世間からは冷たい目で見られ、故郷からも拒絶され…
「晶子さんは、彼女自らの生き方が、当時の時代や社会には受け入れられず、ふるさと堺の市民に歓迎されての帰郷は叶わなかったようなのです。」
この日のパンフレットにもこう、書かれています。

溢れくる想いを、生涯抑えることの出来なかった晶子…。
晶子の一番末の娘、藤子さんは「母はとても寡黙な人だった」と振り返っておられたことを思い出します。内に秘めた熱い想いを口に出さなかった分、紙の上に留めていけたのでしょう…と。

谷内さんの美しい歌声、秀逸な演目に、つい晶子の生涯を重ね合わせてしまいます。
まるでこの時だけ晶子の生きる時代へとタイムスリップしたかのような、不思議な感覚に包まれました。

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翻るドレープが美しい。静かな動きのなかにも、晶子の情熱が存分に表現されていました。詩を歌うというだけでなく、詩の意味をしっかりと捉えた表現力に定評のある彼女だからこそ、ここまで完成されたものになったのでしょう。

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大変な盛り上がりの中、コンサートの幕は閉じられます。写真は最後の挨拶の様子。
左端は堺歴史研究家の中井正弘先生、左端は信達伊左夫さん。どちらも効果担当。お疲れ様でした!

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興奮冷めやらぬ中、次のプログラムへと進んでいきます…
後編へつづく>


ayano

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