堺ブレイザーズ観戦記録2020-2021(4)vsVC大分三好ヴァイセアドラー戦 12/6

 

紙一重の勝利の翌日12月6日、堺ブレイザーズが対戦するのは前日と同じく大分三好ヴァイセアドラー。6勝7敗の堺ブレイザーズはこの日勝利すれば7勝7敗の五分で2020年のリーグ戦を折り返すことができます。まだ一勝もあげていない大分三好ヴァイセアドラーに初勝利をプレゼントするわけにはいきません。決して取りこぼしのできない1戦ですが、勝って当然、勝たなくてはならないとなると戦いにくくなるものです。1番の敵はむしろこのプレッシャーかもしれません。果たして堺ブレイザーズは、プレッシャーに打ち勝って勝利を掴むことが出来たのでしょうか? 2戦目をレポートします。

 

■接戦を制するものは?

▲リリーフサーバーとして登場した山口頌平選手のサービスエースで第1セットを奪取。

 

堺ブレイザーズのスターティングメンバーは昨日と同じ。そして、ベンチの様子を見ると、昨日発熱でお休みだったゴーダン監督の姿もありません。

互いにサーブ権がいったりきたりするサイドアウト合戦からはじまった第1セット。堺ブレイザーズの選手たちはもやっとした昨日の試合を引きずっているように見えます。なんとか8-5で先行したファーストテクニカルタイムアウトを挟んで連続ブレイクし、ようやく点差がつきはじめます。最後はリリーフサーバーとして登場した山口頌平選手(14)のサービスエースが決まり、25-19で第1セットを奪います。

 

▲第2セットは苦戦の末、セットを奪われてしまう。昨日の苦い記憶が蘇る。

 

第2セットは、堺ブレイザーズファンにとってフラストレーションのたまる展開となります。堺ブレイザーズが簡単にサイドアウトを奪われ大分三好ヴァイセアドラーの点数がじわじわと積み重なっていくのです。大分三好ヴァイセアドラーが絶好調というわけでもなく、堺ブレイザーズが決めるべき時に決めることが出来ないが故に追いつけないという様子で、結局21-25で第2セットは大分三好ヴァイセアドラーのものに。なんとなく昨日と同じ展開になりそうは、イヤな予感がしてきます。

 

▲ジョン選手に代って、千々木選手がオポジットに入り活躍。

 

第3セット。堺ブレイザーズはオーダーを変えてきました。ジョン選手に代ってベテランの千々木駿介選手(10)がオポジットで登場したのです。この采配は当たりました。8-7で取ったファーストテクニカルタイムアウト後、ローテーションが前衛になったあたりから千々木選手が得点に絡み始めて風向きが変ってきます。セカンドテクニカルタイムアウトは16-13。そのまま25-18と点差が開いて第3セットは堺ブレイザーズのものになります。

 

▲髙野選手のオフェンスが、堺ブレイザーズに流れを引き戻した。

 

問題はこの後の展開です。堺ブレイザーズの動きが硬くなり、冒頭から大分三好ヴァイセアドラーの怒濤の連続ブレイクで1-5まで引き離されてしまい、たまらずタイムアウト。これは不安が的中でしょうか。ファーストテクニカルタイムアウトは5-8で大分三好ヴァイセアドラーのものとなりました。このイヤな空気を拭い去ったのは、キャプテンの髙野直哉選手でした。サーバーになると攻めのサーブでいきなりのサービスエースが炸裂! 声を出して応援できない会場ですが明らかにムードが盛り上がります。ここから怒濤の攻撃では2本のサービスエースが飛び出す6連続ブレイクで15-11と逆転し、大きく突き放します。大分三好ヴァイセアドラーも食らいつき一時は追いつきますが、堺ブレイザーズはこれを振り切り25-22で第4セットをものにします。
セットカウント3-1。堺ブレイザーズは勝利し、勝ち点3もものにしたのでした。

 

▲二日連続の勝利の儀式。タオルが宙を舞う。

 

この試合のVOMは、第4セットで大活躍した髙野直哉選手と、試合をコントロールした関田誠大選手の2人。記者会見には、髙野選手と、千々木選手、松本選手にお越しいただきました。

 

まずは試合の振り返りから。
髙野「昨日に引き続き、試合の入りはすごい良かった。1セット目はしっかり自分たちのバレーボールが出来たんですけれど、2セット目は相手の流れになりました。昨日と同じ展開になると思ったんですけれど、3セット目、4セット目は自分たちがやるべきことをしっかり出来、3-1で勝てたのがすごい良かったと思います」
千々木「力の差が思われているチームに対して、サイドアウトが取れないと苦しい展開になるのが普通だと思いますし、そういった意味では、昨日と今日苦しかった時にはサイドアウト取れていなかったし、ブレイクの方は悪くなかったと思うんですが、そこで苦しかったんですが、そんな中セッターとミドル陣のクイック、サイドの僕が後衛の時に全然バックアタックが使えていなかったんですけれど、その中でもしっかり切っていけてたのが、今日の勝因だったと思います」
松本「非常に長い昨日と今日の試合だったんですけれど、今チームの課題である良いプレーを続けるということをもう少ししていかないと、サイドアウトが取れなかったりとか、トランジションも一回目で決まらなかったりとかもあるので、そこは何回もトライしたりとか、サイドアウトの方も相手のいいサーブもあるので、1本2本あったとしてもそのぐらいでなんとかクリアしていくというのがこれからやらなきゃいけないことかなと、課題が多く残った試合だと思います」

 

▲監督不在の中、だからこそチームがまとまっていく。

 

以下、質疑応答です。
--監督不在の影響はどのようなものがあったでしょうか? また選手交代などの指示は誰がしていたのでしょうか?
髙野「監督不在というのは前日の連絡であって、特に選手一人一人が影響することはなかったのですが、その中でチーム一丸となって勝てたのは僕たちの収穫になりました。タイムアウトやメンバーチェンジとかは全部監督代理である中西さんが出していて、そこで選手からも意見があれば、どんどん出していってました」
--髙野選手は2試合連続VOMで流れを変えるサービスエースもありました。調子は上向きなのでしょうか
髙野「そうですね。今シーズンはディフェンスというよりは、オフェンスでチームに貢献しようと、リーグに向けてしっかりやってきていたので、今はちょっとずつ調子があがってきてオフェンスの部分でもチームに良い影響を与えることが出来るようになってきていると思います」

 

▲苦しい時に得点を取り、プレーでチームを引っ張るキャプテンに。

--髙野選手はキャプテンを務めていますが、ベテランのお2人から見て髙野選手のキャプテンぶりはどんなものなのでしょうか?
千々木「さっき本人も言っていましたが、オフェンスで貢献して、得点をとってチームを引っ張っていく姿は頼もしく感じてますし、もう1つは去年よりもエネルギーが増えたなと感じています。そういう気持ちや態度でも、背中でチームを引っ張っていく男になってきたなと思っています(笑)」
髙野「(笑)」
--カッコイイですね!
松本「コートの中に入っていて、サーブレシーブの時とかに、今日もあったのですけれど、ショートサーブを打たれて、僕らミドルが取る時もあったりするのですれど、そういうサーブレシーブを狙われたりする選手が絶対いるので、そういう時に自分が動きやすいようにとか、そういうことを積極的にチームに言っていっていいんじゃないかと思います。僕も年上ですけれど、そこは上も下も関係ないと思っているので。今日はわりと言ってくれていたので、これからももっと指示を出していっていいんじゃないかなと、もっとそっちの方でも引っ張っていけると個人的には思うので」
--今の意見にはどうですか?
髙野「チーム一のベテランの松本さんが言っているので、そこは真摯にうけとめて、指示を出せるようなキャプテンになりたいと思っています」

 

▲ここぞという時に決める鉄人松本選手。

--では、次に松本選手に、今年は大変な状況の中で開催されているリーグですが、どう思われますか?
松本「まず大変な中リーグが開催されたこと自体嬉しく思いますし、コロナが厳しい状況ですけれど、観客の方も人数制限はありますけれど無観客ではなく会場に足を運んでいただけるファンの方もいるので、非常にチームとしては応援が後押しになっていると思います。
--次に千々木選手に。今日は第3セットから、ジョン選手に代ってコートに入ってこられたのですが、その時はどんな気持ちで入られたのですか?
千々木「今シーズン、僕はアウトサイドの控えと、ピンチブロッカーと、オポジットの控えと三役でベンチに入っているので、その準備の一つでジョンの代わりで入ったのですけれど、ひとつは僕が外から見ていてチームがばらばらしているなと感じていたので、僕が入ってチームを盛り上げられたらなと。もうひとつはやはりオポジットが得点を取ってなかったのが苦しい原因の一つだったので、僕が入ってその手助けが出来れば、クイック、レフトがもっと楽になって、サイドアウトが楽になるんじゃないかと。3セット目は上手くいったんですけれど、4セット目はダメだったんですけれど、どちらにせよ勝ててよかったです」

 

▲不屈の堺ブレイザーズ魂を見せる千々木選手。

--それでは最後に来年に向けての抱負を一言ずついただいてよろしいでしょうか?
髙野「チームが最後2連勝できて、年内良い形で終われたので、このホームゲームでの良い流れを来年の1試合目からしっかり出して行きたいです。堺ブレイザーズはいつも年明け良い成績を残しているので、この調子を維持しながら、年明け連勝していけたらと思います。そしてまだまだコロナの影響でどうなるかわからないのですが、少しでも収まって会場に来られる機会がありましたら、また会場に来て応援をよろしくお願いします」
千々木「まだ半分終わってないんですけれど、とにかく前半戦は勝率五割でいけたのは、スロースターターの堺ブレイザーズにとっては良い方じゃないかと思います。さっき髙野選手もいいましたけれど、年明けからまずは上位3チームに食い込めるようにがんばりますので、どういう形で試合が開催されるかわかりませんが、どういう形であろうとファンの皆様に届くような熱い試合をしていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」
松本「とにかく良いプレーを続けるために、次の試合まで時間があくので、ゴーダン監督も戻ってくるので、そこはチームで反省して。良いプレーも沢山あるので、それを続けるという練習をしっかりして、年明け頑張りたいと思います。以上です」

ゴーダン監督不在の中、2連勝した堺ブレイザーズは、勝率五割で折り返すことが出来ました。コロナが収まらないという不安はありますが、調子を上げまずは上位へと駆け上ってほしいものです。

 

▲マスクごしの笑顔の3選手。

 

 

 

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