劇団わらび座「ジュリアおたあ」 堺公演迫る!!
▲「ジュリアおたあ」チケット発売中です。 |
■「劇団わらび座」が堺ゆかりの人物を主役にミュージカル
堺出身の戦国武将小西行長の養女を主役にした「劇団わらび座」のミュージカル『ジュリアおたあ』の全国公演が始まり、9月には堺公演が開催されます。
3月に開催された「東北芸能祭」では、東北の民話と歌舞でつづった「遠野物語」と共に、地元堺の「すずめ踊り」も披露され好評を博しました。「劇団わらび座」は、日本では極めて珍しい役者全員がプロの劇団。土地土地で生まれた物語をモチーフにオリジナルお芝居で上演するのですが、その舞台はまるで大地に眠る地霊が目を覚まし、溢れ出た喜び、怒り、悲しみが乱舞するかのよう。
▲「遠野物語」より一場面。 | ▲堺の子供たちが頑張った「すずめ踊り」。 |
『ジュリアおたあ』の主役おたあは歴史上の実在の人物です。
秀吉の朝鮮出兵の際に、孤児となったおたあは小西行長によって保護され、洗礼を受け養女として大切に育てられます。その後、関ケ原の戦いで敗者となった小西行長は処刑されますが、美しく教養のあるおたあは家康の侍女となります。しかし、時はキリスト教禁令の時代、おたあは伊豆諸島の神津島に流罪となります。流罪となりながらも、おたあは自分の生き方を貫き生涯を終えたのだそうです。
そんな数奇な運命の人生を強く生きたおたあを演じるのは、「劇団わらび座」の碓井涼子さん。稽古もはじまった中、主演の碓井さんに「つーる・ど・堺」のインタビューに答えていただきました。前作ではおたあと同じく異邦で強く生きる小野小町を演じた碓井さんですが、『ジュリアおたあ』では?
■碓井涼子さんインタビュー
▲「小野小町」で主演を務めた碓井さん。 |
……ジュリアおたあと同じく出身地を離れて活躍されている碓井さんからみて、おたあはどのような存在でしょうか。
碓井涼子(以下、碓井)「おたあさんは、苦難を乗り越え、心に光を灯し、病や貧しさに苦しむ人々をも照らし、強く生きた女性だと思います。育ての親である、小西行長から大きな影響を受けていると思います」
……なるほど、故郷を失い、育ての親を失うなど大きな苦難をおたあは乗り越えています。おたあはなぜ「強い」のでしょうか?
碓井「おたあさん自身は『自分は強い』と思って生きたわけではなく、人に寄り添うことを大事にしていたのではないかと思います。一人にならず、互いに寄り添うことが、結果『強い』ということなのでは……と考えます」
……生きる困難さは現代の私たちにも共通のもの。それはヒントになりそうですね。では、ミュージカルの見所は?
碓井「観て下さったお客様の印象に残った場面が、その方にとっての見所になると思います。役者は全ての場面を精いっぱいやるのみです」
▲わらび座の魅力は「地域発信のオリジナルミュージカルを年間を通じて、全国で公演していること」と碓井さん。 |
……めったにプロの役者さんに出会うことがありませんので好奇心的な質問も。わらび座でプロの役者さんをされている方は、どんな日常生活を送られているのですか?
碓井「自宅で休日を過ごせるときは、マイペースで家事をやることが多いです。地方にいるときは、舞台を観に行ったり、観光地に行くこともあります。ツアー中の移動時間は、バスの中で本を読むことが多いです」
……役作りはどのようになされるのですか?
碓井「作品の時代背景を調べたり、本や資料を読むことから始めます。ゆかりの地を訪れたりもします」
……堺や泉州地方に、公演または個人的に来られたことはありますか?
碓井「すみません。まだ行ったことがないので、『ジュリアおたあ』の公演でお邪魔させて頂くのを楽しみにしております」
……はい。お越しいただいた際にはぜひ堺の魅力を体感してください。
今回の『ジュリアおたあ』の舞台となるゆかりの地はどうでしょう。どんな魅力があったかを教えてください。
碓井「ジェームス三木先生作・演出の、わらび座の『つばめ』という舞台で、韓国公演に行きましたが、お子さんから大人の方まで、エネルギッシュだという印象を受けました。宇土市には公演で何度か訪れておりますが、学生さんが、面識のない私にも元気にあいさつをしてくれたり、人柄があたたかく素朴な町という印象があります」
……最後に何か堺のわたしたちにメッセージをお願いします。
碓井「ジュリアおたあの育ての親である、行長さんの故郷・堺での公演を楽しみにしております。皆様是非観にいらしてください」
……ありがとうございます。こちらこそ9月の公演を楽しみにしています!
■今も敬愛される”おたあ”
公演の取材をする中で、おたあが流された神津島では今もおたあが敬愛されており、40年以上前から「ジュリア祭」が開催されていると知り、驚かされました。
そもそも”おたあ”とは神津島の方言で「がんこな人」を意味する「おたいね」、婦人に対する敬称「あね」からできた名前(朝鮮語からとの説も)。神津島でのおたあは、行長を通じて身に着けた薬学の知識を活かし、島の人々を救い感謝されたのだとか。
その感謝の気持ちが400年もの未来に「ジュリア祭」として花開き、人口2000人ほどの小さな島に毎年バチカン大使や1000人ものカトリック信者が訪れ、生前にはかなわなかったミサが開催されているのだそうです。とりわけ故郷の韓国からも多くの信者が訪れ、韓国の歌や踊り、神津島の伝統芸能を互いに披露しあっています。
丁度、2015年は日韓国交正常化50周年にもなります。「劇団わらび座」では「ジュリアおたあ」はその記念的な作品といえます。
そして私たちの町堺は、古代から現代にいたるまで貿易港として海外の文物をいち早く受け入れ、今も非常に多くの外国にルーツを持つ人々が暮らす町。
朝鮮半島で生まれ、日本で育まれ、南蛮文化を見につけたジュリアおたあの波乱の生涯を、ぜひ多くの人に見ていただきたいものです。
劇団わらび座
チケット情報
堺公演
●日時:9月28日(日) 開演15:00(開場/14:30)
●場所:ソフィア・堺ホール
●アクセス:泉北高速鉄道「深井」駅 徒歩12分
●入場料:全席指定
一般 :2000円
高校生以下:1000円
●お問い合わせ 堺市文化振興財団 TEL 072-228-0440
チケット取扱い:
■読者プレゼント「ジュリアおたあ」入場チケット・ペアで2組様にプレゼント!!
堺市文化振興財団様からのご厚意で、つーる・ど・堺の読者の皆さんからペアで2組4名様に「ジュリアおたあ」の入場券をプレゼントいたします!!
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