連覇を狙う2013/14Vプレミアリーグで、『堺ブレイザーズ』は開幕の2試合を1勝1敗でスタートし、12月21日(土)・22日(日)に堺でのホームゲームを迎えます。
煮え切らない流れをホーム開幕戦で払拭できるのか?
バレーボールの生観戦は初めての筆者は、勝敗の行方と初観戦にドキドキしながら、金岡公園体育館へと向かいました。
■12月21日(土) vs JT戦
小雨が時折ぱらつく、空の冷たい昼下がり。
バスを利用して金岡公園前に着きました。公園は休日の午前の落ち着いた風情で、ここで試合が行われるのか、ちょっと不安になりますが、体育館の屋根を目印に、公園の木立の道を歩きます。
体育館の入り口前には黄色い幟(のぼり)とテント屋根が見えてきました。女性や親子連れ、バレーボールファンやバレーボール部員らしき人々の姿も多く見え、ウキウキした祝祭の雰囲気が漂い始めます。
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▲金岡公園体育館。 |
▲体育館内。 |
時刻は12時半。入場手続を済ませてエントランスを足早に潜り抜けて会場へ。2階席から見下ろす会場のコート上ではすでに両チームの選手たちが練習しています。
急ぎ1階へ。
「近い!」
第一印象は何よりも選手と観客席の近さ。観客席はコート脇で、「手を伸ばせば届く」距離です。選手の表情、声も直に感じることができます。
引き締まった表情を見せる選手、リラックスした笑顔を見せる選手。準備運動からストレッチをするアスリートの肉体が次第に温まってきます。
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▲ストレッチで体をほぐす選手たち。 |
▲視線鋭く見守る酒井監督。 |
試合開始まで会場内をぶらり歩きしてみましょうか。
3階にあがると物販コーナーなどが並んでいます。
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▲非売品のものや、サイン入りユニフォームなどが入札でオークションされています。 |
▲Tシャツやスポーツタオルなど、チームカラーである黄色いウェア関係のアイテムはファンなら手に入れておきたい所でしょうか。 |
小さいフードコーナーも発見。体育館にはお食事処もありましたが、焼きそばやフライドポテトなど、屋台的なものが雰囲気があっていいですね。
ウロウロしているうちに、コートではボールを使った練習が始まった模様。
「ボールにご注意ください」
とアナウンスされ、会場にはボールを打つ音、コートに叩き付けられる音が響き始めました。
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▲選手の気合、ファンの期待。ボルテージがぐぐっと上がってくるのを感じます。 |
練習が終了すると、梅花中学・高等学校チアリーディング部Raiders(レイダース)によるチアリーディング。
コートに登場した沢山のチアたち、その若さが音楽とともに躍動します。何段ものタワー、その上でのジャンプなど、チアたちも素晴らしいアスリート、表現者なのだと感心しました。
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▲応援団長のなおきさんもチアリーディングに挑戦!? 最後にはタワーに登りました。 |
▲音響もいい屋内競技場はチアリーディングが映えますね! なお、竹山市長の始球式は相手のコートに届かず! 再々チャレンジのちょっとおまけでクリア! |
6人のスターティングメンバーが拍手と声援に送られてコートに立ち、開場から2時間、いよいよ試合開始です! 相手は好調の「JTサンダーズ」。
5セットマッチの第1セットは、序盤にJTのリードを許すも中盤には追い付き、その後は一進一退の攻防。いいプレイには、観客席もコート外の選手たちもどっと沸きます。
セットを取るには「2点以上差をつけて25点先取」です。
白熱の第1セットは、24対24のデュース。はたしてどちらが先に相手を突き放すかのか。
25点目はまずJT。すかさず堺も25点目を奪い返す。気負ったのかサーブはラインアウトで26(JT)対25(堺)に。粘って26対26。堺が27点目を取り、石島選手が雄叫びをあげます。その気迫が乗り移ったのか、28点目も堺に!
ホーム初戦の第1セットは、堺ブレイザーズがものにしました。
しかし、第2・第3セットは、常にJTに先行を許し、良いところが無くセットを取られてしまいます。
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▲堺出身の新加入選手8番の佐川選手も交代でコートに。ホーム初見参! |
▲1番 松本選手、3番 石島選手ら経験豊富な選手が多いのは心強いですね。。 |
不安な気持ちの第4セットは、ようやく先行気味でスタートし、先に堺が8点を取ってファーストテクニカルタイムアウトの小休止。
中盤戦も堺が優勢なものの、JTはぴったりと並走して大きな得点差がつきません。堺が16点目を取り、13対16となってセカンドテクニカルタイムアウト。
タイムアウト終了間際には、すぐにでも試合を再開して戦いたいのでしょうか、堺の選手はライン際に勢ぞろいして飛び出さんばかり。
このセットも案の定デュースに。決着は簡単にはつかなかったものの、27対29でセットをものにしたのでした。
これで取ったセットは2対2。勝敗は運命の第5セットへ!
ところが、最終セットで競り合ったのは序盤まで、JTに先に8点目を許し、コートチェンジとなると点差が開き始めます。せっかく得点しても、堺の反撃は単発に終わり、ラストスパートで突き放され、15対9。悔しい敗戦となりました。
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▲激戦は続く。 |
▲「本当の意味でのホームゲーム」と堺の応援の印象を語るJTの選手。 |
この初観戦、ジャンプ力や打撃力など、選手の迫力あるプレイはもちろん見どころでしたが、観客の応援も印象に残りました。
試合終了後のインタビューでJTの選手が「堺はやりにくい。本当の意味でのホームゲーム」と評していたように、確実にホームゲームの空気を作り出している応援でした。
試合後には、両チームの応援団が相手チームの健闘をたたえるエール交換をしたのも爽やかな印象です。
その影響か、敗戦は悔しくあったものの、ネガティブな気持ちよりも、明日の試合への期待感が上回る……そんな気持ちで次の日を迎えたのでした。
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▲エール交換はすがすがしいもの。 |
■12月22日(日) vsFC東京
この日は快晴。前日の熱戦が脳裏に焼き付いたまま、期待を胸に金岡公園体育館へと向かいます。
本日の対戦相手は、「FC東京バレーボールチーム」。
サッカーJリーグのFC東京とは連携し、同じ東京ガスの運動部を起源に持っています。ユニフォームも同じ青と赤のカラーで、応援団もタオルマフラーを首に巻いたりと、どこかサッカー風の応援です。
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▲始球式はブレイザーズキッズから、男女中小学生の選手。2人とも緊張の様子でしたが、2度目のチャレンジで見事相手コートにボールを運びます。 |
▲「バモバモ東京!」 人数は少なくとも、強い意志がみなぎり、選手を後押しするFC東京応援団! |
試合開始!
昨日の敗戦を引きずっていなければ……そんな不安は杞憂だったようです。
堺ブレイザーズは序盤から順調に得点を重ね、7(東京)対8(堺)で堺が8点目をとってファーストテクニカルタイムアウト。接戦が続きますが、徐々に差が開き、13対16でセカンドテクニカルタイムアウト。
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▲6番 ペピチ選手のスパイクもよく決まります。 |
▲石島選手のプレイで会場が沸き上がります。 |
今日はペピチ・石島の両エースともに調子がよさそう。横田選手のサービスエースも決まります。21対25で第1セットは堺が取ります。
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▲この鍛えられた背中の筋肉から爆発的なサーブを打ち出す5番 内藤選手。 |
この調子でいきたい所でしたが、FC東京も負けてはいられません。
第2セットはFC東京が序盤から飛ばし、8対3でファーストテクニカルタイムアウト。16対11でセカンドテクニカルタイムアウト。堺も追いすがりますが、及ばず25対20で第2セットを奪われます。
第3セットもジリジリした展開。序盤は接戦で8対7でファーストテクニカルタイムアウトを取られます。中盤は抜き返し12対16でセカンドテクニカルタイムアウトを奪うと、その勢いのまま22対25でセットを奪います。
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▲11番 伊藤選手はレシーブでも活躍。 |
▲19番 今村選手のガッツポーズも飛び出します。 |
こうなると流れは堺のもの。第4セットでは、伊藤選手のサーブ時に圧巻の6連続ポイント奪取! 終盤にはFC東京も粘りをみせますが、中盤での得点差を覆すことはできずに、19対25で終戦。
セットカウント1対3で、ホーム初勝利を飾ったのでした。
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▲ナイスプレイにダブルサムズアップ! |
▲吠える松本選手。 |
ヒーローインタビューは攻守ともに活躍した伊藤選手。
インタビューの後ろでは勝利の余韻にひたる他の選手や観客の笑顔が輝いていました。
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▲勝利のハイタッチ! |
▲インタビューに答える伊藤選手。 |
試合終了後、両日ともに応援をリードした応援団長のなおきさんにもお話を伺いました。
「今日の勝利は、昨日の負けが教えてくれたこともあるということでしょう」
実は今日の試合前、伊藤選手からなおきさんに昨日の試合を詫びる言葉があったのだそうです。その口惜しさを力にかえて、今日の活躍があったのかもしれません。
「今日は観客席からも気が漲っていました。特に、ここ数年は堺のホームゲームは本当のホームゲームという感じがするようになってきました。みんなで作り上げてきた応援です」
「金岡公園体育館の応援は一体感があってすごい」
シーズン前にチーム広報の方も誇らしく語っていたのもうなずけます。
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▲なおきさんが太鼓ひとつもって応援をはじめてから15年。今や、相手チームの選手からも脅威と感じられるような応援になったのです。 |
▲堺ブレイザーズを破ったJTサンダーズを、ストレートで一蹴した豊田合成トレフェルサ。気迫漲るプレイぶりでした。 |
筆者はその後第2試合の「JTサンダーズ」vs「豊田合成トレフェルサ」の試合も観戦。昨日は堺を下したJTが、セットカウント0対3で豊田合成にストレート負け。絶えずチームを鼓舞し続ける豊田合成の4番高松選手の姿が強く印象に残りました。
もし、まだ一度もライブでバレーボールの試合を見たことがない人は、ぜひ直接試合会場へ足を運んでください。堺ブレイザーズの魅力、そしてバレーボールそのものの魅力にはまってしまうこと受け合いです。
堺市堺区築港八幡町1番地
(新日鐵住金堺体育館内)
前回記事:
堺ブレイザーズ 鋼炎の男たちⅠ ~始動~
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