本城 永一郎 陶芸展
火なぶりに人生を捧げた男、
本城永一郎。
十五の春に、火なぶりができるならと鍛冶職人に。
以来、数々の伝説的な切れ味と
美しさを兼ね備えた包丁を鍛えてきた。
生きるための糧を得る包丁鍛冶とは異なり、
不惑からはじめた陶器づくりは、純粋に火なぶりに没頭できた。
彼の手にかかると固い鉄も柔らかい土も、
自ずから望む姿に変えていくような錯覚を覚える。
用の美などというのでもなく、
洗練という言葉でも言い表せない彼の陶壺。
その立ち姿は孤高の精神を秘めてかつおだやかである。
妥協のない精緻なかたちとは裏腹に、
絵付けは大胆きわまりなく、
舞い踊る炎と戯れるがごとくの様相をみせる。
それでも見るものをあたたかく包み込むのは、
彼の生きざまが陶壺に刻みこまれているゆえと言っていい。
十五の時のねぐらで、初の個展。
気高く傘寿、なお溌剌。
堺・七まち町家会 水野鍛錬所の鍛冶名人、本城永一郎氏 初の個展
2011年5月20日(金)~24日(火)
開館時間:午前10時~午後5時(但し20日は11:30~15時の間、休館)
水野鍛錬所厨子二階にて
入場無料
水野鍛錬所
〒590-0923
堺市堺区桜之町西1丁1番27号
072-229-3253
【最寄駅】
○阪堺線 綾ノ町電停前より徒歩3分
○南海本線 七道駅より徒歩7分
○南海高野線 浅香山駅より徒歩10分
お問い合わせは水野鍛錬所 072-229-3253 まで。