ツアー・オブ・ジャパン2024堺ステージ前日記者会見

 

国内最大級の国際自転車ステージレース、ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)。昨年コロナ禍による休止を挟み4年ぶりに開催されたのですが、今年も開催されることになり、口火を切る第一日目堺ステージの前日記者会見が、さかい利晶の杜で行われました。その様子をレポートします。

 

■選手インタビュー

 

▲前日記者会見に出席した四選手。

 

インタビューに登場したのは、昨年の覇者であるJCL TEAM UKYO(日本)のネイサン・アール選手。アスタナ カザクスタン ディベロップメント チーム(カザフスタン)のニコラス・ヴィノクロフ選手。チーム ブリッジレーン(オーストラリア)のマシュー・グリーンウッド選手。そして地元堺からは、シマノレーシング(日本)の寺田吉騎選手の四選手です。
最初の質問は司会からディフェンディングチャンピオンのネイサン選手に。
(司会)現在2連勝中、3連覇のかかるネイサン選手に伺います。このTOJどんな思いで今年は参戦となっているのでしょうか?
ネイサン「まず、今年ここに戻ってこられたことをとてもワクワクしております。そして皆さんこんにちは。日本に帰ってレースができることを嬉しく思っています。今年も勝利を手にしたいと思っています。今回も世界で強いチームが集まっています。けれども私にとって、このTOJというのは今年のハイライトの一つです。また個人として日本で走ることが大好きなので、また好きな場所に戻れて嬉しいです」

 

▲カザフスタンでもタイトルを取ったニコラス・ヴィノクロフ選手。

 

(司会)続いてはニコラス選手にお話しを伺いたいと思います。ニコラス選手にとっては、昨年のツール・ド・九州参戦というのが、日本のレースで初めてだったと思いますが、そこからこのツアーへの参戦、日本のレースへの印象というのはどのように思っていますか?
ニコラス「皆さんこんにちは。私は昨年ツール・ド・九州に参加しまして、とても素晴らしいオーガナイゼーション、そして素晴らしいレースを実感いたしました。とてもよりレースを知ることが出来て良かったです。そして日本というのは、素晴らしい国であるという印象を持っていますので、今回またTOJに参加できて、明日から走れることをとても嬉しく思っております」

 

▲マシュー・グリーンウッド選手。チーム ブリッジレーンはクライマーを揃えてきたとのことで、平坦な堺ステージでは分が悪いか?

 

(司会)続いて、マシュー選手。チーム ブリッジレーンが参加するのは2019年ぶり。2019年は先輩選手にあたるクリス・ハーバーが総合優勝を成し遂げました。そこからこの5年ぶりにTOJに参戦するチームとして、どういう状況での参戦になっていますか?
マシュー「今回のチーム構成としてはクライマーを揃えてきましたから、富士山ステージでは結果を残せるのではないかというのを思っています。とても若い選手が多いチームですね。3人が23歳以下ですので、若いチームとして今回参戦しております。これまで他のレースでもいい結果を残してきているので、このTOJにつなげていきたいと思います。そして私たちのいい経験になるのではないかというのと、このTOJで皆様にインパクトを与えたいです」

 

▲昨年からシマノレーシングに所属している寺田吉騎選手。高校時代は水泳部にも所属していたからでしょうか、分厚い上半身が目を引きます。

 

(司会)ようやく順番がまわってきました。寺田選手に大きな拍手を。地元堺のチームです。
寺田「堺の地元のステージということで、チーム全体で士気も高く、気合も入っています」
(司会)寺田選手としては2回目のTOJになります。前回はナショナルチームの一員として、今回はレーシングチームとして、そこで何か違いというのはありますか?
寺田「ナショナル知むの時は本当に、アンダー23の同年代の選手でレースを走らせていただいたんですけど、今回はシマノレーシングで経験豊富な入部正太朗選手だったり、中井唯晶選手とチームとなって走れるということで、またナショナルチームと違った戦い方があると思うので、すごくワクワクしています」

 

▲2連覇中のネイサン・アール選手。この男の前に立ちふさがるのは誰か!?

 

(司会)ありがとうございます。またネイサン選手にマイクを戻していただきまして、今年のJCL TEAM UKYOは、ツール・ド・台湾で総合2位に入った小石祐馬選手、先週のツール・ド・熊野で岡選手が連覇を果たすと成績を残しています。特に今年は拠点を変えて、世界に挑んでいるこのJCL TEAM UKYO。チームの状態はいいとこちらは感じていますが、いかがでしょうか? 何か変化していますか?
ネイサン「今おっしゃっていただいた通り、今年のチーム状況はとても大きな変化がありました。イタリアにベースを移しました。そしてイタリア選手の加入があります。これまで今年はとても良い成績を残しておりまして、イタリアでも調子をあげていますので、みんな個人個人が自信を持って臨んでいると思います。それが今結果に結びついているということでここまで来ています。そのよいコンディションを保ったまま、ポジティブな気持ちのままこれまでどおり、これかTOJでもそれを続けていければと思っています」

(司会)続いてニコラス選手に伺います。2023年にカザフスタンのタイムトライアルチャンピオンというタイトルをとって、今回TOJに参戦ということで、このTOJの8つのステージの中でどのあたりを狙っていくのか? 可能な限りでチームの方向性も含めて少しお話を伺いたいと思います。
ニコラス「昨年はロードチャンピオンというタイトルを手にしたのですが、とにかく明日のスタートをとても楽しみにしています。でも明日は短いコースで、その前にクリテリウム(周回レース)もありますから、それをウォーミングアップとして走りたいと思っています。クライマーも揃っていますし、強い選手たちが出場するレースなんですけれど、個人としてはステージ優勝を狙っていきたいと思います。その実施を一気に狙うというのではなく、ステージステージごとに一つ一つ走って行って、ステージ優勝を狙いたいと思います」
(司会)ありがとうございます。ちょっと僕の方でリザルト情報を間違っていたかもしれません。失礼しました。

 

▲20代の3人。新人賞を手にするのは誰?

 

(司会)続いてマシュー・グリーンウッド選手に。四月に大きなオセアニアシップという大会で表彰台に上がって、非常にコンディションも良い状態だと思います。だからこそ、今日この前日記者会見にチームを代表して出席していただいていると思うんですが、個人的にTOJに向けた目標を聞かせてください。
マシュー「個人としては優勝を狙っていければという大きな目標はあります。けれども、富士山ステージがカギになると思います。その他のステージに関しては、オーストラリアの国内でのナショナルツアーとそんなに変わりはないかなと思っております」

 

(司会)今回はネイサン選手が35歳でディフェンディングチャンピオンという立場で参加、他の三選手は20代。21歳のニコラス、マシューも21歳。そして寺田選手も22歳ということで、若いメンバーが集まって色んな刺激を受けると思うんですが、メンバーリストを見てどんな印象を持っていますか?
寺田「ベテラン選手からアンダーの選手もいる今回のTOJということで、僕も新人賞を取れるんだから取っていきたい。明日の堺第一ステージから頑張りたいなと思っています」
(司会)明日、堺タイムトライアルです。ずばり、タイム的な目標っていうのを設定しているんですか?
寺田「やはり去年は入部選手が16位。トップが3分十数秒だったんで、そこを基準にチームでどう走ったらいいのかを話しておりまして、それを参考に明日僕も初めてなので挑戦してきたいなと思いますね」

 

■つーる・ど・堺からの質問

 

▲堺ステージは「自転車を知ることができる」。ファンにとっては見所が沢山あるステージです。

 

いよいよ記者からお質疑応答ということで、口火を切って質問しました。
ーー昨年、TOJを取材して盛り上がりに驚かされました。沢山のお客様の中には、初めて観戦されるという感じのお客様も多かったと思うのですが、そこで選手の皆様に初めての方向けに、この堺ステージの見所、ここは見て欲しいなというポイントがあれば教えていただきたいです。特に寺田選手は地元ということでお聞きしたいです。
寺田「実は僕は堺ステージを走るのが初めてなので、見所というのがちょっとわからないんですけれど、堺ステージは周回レースになっているので、どこから見ても集団の迫力というのが伝わってくると思うので、特にゴール付近ではすごい迫力のあるレースが見られると思っています」
ーーありがとうございます。昨年参加されたネイサン選手にもお聞きできますか?
ネイサン「堺ステージの一番の魅力というのは、こういう毎日ステージが変わるレースの中で、タイムトライアルというレースから始まっているのがとてもユニークだと思います。一番の魅力としては、近くで選手たちが走るのを見られるということ、そして何回も全部の選手が走っていくのをより近くで見られるということだと思います。他のステージですと1回すごいスピードで瞬間的に通り過ぎてしまうというレースが多いのですけれど、それよりも楽しみが増えると思います。そして、レースが終わった後でも、チームピットで自転車を調整したりとかですね、レースの後の選手の様子も近くで見ることができるというファンにとっては醍醐味があるステージではないかと思います。ですから自転車を知るというのも大きな魅力であり、スタートとフィニッシュが同じ場所にあるので、より多くの選手たちを見られるというのも魅力です」
ーーありがとうございます。

 

▲メディアだけでなく、ファンの方も同席できる前日記者会見は貴重。遠方のファンの方はぜひ前日から堺に来て足を運んでほしいですね。

 

筆者も、選手をじっくり見ることができて、TOJのタイムトライアルの前に全選手の周回レースが開催される堺ステージはかなり「美味しい」ステージではないかと感じていました。また、日本の若いファンがレースを終えた同年代の海外選手に話しかけて交流している様子が印象に残っています。加えて駅からのアクセスも良く、飲食・トイレなどのインフラも整っているときては、まさに参加のハードルが非常に低いイベントだといえるでしょう。

 

■茶の湯体験

▲和菓子のお味はいかが? ニコラス選手。

 

記者会見終了後、四選手はさかい利晶の杜の立礼席で、茶の湯を体験することに。この日のお菓子は、レース会場に隣接したユネスコ世界文化遺産の大仙古墳(仁徳天皇陵)にちなんで、古墳をイメージした和菓子だそうです。

 

▲よどみなく流れるお点前。魅入られてしまいますね。

 

お点前を見ていたネイサン選手から、使っている水はどういうものか質問があり、
「これは特別な堺の水です。皆さんが良いレースをするために自転車という道具にこだわるように、千利休も良い水を探して堺の井戸の水を使ったのです」
という説明があり、なるほどと納得の様子。

 

▲国際イベントとして、日本文化に触れる機会は、今後も続けて欲しいですね。

 

「抹茶は茶の葉をくだいたもので、自然なものでビタミンCがたっぷり入っていて体に良いものです。明日のレースのパワーになるはず。頑張ってください」
とさかい利晶の杜スタッフの方からのエールもありました。

茶の湯体験後、感想を聞いてみました。
ネイサン「とても素晴らしい体験になりました。ピースフルで大きな経験をすることができました。私にとってはじめての茶の湯体験です」
寺田「懐かしかったです。小学校の時に地元のイベントでやったのを思い出しました」

お茶パワーを受け取った四選手には、特にいい成績を期待したいですね。

※2024年ツアー・オブ・ジャパンの記事
【速報】ツアー・オブ・ジャパン2024 堺ステージはシマノDAY!

 

※2023年ツアー・オブ・ジャパンの記事
ツアー・オブ・ジャパン2023堺ステージ前日記者会見
ツアー・オブ・ジャパン堺ステージのアツイ一日(1)
ツアー・オブ・ジャパン堺ステージのアツイ一日(2)
ツアー・オブ・ジャパン堺ステージのアツイ一日(3)
ツアー・オブ・ジャパン堺ステージのアツイ一日(4)

 

※公式サイト
ツアー・オブ・ジャパン2024公式サイト
ツアー・オブ・ジャパン2024堺ステージ

 

 

さかい利晶の杜
大阪府堺市堺区宿院町西2丁1−1
公式サイト

 

コース図/来場者動線(←会場へ)

 

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