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ユネスコ世界文化遺産登録へ!!特集(1)『百舌鳥古市古墳群って何??』

 

先日、百舌鳥古市古墳群の国内推薦が決定しました。平成23年から取り組んできた運動がやっと第一ステージをクリアしました。これから今年7月のユネスコ世界文化遺産登録を待つばかりですが、まずは私たち堺市民が「百舌鳥古市古墳群」の事をよく知る必要があると思います。
古墳大好きな古墳マニアの方も増え、古墳イベントも数多く開催されるようになり盛況ですが、一方で古墳って何? という方も少なくありません。そんな方のためにまずは「百舌鳥古市古墳群とは?」と言うことが判るメモをまとめてみました。

 

1. 百舌鳥古市古墳群とは

古墳(古代の墳墓)は東北地方の南部から九州南部まで全国各地にありますが、最も大きな古墳が集まっているのが大阪府の南部地域です。堺市にひろがる集団を「百舌鳥古墳群」、羽曳野市・藤井寺市エリアにある集団を「古市古墳群」といいます。これらの古墳群は2つのエリアに分かれながらも、一体性・連続性をもっています。
「古墳の全貌が見られないし中には入れなかったら意味がない」と言う人がいます。また「近くで見たら単なる大きな森にしか見えない。空から鍵穴の形が見えないと意味がない」。

それどころかどこかの偉い人の様に「イルミネーションで飾ったらいい」とかいうような罰当たりなことを言う人もいます。しかし、大阪平野の南部に広がる古墳群には「日本の宝」と言うべき歴史と文化の姿がすごい迫力で、生活空間の中に現存しています。まずはそのことを大阪に住む私たちがしっかり知ることから始めなければいけないと思います。

 

2. 古墳の形

古墳には色々な形があります。有名な前方後円墳のほか、円墳、方墳、帆立貝式古墳、前方後方墳等々。中には四隅突出墳といった変わったものもあります。その中で百舌鳥古市古墳群の「選抜メンバー」的な古墳はたいてい前方後円墳です。

 

3. 日本の古墳、大きさランキングベスト10

 

① 仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳)    486m 大阪府堺市
② 応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳)  420m 大阪府羽曳野市
③ 履中天皇陵古墳(上石津ミンザイ古墳)365m 大阪府堺市
④ 造山古墳              360m 岡山県岡山市
⑤ 河内大塚古墳            335m 大阪府松原市・羽曳野市
⑥ 見瀬丸山古墳            318m 奈良県橿原市
⑦ 景行天皇陵古墳(渋谷向山古墳)      302m 奈良県天理市
⑧ 土師ニサンザイ古墳            288m 大阪府堺市
⑨ 仲姫皇后陵古墳(仲ツ山古墳)    286m 大阪府藤井寺市
⑨ 作山古墳                 286m 岡山県総社市

全国ベスト10の中に百舌鳥古市古墳群の古墳が5つ入っています。本来は6つなのですが、5番目の河内大塚古墳が(どうも時代が少し新しいためだと言う事です)登録対象リストに入っていないため5つとなります。個人的には全国で5番目の大きさの古墳をリストから外すと言うのはどうかと思います。

同率9位の仲姫皇后は2位の応神天皇の皇后にあたる方で、夫婦でベストテンに入るというすごいカップルです。ちなみにこの夫婦の子供が1位の仁徳天皇です!
8位の土師ニサンザイ古墳は天皇陵の指定は受けていませんが宮内庁の管理下にあります。この時代は政争でたくさんの皇子が失脚して殺されたりしていますが、その大きさからしてその内の一人のお墓かもしれません。

 

4. 前方後円墳の向き

 

▲百舌鳥古墳群

 

色々と謎はありますが最も判らないことは古墳の向きです。少しは揃っていますがほとんどバラバラの向きに作られています。
現代人よりももっと方角にこだわったと思われる古代の人たちが、なんの意味も無くそれぞれの建造に当たって方向をきめたとは思えないのですが、現実はこの通りです。仁徳陵を中心とした3つの古墳の様に、ある程度統一性を持ったものも見られるのですが、全体を見渡すとあまりの統一性の無さに途方に暮れます。また、学会もこのことをきっちりと解釈していません。少なくとも浅学の私は存じ上げません。

 

5. もともと樹木は生えてなかった

 

 

今はどれも樹木が生い茂り森か小山のようになっていますが、築造された当初は全体に葺き石が敷き詰められていて、天気のいい日に遠くから見たらキラキラ光って見えたのではないかと言われています。明石大橋のたもとに「五色塚古墳」という古墳がありますが、修復されて全面が石で覆われています。日にあたった姿を大橋や海上から見るとかなりの迫力ですが、それの3倍近くもある仁徳陵古墳はすごい迫力だったと思われます。当時、海外から来られる賓客もきっと古墳の威容に肝をつぶしたと思います。

 

6. 白鳥陵古墳

 

▲古市古墳群

 

近鉄古市駅からすぐの住宅街の中に「白鳥陵古墳」が優雅に横たわっています。ここに葬られているのは、古事記・日本書紀に登場する「ヤマトタケルノミコト」という人で日本古代の英雄伝説の主人公です。お父さんの景行天皇の命を受け熊襲や東国を征伐したとされていますが、東国征伐の帰りに伊吹山の神様の怒りに触れて亡くなりました。一旦、三重県の御陵に葬られますが、そこから白鳥になって西に飛び去り、この場所に降り立ちここを御陵としましたが、やがて天に翔り行ってしまわれました。

羽曳野市ができる時、この伝説を元に、羽根の跡を引きながら白鳥が空に飛び立つ時の姿をイメージして、羽曳野市の名前が付けられたと言われています。ネーミング考えた人のセンスが凄い!交差点に「白鳥」いう名称もつけている!羽曳野市ってかっこいい。

 

7. 応神天皇陵古墳

 

▲古市古墳群。

 

西名阪道を藤井寺から東に向かって走っていくと、右のフェンス越しに大きな丘が見えてきます。これが応神天皇陵古墳です。白鳥陵古墳の主人公「ヤマトタケルノミコト」の孫、仁徳天皇のお父さんにあたる方で、古代日本史の巨人、キーパーソンです。八幡神の化身と考えられていて、南側には日本最古の八幡宮である誉田八幡宮があります。

前方部の北にある「拝所」(御陵を拝む場所。天皇陵や皇族の御陵には必ずあります。)からは目の前に巨大な墳丘がそびえているのが見えます。仁徳陵と違って堀が一つしかないのでかなり迫力ある姿が望めます。昔は誉田八幡宮から後円部の頂上にある宝殿までの参道があって一般の人たちも参拝していたらしいです。今は堀の手前の石の太鼓橋のところでシャットアウトされています。残念です!

 

8. 仁徳天皇陵古墳

 

「仁徳天皇陵古墳」はいうまでもなく世界最大の墳墓です。周囲の壕を含めた長さは840メートル、墳丘長の長さが486メートルあります。JR阪和線でいうと三国ヶ丘の駅から百舌鳥駅までの間にずっと古墳が横たわっています。

天皇陵に指定された古墳は、現在宮内庁の厳重な管理の下にあり、立ち入りや発掘はできない状況となっています。しかし「仁徳天皇陵古墳」から発掘されたとされる銅鏡や大刀などがアメリカのボストン美術館に所蔵されています。いつどのようにしてこれらの品物が古墳から持ち出されたのから判りませんが、明治初期に当時の堺県令(当時堺は大阪府では無く堺県でした。)税所篤というひとが御陵の掃除を願い出た、という記録が残っています。どうもその時に持ち出されたのではないかと疑っている人が多くいます。誰が犯人かというのは別にして、この時に墓碑銘が出てきていたら、世界遺産登録への道は今よりもっと楽になっていたかもしれません。

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