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雑記帖 No.244

ペルシャ生まれ! 世界最古のチーズを輸入したい!(1)

大学生シャジャリ・ルーインさんの挑戦

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"イラン"という国にどんなイメージを持っているでしょうか?
中東の国。イスラム教の国。歴史好きなら最古の文明、ペルシャ帝国の末裔。サッカー好きなら日本代表の好敵手、懐かしのアリ・ダエイ選手の名前なども浮かぶかもしれませんね。でも、現代の私たちと同時代を生きるイランの人たちの、文化や生活、日々の息遣いが聞こえてくるような情報ってあまりないと思いませんか?

今回、ご紹介するのは、イランの人々が毎日食べる食材を日本に輸入しようと奮闘しているある大学生のお話しです。彼の名は、シャジャリ ルーインさん。イラン人のお父さんと、日本人のお母さんの間に生を受け、テヘラン生まれ、大阪育ち。大阪成蹊大学に通う現役の大学生。そして輸入を試みている食材が何かというと、イラン伝統の味、世界最古のチーズ"ペルシアンパニール"なのです。


■おじさんが作る世界最古のチーズ
シャジャリ ルーインさんとは、ルーインさんが通う大学の学生食堂でお会いしました。ルーインさんの名刺には、「株式会社西亜 フード事業部 部長」とあります。さっそく話を伺いましょう。


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▲大阪市内の大学に通うシャジャリ ルーインさん。


――ペルシアンパニールとは、いったいどんなチーズなのでしょうか?
ルーイン「ペルシャはイランの古い呼び名で世界で一番古い文明が生まれたところです。パニールはイランの言葉、ペルシャ語でチーズのことです。だから商品名を"ペルシアンパニール"にしました。チーズというと、ヨーロッパのものというイメージがあると思います。これは諸説あるのですが、チーズ誕生の地は中近東という説が有力視されています。当時は中近東ほぼ全域がペルシャで、現在の地図上のイランにも重ね合わせることができるので、チーズはイランから生まれたといえるのです」
――なるほど世界最古、発祥の地のチーズというわけですね。そのペルシアンパニールですが、現在のイランではどのように食べられているのでしょうか?
ルーイン「朝食でパンにぬって食べたり、ナンにぬって食べたり、塩気が強いので、はちみつ、トマト、きゅうりなんかと一緒に食べます。丁度、日本のお味噌みたいな感じで、どこの家にでもあるものなのです」


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▲塩気の強いペルシアンパニールは野菜などと合わせるとほどよい塩辛さになります。


――ご家庭で手作りしたりするのですか?
ルーイン「よほど田舎にいけば自分で作っている方もいますが、基本的には買ってきます」
――日本でチーズや乳製品というと北海道のイメージですが、パニールもイランの特定地方のものなのでしょうか?
ルーイン「僕が輸入しようとしているのは、叔父のチーズ工場のもので北部にあるのですが、パニールは色んな会社で作られていて、イラン全土で乳製品は盛んです。南にはペルシャ湾、北にはカスピ海があって湿度が高いカスピ海沿岸は日本に似ていて気候が良く牛も育てやすいのです。中部には砂漠地帯もありますけれど」
――広い国ですし地域性もあるのでしょう?
ルーイン「そうですね。料理なんかも地域によって全然違いますよ」
――では、ルーインさんが輸入しようとしている叔父さんのパニールはどういった特徴がある製品なのでしょうか。
ルーイン「叔父の工場で作っているパニールのイランでの売りはなんといっても衛生面や安全面に気を使っていることなんです。日本に比べるとイランの衛生基準はまだまだの中で、世界的な食品製造管理手法であるHACCP(ハサップ)の認証を取得していますし。今回の輸入で検査したところ、規格基準リステリア100/g以下が、ペルシアンパニールの場合10/g以下だったんです」
--菌に対する検出が厳格な基準の1/10ということは、非常に衛生的なことが証明されたということですね。
ルーイン「それだけではなく、無添加で素材にも気を遣っています」
--それも日本の市場で気にされることですね。
ルーイン「これはイランでの研究結果なのですが、ペルシアンパニールに含まれているビタミンD3が神経伝達や疲労回復に効果的なのではないかとも言われているのです」
--美味しくて安全なだけでなく、健康食、スポーツ食としての可能性もある素材なのですね。

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▲イラン北部にある叔父さんのチーズ工場は国際基準の衛生管理が行われている。


■日本との縁

――どうして、ルーインさんの叔父さんは衛生面に力を入れるようになったのですか?
ルーイン「詳しくは聞いていないのですが、叔父は日本に留学していた経験があるので、その影響はあると思います」
――日本で学んだことや生活が国際的な衛生感覚を身につけることにつながったかもしれないのですね。
ルーイン「はい。それと、叔父だけではなくて、父も日本に留学して京都大学農学部の大学院で学んでいたのです」



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▲大学の学生食堂でお話を伺いました。


1991年にお父さんはペルシャ絨毯や美術品を輸入する有限会社シャジャリカンパニーを設立します(後に株式会社西亜に変更)。
――ルーインさん自身は、どちらの生まれになるのですか?
ルーイン「僕はテヘラン生まれです。母は京都の芸術大学に通っていたのですが、パーティーで父と出会ったそうです。結婚後、絨毯の仕事でイランにいっていた時に僕が生まれました」

戦争が終わったテヘランで生を受けたルーインさんですが、どうして学生でイランのチーズの輸入販売をすることになるのか、後篇ではルーインさんの少年時代から今にいたるまでの話を伺います。



ペルシアンパニールを食べたい。あるいは、ルーインさんの挑戦を応援したいという方は、下記の連絡先まで。また2018年12月現在はクラウドファンディングに挑戦中です。こちらへの応援もよろしくお願いします。

株式会社西亜
住所:大阪市中央区北浜1丁目9番15号 EM北浜ビル1階
電話:070-1058-6481

★クラウドファンディング








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