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雑記帖 No.074

龍舟激闘! 堺泉北港ドラゴンボート大会

日本最高の浜寺水路から世界への道

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浜寺の浜松は、平安の歌人紀貫之の歌にも詠まれた由緒ある景観の地。今、浜寺水路を挟んで対岸にある大阪府立漕艇センターには、マッチョな体躯の男女が集まっていました。彼らはドラゴンボートの選手。
この日、高石商工会議所が主催する『第4回堺泉北港ドラゴンボート大会』が開催されたのです。


■高石市民の戦い! 「市内の部」
ドラゴンボートの乗員は、太鼓手1名、舵取り1名、漕手20名の22名が一般的です。開会式のスピーチによるとこの日集まった選手の数は27チーム、800人強。なんと、マレーシアから参加のチームもあるとか。

開会式に引き続き「入魂式」が行われます。
桟橋に止められた5艇のドラゴンボート船首像の龍の目に、朱筆で瞳を描くのです。いかにもアジア発祥のスポーツらしい儀式です。
入魂されたドラゴンボートが次々と離岸し、スタートラインへ向かいます。

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▲せっかくの英語のスピーチも、マレーシアチームはまだ到着せず。この日はサッカーワールドカップの日本代表初戦。気もそぞろな選手もいたでしょうか!? ▲入魂式で龍に瞳をいれます。無事に事故無くいいレースを。龍さん頼みます。


午前中に行われるのは、高石市内のチームのみで競われる「市内の部」。10チームがエントリーしており、5艇ずつのレースで予選を行い、1位のチームはそのまま決勝へ。残ったチームで敗者復活戦を2戦行い、そこでの1位のチームと2位のチームでタイムの良かった方が決勝へすすみます。
「市内の部」は距離250m。
スタートラインに5艇が並びますが、簡単に一列にはなりません。運営委員から、「1コースそのまま。2コース前へ。3コース、4コース後ろへ」といったアナウンスで、艇はえっちらおっちら前後します。ドラゴンボートという勇ましい名前とは裏腹なユーモラスな姿につい和みます。

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▲一列になるのも一苦労なのは「ドラゴンボートあるある」だそうです。 ▲敗者復活戦のデッドヒート。ドラゴンボートは大会で用意された5艇を共同で使用します。前のレースで使ったチームが降りて、次のチームが乗り換えてゆきます。

しかし、それも束の間。スタートの合図とともに豹変します。激しい水しぶきがあがり、龍は猛然と走り出す。遠く豆粒だったボートがみるみる大きくなります。太鼓のリズムに合わせて力強く漕ぐオール。海面を飛ぶように、疾く疾くゆく龍たち。目の前をあっという間に駆け抜けゴールラインへ飛び込んでいきます。
第1レース。市内の部・予選1を1位で通過したのは、高石市の自治会のチーム「七区北親会」チーム。タイムは1分20秒56でした。
第2レース、予選2は、「チームM」が勝利。タイムは1分18秒22。これは決勝戦も決まりではないかと思われるほどの、圧倒的な速さです。
参加チームは、自治会チームもあれば企業チームや市役所、郵便局のチームも。中には空手道場のチームもあり、なかなか多様です。沿岸にはチームの横断幕もかかり、応援団の姿もあります。

敗者復活戦から勝ち上がってきたのは、敗者復活戦1の1位「HATUDEN」(1分23秒45)、敗者復活戦2の1位「実戦空手 直司会館」(1分21秒84)と、2位抜けの「TMC」(1分22秒63)。
3チームとも初戦よりもタイムをあげていますが、初戦で抜けた2チームのタイムには及ばず、また1戦多いことが体力的に不利ではないかと思われます。果たして結果やいかに!?

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▲激戦です。 ▲1号艇が追いつくか!? 終盤の争い。

予選を勝ち抜いた5艇がスタートラインに揃いました。
スタート! 水しぶきが舞い、龍が速度をあげます。体がほぐれてきたのか、息があってきたのか、選ばれた猛者たちは前以上の速度でゴールへ飛び込みます。
勝利を手にしたのは、「実戦空手 直司会館」! 敗者復活からの見事な逆転勝利です。タイムは1分17秒70。2位の「七区北親会」も予選以上の1分18秒84を出しており、それを上回っての素晴らしい成績での勝利でした。

「実戦空手 直司会館」の方から勝利のコメントを頂きました。
「皆の力がひとつになって、日頃の押忍の精神が勝利に結びつきました。押忍!」
応援団の姿も印象に残り、まさに一丸となっての勝利でした。おめでとうございます!

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▲「市内の部」優勝の「実戦空手 直司会館」。見事な勝利です。


■世界選手権につながる大会を高石で
市内の部 決勝戦の後、フレンドシップレースとチャレンジレースが行われました。ここに登場したのが、マレーシアのチーム「ペナン パドラー クラブ」
なんと、現地に数多あるクラブからこの大会のために作られた選抜メンバーによるチームです。
選抜チームというだけあって、メンバーの恰幅の良さ、腕や胸板の太さ厚さも相当なもの。これは見るからに強い。
市内チームと共に出場したチャレンジレースでは、まさにぶっちぎりの強さを見せ、「ペナン パドラー クラブ」は1分06秒22という圧倒的なタイムをたたき出したのでした。

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▲「ペナン パドラー クラブ」迫力のパドリング。 ▲実行委員長の中山圭介さん。

海外からのチームも参加するこの大会。どんな経緯で誕生したのでしょうか? 実行委員長の中山圭介さんにお話を伺いました。
「もともとは高石の商工会議所で、何か出来ないだろうかと相談を受けたのがはじまりです。高石のイベントとしては、秋の商工フェスぐらいしか大きなイベントがなかった。そこで20年ほど前に、私が以前高石青年会議所に所属していた時に、浜寺水路でドラゴンボートの大会をしたことをお伝えすると、やろうとなったんです」
この大阪府立漕艇センターも、府の施設の運営見直しの対象で閉鎖の可能性もあったそうですが、施設もリニューアルし、新聞社の協力もあってドラゴンボート大会を開催することができました。
「最初は高石ドラゴンボート大会でしたが、名前を堺泉北港ドラゴンボート大会に改め4回目になります。アジア予選は相生市で行われていたのですが、高石市に譲ってもらいました。この浜寺水路は波の立たない静水で、しかも2㎞もの直線があるので500mのコースが取れるとあって、ドラゴンボート協会の人たちや選手にも喜ばれているんです」
この日の大会でも高石や大阪からだけでなく、全国からチームが集まってきていました。
「この大会は世界選手権の二次選考会を兼ねていますから、ここで好成績を収めると世界選手権への扉が開かれる、国際的な価値の高い大会に盛り上げていきたいんです」

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▲高石商工会議所主催ということで高石のお店の屋台も色々。「Cafe Feel」さん。 ▲お近くの堺市西区からおなじみ「ゆずからりん」。

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▲高石市のマスコット「てんにょん」のBigウェハース。

■世界選手権予選
午後からは、男女混合の部とオープンの部が行われました。コースの長さも市内の部の倍の500mです。
集ったチームの装備を見てびっくり。市内の部のチームもおそろいのTシャツを作っていましたが、世界選手権に挑むチームの中には、おそろいのウェットスーツや救命胴衣・パドルも全て自前でそろえるなどの徹底ぶりのチームも。

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▲大阪の「bp」はおそろいのウェアもカッコよく強そうです。

全国区ともなれば、チームもさらに多彩。大学のチームもあれば、女子オンリーのチームも。
驚かされたのはその唯一の女子チーム「チーム河童」。
男女混合の部の予選2で、他のチームを抑え1位(2分37秒55)で通過。予選1で1位通過の「関西龍舟シンバ」のタイム2分26秒44とは差がありますが、決勝でどうなるかわからないと期待したくなります。

オープンの部の予選ではすごいスコアが出ました。
予選2に登場した「bp」がたたき出したタイムはなんと2分08秒70。マレーシア選抜チームの「ペナン パドラー クラブ」も2分20秒78と、予選1の1位「関西龍舟KALBO」の2分26秒60より頭一つ抜けたタイムだったのに、更にその上。一体、決勝戦ではどんな戦いになるのでしょうか。

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▲ドラゴンボート歴5年の浅見さん。東京の「Torrid Storm」に所属し、世界選手権でハンガリーにいったことも。「他の競技に比べても完全に団体競技なのがドラゴンボートの魅力。特に男女混合が面白い」

決勝戦はやはりデッドヒート。
男女混合の部は、「関西龍舟シンバ」と「Torrid Strom」の大阪・東京対決。これは2分11秒77と2分11秒99のわずか0.22秒差で「関西龍舟シンバ」の勝利。
そしてオープンの部では、「bp」が予選を超える2分06秒17というタイムで圧勝したのでした。

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▲男女混合決勝に勝利した「関西龍舟シンバ」のウィニングラン。

この2部門の決勝でレースは終わりません。総合決勝というレースが行われました。これには、シニアチーム、女子チーム、B登録のオープンチームと男女混合チームが同じく戦う、一種のエキシビジョンマッチでした。他の大会ではまず行われないとのことで、高石大会は最後までドラゴンボートを楽しもうとしている表れなのでしょう。
これに勝利したのが「ペナン パドラー クラブ」。ウィニングランも賑やかでした。

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▲総合決勝で勝利した「ペナン パドラー クラブ」の面々とハイタッチ。

初観戦でドラゴンボートの迫力にすっかり驚かされた筆者ですが、もうひとつ驚いたのが選手たちのスポーツマンシップでした。
レースを終え上陸するときに、敗れたチームが先に降りて、勝ったチームが上陸するのを列を組んで待ち、健闘を讃えるシーンが何度も見られました。敗者の笑顔も晴れやかで、ハイタッチをしたり握手を求めたり、言葉を送ったりしていました。
マレーシアのチームも同じようで、日本のチーム以上に戦いに向かう敵チームを拍手で送り、敗れた時も勝者を讃えていました。
地元の市民、アジア、世界の人々と共に楽しみたいスポーツでした。


高石商工会議所

日本ドラゴンボート協会







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