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雑記帖 No.058

「堺」を育てるのは私たち

まちづくり活動交流会

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▲「楽畑」の石川育子さん。

花壇で花を育てるような身近さで「まちづくり」に関わってみませんか?

堺には市民が主導する様々なグループがあります。その中で同じ行政の支援を受けたことが縁で結ばれたグループの『まちづくり活動交流会』におじゃましました。

この日集まったのは助成を受けている7団体と、助成からの卒業生が1団体でした。いずれも個性的なアプローチでまちづくりに関わっています。どんな活動をしているのかご紹介しましょう。

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▲堺東の会議室に集まりました。


■わたしたちの町の魅力をディスカバリー

歴史ある町・堺。その魅力や価値はまだまだ掘り起こせそう。まずは、そんなことに気づかせてくれるグループから。


●町並みの風情を今に......「九間町大道有志の会」

旧市街地のシンボル的な通りの一つに『大道筋』があります。路面電車が通る『ちん電通り』などの愛称で親しまれる通りです。
住吉大社から堺の宿院頓宮への神様のお渡りを、大道筋に提灯を掲げお迎えする活動をされているのが「九間町大道有志の会」です。

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▲九間町界隈の歴史的景観。この地区は戦災を免れたため貴重な町屋などが少なくない。 ▲活動を報告する福井隆一郎さん。趣きのある建物も減り、住人の協力も得にくい現状も報告されました。

今年度は新たに14個の提灯を作り、通りの西側でも提灯を掲げることが出来るようになったのだとか。
「提灯もナイロン製ではなく、紙製の提灯ですから、やはり風情が違います」
九間町界隈には古い町屋が面影をとどめています。
低い瓦屋根、木の格子、軒先に掲げられた提灯に灯る炎が揺らめき淡い光りに浮かぶお渡り。
神韻ある風景は古い町だからこそ。

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▲お渡りが向かう宿院頓宮。神社とも活動の連携をめざし、提灯にもっと出番を! ▲大道筋のマルシェでは綾之町~神明町まで40店舗以上が出店しました。

また町を盛り上げるため、11月16日から17日にかけては、大道筋では「ちん電フェスティバル」が開催されます。マルシェでは、堺ではじめて道路上での出店が許可されたとのこと。賑わいが楽しみです。(※この後、マルシェは多くの賑わいを集めて大成功でした)


●堺幕府に注目......「堺・ちくちく会」

南旅篭町から北旅籠町まで南北の堺旧市は、今の堺の基(もとい)です。ここに戦国時代の真っ盛りに『堺幕府』があったという驚きの事実が最近注目されています。
「堺・ちくちく会」は、堺の歴史的建造物である南宗寺の景観を守り育て、『堺幕府』やそれを支えた戦国武将三好一族にスポットライトをあてる活動で、じっくり(ちくちく)堺を育てようという会です。

武者行列では、堺まつりの大パレードだけでなく、三好一族と縁深い徳島県三好市や大阪の高槻市でも勇姿を披露してきました。

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▲畠中春美さん(左)と竹内魁成さん。映画『利休にたずねよ』とコラボしたポスターも南海線全駅に掲示。 ▲堺の名刹・南宗寺を全国区に!

「堺を全国区の観光都市にするだけでなく、国際化も図ります」
堺市には英語など外国語での観光案内は不足しています。外国人のお客様をお迎えするために、パンフレットや案内の充実といった取り組みも行うとのこと。


●堺の歴史資料を掘り起やこす......「堺たんけんクラブ」

「大和川かんさつ遊ぼう会」「ニサンザイ古墳の見学・講演会」など、子どもたちや町の人との地域学習を通じて堺の魅力を掘り起こしてきた『堺たんけんクラブ』。
つーる・ど・堺でもその活動を紹介してきました。

好評を得ている資料集『歴史たんけん堺』に続き、『東浅香山の昔たんけん』を刊行しました。資料づくりと現地での見学会の両輪、頭と体の両方で堺の魅力を感じることが出来ますね。

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▲小松清生さん。予定より少々遅れましたが『東浅香山の昔たんけん』が完成。 ▲子どもたちと大和川での川遊びイベントも。(写真は『大和川の日 市民のつどい』のもの)

戦災で多くを失った堺では、「堺平和のための戦争展」といった平和学習への取り組みも注目です。堺区戎之町の念勝寺で発見された『戦災防備録』などの史料調査もこれから行われるとのこと。貴重な調査になるのではないでしょうか。

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▲史料調査に加わる桃山大学の島田克彦さん。専門は日本の近現代史。 ▲ニサンザイ古墳の講演・見学会で、古墳をバックに。


■堺の緑を豊かに活用

近年は工業都市・ベッドタウンとして発達した堺だからこそ、自然環境を充実させる取り組みは注目です。

●里山の再生と活用......「畑まちづくり推進委員会」

南区の畑地区で活動する『畑まちづくり推進委員会』は里山の保全活動を行っています。
計画的に竹間伐を行い、伐採された竹は樹木粉砕機でチップにして堆肥にしています。
樹木粉砕機など大がかりな機械があるのは、メンバーに農家の方が多いため。
竹林から獲れるタケノコや、休耕田を利用した農作物を販売するなど現金収入を得る手段が確立しているのは、組織化が順調な証でしょうか。

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▲畑地区の旧村と外部のパイプ役として活躍する槇静一さん。 ▲「ぼうけん山あそび」「しめ縄作り」など子供から大人まで楽しめるイベントもやっています。


●彩り豊かな公園に......「いろいろいろの公園をめざす会」

「『花と緑のまちなみコンクール』で奨励賞を頂きました」と報告したのは『いろいろいろの公園をめざす会』。
公園の緑化に取り組んでいるだけでなく、挿し芽・挿し木の出前講習会や押し花教室など多くの人が参加できるイベントも開催しています。
「イベントをすると少しずつですが人が増えていきますね」

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▲増村光子さん。オリジナルカレンダーや種の販売などでで地道に活動資金を集めています。 ▲駅前での活動風景。こうした活動で街に緑が増えていきます。

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▲公園に色々な綺麗な花が。


■生活×環境×歴史をつなぐ

歴史と自然はどちらも堺にとっては貴重。この二つを有機的な結びつきに注目して活動されているのが、次に紹介するグループです。

●いにしえの池は花と緑に包まれて......「守屋池を愛する会」

向ヶ丘にある『守屋池』は、厩戸皇子と戦った物部守屋にちなむ歴史ある池。人工のため池ではなく自然の池が拡張され一時は津久野の田んぼへと水を引いていました。閉鎖系となった現在も守屋池周辺の樹木は数多く、『いろいろいろの公園をめざす会』や他の団体からも驚きの声があがりました。

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▲用意したスライドで活動を報告。 ▲守屋池の清掃だけでなく、小学生の環境教育として植物や動物の観察を行っています。


●残された田園風景を守る......「伝統野菜プロジェクト 楽畑」

慶長年間にこの地にやってきた兒山家と周辺の田畑は、堺ではほぼ唯一残された歴史的な田園風景。数百年の歴史的建築物と風景そのものを今に生かし、後世に残す活動をされているのが『楽畑』です。

この土地に根ざした伝統野菜の生産と販売から生まれたのが8種類の『なにわの伝統野菜飴』(手作り工房・『堺あるへい堂』)です。野菜の絞り汁から作った飴は、無農薬で安心ですし、何よりも素朴な味が美味しい!

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▲活動を報告する河上良明さん。 ▲『なにわの伝統野菜飴』8種類の中から「天王寺かぶら」。

『楽畑』では、古民家と畑という資源を生かし、『摘み菜ウォッチング』や『夏野菜の収穫と浴衣あそび』など、エコグループや若者サークルとの共催イベントも積極的に開催しています。


■未来への提言
各グループの活動報告の後、グループ間での交流やアドバイザーからの提言がありました。

アドバイザーの正木さんは、「それぞれの団体で方向性が絞られ個性がはっきししてきた。自立化への道を進んでいる」と評価。

自立化した団体としては、過去の支援事業から卒業した兒山家の『ナヤ・ミュージアム』も交流会に参加していました。

『ナヤ・ミュージアム』では、見学会や古い農具といった貴重な文化財の貸与などを、近隣の小学校と協力して行っていました。しかし、熱心な先生が異動になると途端に活動が停滞するといった問題が発生したそうです。

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▲まちづくりアドバイザーの正木啓子さん。 ▲卒業生の「ナヤミュージアム」松尾亨子さん。

こうした問題は決して特殊な事例ではありません。
「複数の先生が関わるなど学校側での体制作りが必要ですし、グループでも活動をPTAに発信していくことが必要ですね」
と、アドバイザーの上甫木さんからの提言。上甫木さんからは各団体ごとに細かなアドバイスも。

「地道な活動と楽しい活動の二本柱でいきましょう」
アドバイザーの田中さんは、子どもたちの想像をかき立てるエコツーリズムや、農業の「生産・加工・販売」全ての過程を合同会社で行う福井の『夢工場』などの事例を紹介されました。

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▲まちづくりアドバイザーの上甫木昭春さん。 ▲まちづくりアドバイザーの田中晃代さん。


活発な質疑応答もあり熱のこもった交流会はあっという間に終了。
堺にこんなに個性ある活動をしているグループが数多くあることが、まず驚きでした。行政からの支援制度の終了は決まっているのは残念ですが、市民と行政が二人三脚で育てた活動が、様々な分野で市民生活に還元されていくのは素晴らしいことです。

今後もこうしたグループの活動が継続し発展しいって欲しいものです。


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▲質疑応答の活発に。 ▲「堺・ちくちく会」のイベントに「九間町大道有志の会」の提灯が使用されることに。

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