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雑記帖 No.057

『ゆめ・チャレ』のチャレンジ

山之口商店街

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▲和菓子づくりにチャレンジ。

閑静な商店街が今日は賑やかです。山之口商店街の奥野晴明堂ホールには、多くの小学生たちと、お揃いの藍色の作務衣を羽織った若者たちの姿がありました。

子供たちの中には、コックコートを着て小さなコックさんに変身した姿も。そう、子供たちは、大阪府立堺工科高等学校 定時制が主催する『ゆめ・チャレ(子ども仕事体験)』に今から参加するのです。
この『ゆめ・チャレ』が普通の仕事体験と一味違うのは、ひとつには町で実際に仕事をされている方が先生となり、時には職場となる本物のお店で仕事が体験できるということです。

かくいう筆者も、実は「記者体験」の先生役を引き受けています。参加したのは、一年生、五年生、六年生の三人の小学生記者たち。まずは、小学生記者の取材に同行するとしましょう。

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▲山之口商店街にある『奥野晴明堂ホール』がメイン会場です。 ▲『ゆめ・チャレ』がスタート。希望の職業体験に挑みます。(撮影:藤本)


■パン屋からギャラリーまで
小学生記者が向かったのは、商店街のパン屋さん『ベーカリーマルミ』。こちらでも『ゆめ・チャレ』の小学生たちがパン作り体験をしています。忙しい中、『ベーカリーマルミ』の春木さんが、小学生記者の取材に応じてくれました。
「普通は見られないから絶対写真を撮って」と春木さんがいう生地をこねる機械を撮影したり、ポルトガルのパンの秘密を聞いたり、あらかじめ考えておいた質問も投げかけてみます。

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▲左から石川さん、森さん、下門さんの三人の記者。編集会議で決めた取材先は『パン屋さん』。質問を考えてから取材に挑みました。(撮影:藤本) ▲春木さんのパンに対する解説を熱心に取材。考えていた質問に丁寧に答えてくれました。(撮影:藤本)

パン屋さんで取材を終えた一行は、「町や人の写真を撮りたい」と、撮影対象・取材対象を探しながら商店街を歩くことに。
途中で開口神社に寄り、境内を散策。泉陽高校発祥の地や第一幼稚園発祥の地といった記念碑を発見したり、ハトの大群に驚いたり。

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▲山之口商店街にある『奥野晴明堂ホール』がメイン会場です。 ▲『ギャラリーいろはに』さんにあった防空壕。堺の歴史にも触れました。(撮影:藤本)

さらに商店街を進むと、『ギャラリーいろはに』さんが丁度開店準備をされていました。ガラス越しに見た、ギャラリー内の絵に引き付けられた小学生記者たち。オーナーの北野さんは、突然の訪問も快く受け入れてくださり、記者たちを招いてくれます。

そして、絵の前に見せてくれたのは、ギャラリーの床に入口のある防空壕でした。
終戦目前の1945年7月10日の堺大空襲で、山之口商店街一帯を含めて堺は焼野原になりました。
「コンクリート造りのお家以外は全部燃えたんですって」
と、北野さんは、ギャラリーにあった山之口商店街の戦前の地図・大正時代の地図などを見せてくれました。

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▲戦火に焼かれる前の地図。山之口商店街の過去の様子は果たして......。

もちろん、絵画のことも。
「アメリカのバークレー市という堺の姉妹都市と交流があって、今やっている展覧会ではアメリカの作家さんの作品などが展示されています」
飾られている絵画の中には、アメリカの作家が日本人の夫婦を描き日本に送られてきたものもあり、絆のつながりを感じさせます。
「ギャラリーは誰でも無料で見られますからね。作品を買えなんていいませんし、子供のころからアートに触れると感性が豊かになるといいますから、いつでもいらっしゃい」

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▲記事づくりにもチャレンジ。

商店街での取材を終えた一行は、奥野晴明堂ホールに戻り取材した記録をまとめます。その結果は、この記事の最後に掲載しますのでご覧ください。


■盛りだくさんの職業体験
では、晴明堂ホールで実施された職業体験を見ていきましょう。

●包丁作り体験 味岡刃物製作所
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▲堺といえば刃物。包丁作りにチャレンジします。真剣な表情で刃を研いでいきます。

●お香作り体験/匂い袋作り体験 奥野晴明堂/
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▲お香も堺の伝統産業のひとつ。練ったお香を型抜きしています。 ▲好きな香りのブレンドに調整! 香料をしゃかしゃか振って匂い袋作り


●和菓子体験 丸市菓子舗
千利休など茶道と縁の深い堺には、お茶屋さんと和菓子屋さんが沢山あります。

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▲先生のお手本を見て上手に作れるでしょうか? ▲完成品はこちら。『ゆめストア』で販売されていました。

●和食屋体験 銀次郎
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▲ぐるぐる回しているものは何? ふんわりいい匂い。これは、ゴマプリンを作っているところでした。ずっとかき回すのは大変ですね。手を休めず交代で続けます。


ホールを飛び出して、商店街のお店などでも職業体験は行われていました。

●ジュエリー製作体験 萬字堂
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▲皆集中してアクセサリー作りに挑んでいます。 ▲こちらが参加者の作った作品。なかなかの出来栄えです。

●ハンコ作り体験 鳳文堂印舗
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▲消しゴムはんこ作りにチャレンジ。「子どもたちに教えるのは楽しいですね」 ▲「彫刻刀で彫るのが楽しかった」そうですが、出来たハンコをどんどん押すのもいいですね。


●お花屋さん体験 木ぎ利
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▲小学一年生の石川さん。今回はじめて応募があたり、参加できて喜んでいるそうです。 ▲子どもたちの集中力がすごく、予定よりも短時間で体験が終わってしまい先生も驚かれていました。

飲食店では調理だけでなく、店員さんとして給仕や販売なども体験できました。プロならではのコツまで伝授されたりして、本格的な体験です。

●たこ焼き屋さん体験 やっぽ
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▲綺麗に生地をまわせるよう頑張ります。たこ焼き作りと販売も体験。 ▲たこ焼きは『ゆめストア』でも販売。

●ジュース作り体験 紙cafe
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▲液体の比重の違いを利用してカクテルジュース作り。店主、手加減抜きの本気の指導です。 ▲出来たジュースを慎重にお客様役のお母さんの前に運びます。「背の高いグラスを運ぶ時は(グラスの足を)親指でお盆に押さえる」なるほど! それで落としたりしないんですね。

●寿司屋さん体験 弥助
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▲弥助さんで使われている個室カウンターで調理体験! あなごの押し寿司と巻き寿司を、プロの職人さんが手取り教えてくれます。 ▲完成! 出来たお寿司をお母さんと一緒に試食します。


■ユーメでショッピング
職業体験を終えた小学生たちには、先生から終了証が渡されます。
誇らしげな顔、緊張から解放されてほっとした顔、いい経験になったことでしょう。
そして、同時にお給料として疑似通貨『ユーメ』が支払われます。

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▲『ゆめストアー』には職業体験を終えた子どもたちがお買い物にやってきます。 ▲『ゆめ・チャレ』で作られた『ごまプリン』や『たこ焼き』etc、色んな商品が並んでいます。

この『ユーメ』でショッピングも出来るのです。奥野晴明堂ホールの隣の『ゆめストアー』では、協賛するお店や会社から提供された商品や職業体験で作られた品々もならんでいます。さらにこの『ゆめストアー』での店員や銀行も、小学生による職業体験なのです。
『北花田阪急』さん、『紀陽銀行』さんのスタッフを先生に、接客にも挑戦です。

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▲『ゆめストアー』の店員さん。先生からも「とても真面目で集中していました」と高評価。 ▲銀行もある本格派。

山之口商店街には、疑似とはいいながらも本物さながらに経済活動もある、子供たちによる小さな商店街が生まれたかのようでした。
この斬新な『ゆめ・チャレ』には、実際の店舗やお店の人が関わっているというだけではなく、もうひとつ他にはない特徴があるのでした。それは紺色のハッピを来た若者たち。この『ゆめ・チャレ』という企画を陰に日向に支えているのは、大阪府立堺工科高校 定時制の生徒さんと先生たちだということです。


■もうひとつの「ゆめ・チャレ」 堺工科高校 定時制のチャレンジ
『ゆめ・チャレ』で中心になっている堺工科高校の保田先生にお話を伺いました。
そもそも堺工科高校 定時制が、なぜ『ゆめ・チャレ』を行うことになったのでしょうか?
「もともとは生徒たちの職業訓練の一環として考えました。教えられる立場だけでなく、(子供たちを)教える立場になることで、仕事に対する知識も高まると考えたのです」
確かに生徒さんたちは、スタッフとして生き生きと熱心に活動しているようでした。

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▲「やっさん」と生徒たちに親しげに呼ばれていた保田先生。気さくなお人柄のようですね。 ▲ ハッピの胸に輝く定時制のエンブレムには堺名物の線香と包丁があしらわれています。このデザインは保田さんの手によるものだそうです。モデルは北尾さん。

生徒さんの声を聞いてみましょう。
「子供がめっちゃ可愛い!」
という安野さん。お花屋さん体験やハンコ作り体験にスタッフとして参加していました。ジュース作り体験でも、丁寧に手の洗い方を教えているのが印象的でした。

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▲子ども達に接する安野さん。スタッフは先生たちの指示待ちではなく、自主的な判断でサポートする姿が目につきました。

記者体験でスタッフとして同行し、さりげなくサポートしてくれた北尾さんは31才で働きながら定時制で学ばれています。
「子供の時に、こういう体験をしておくことは、意義のあることだと思います」

スタッフの皆さんの頑張りもあってか、『ゆめ・チャレ』は非常に好評を博しているそうです。昨年行った第一回でも定員が70名ほどの所に応募が130人もあり、第二回では定員を120名に増やしたのですが応募は240人を超えたとか。

職業体験を受け入れたいというお店や会社も多く、第三回の『ゆめ・チャレ』はさらに発展を遂げそうですね。

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▲あまりの人気に、嬉しい悲鳴......保田先生は、実務面では実際に困っているのだといいます。
「僕らは本業じゃありませんから、なかなか行き届かない。電話での受付や管理をどこか引き受けてくれるところがあると助かるのですが」

(撮影協力:大阪府立 堺工科高等学校 定時制の課程 藤本 有二)


■記者体験の作品発表

★石川記者
「堺新聞」

パン屋さん(マルミベーカリー)ではお客様が来たら、いつ食べるかによって、どれがおすすめか決めるそうです。パン屋さんではポルトガルパンというパンを作っていて、このパンはポルトガルで実際に食べられているそうです。ぜひ食べてみたいです。

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▲これはパンのきじを作っている写真です。

ほかには開口神社という神社に行きました。この神社は約1700年前に作られました(神功皇后によって)。ここではハトのエサが50円で売っています。とてもハトが多いです。

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最後にいろはにという絵を売っているところへ行きました。堺とバークレイというアメリカの町の交流で、日本人の絵画とアメリカ人の絵画の書いた絵を交流し合っていました。とてもいい体験になりました。


★下門記者
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▲合格祈願の絵馬が沢山ありました。ハトのエサは50円で売っていました。

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★森記者

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comments
はじめてかめらをつかえて
つかいかたをおそわったらしょうてんがいにはこんなにしゃしんをとるばしょがあるんだなとおもいながらいっぱいしゃしんがとれた。あった人もやさしかった。

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