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雑記帖 No.006

Am.S.OCULOS ~アムズオクロス~

メガネは“矯正器具”?

【七道特集・ものづくり編】

安価で量産型の眼鏡ストアが横行するなか、ここ堺区車ノ町にあるAm.S.OCULOS(アムズオクロス)は一味も二味も違う、こだわりの眼鏡屋さん。
こういった眼鏡の売り方(捉え方?)をしているお店は、堺では間違いなくここだけです。


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フランスの眼鏡屋をイメージした看板。可愛いなかにもクールな印象。

さて、私事で恐縮なのですが...。
ここ、Am.S.OCULOSで新調した眼鏡が壊れてしまい、今回レンズを作り直してもらうことにした大道筋あやの。
5年半ぶりに扉をあけます。


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右側レンズが破壊された哀れな私の愛用眼鏡。これが無くては明日も見えない...。

当時から並々ならぬこだわりが感じられたお店。
せっかくなので詳しくお話を聞かせて頂きました。

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いつも心地よく接してくれるのは、ダンディーな店主・北原昌弘さん。
「昔は眼鏡ってマイナーなイメージで、眼鏡をかけるだけで暗いイメージがありましたよね。自分は眼が悪いから...と卑屈になって、さらに気分も暗くなる。でも、最近は眼鏡もお洒落なアイテムのひとつになりましたし、こだわりのデザインのものがたくさん出回っています。」
そういえば、店内に並ぶ眼鏡は確かに素敵なものばかり。


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美しく並ぶ眼鏡たち。それぞれが個性たっぷりで、つい見惚れてしまいます。

「13年前、店を構える際にまず意識したのは、眼鏡のイメージを変えること。海外で発表された、お洒落でファッション的要素の高いものを揃えたんです。ちょうどその頃は眼鏡がアパレル業界でもお洒落なアイテムのひとつとして確立されてきた時代でしたし、他店との違いを出すためにもと。」
内装もブティックや雑貨屋さんをイメージして、入りやすい空気に。「いかにも眼鏡屋、は嫌だった」とか。


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優しいピンクを主体にした柔らかな印象の外観は、ちょっと目を引きますよね。

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「近眼や乱視は決して"眼が悪い"わけではありません。病気ではないんです。」
あら、そうなんだ...。昔から極度の近視である私。なんだかほっとする言葉をくれました。
いつもお客さんに対し、親身な対応をされていることが伝わってきます。

もともと大手企業で眼鏡を専門に取り扱ってきた北原さんは、仕事柄、眼科からの依頼で患者さんの処方箋を手に取ることが多くありました。『顔も知らない、おそらく会うこともないであろう患者さんの処方に、自分も携わっている』ことに、大きな責任を感じた北原さん。眼の治療とは一体なんなのか。どんな治療方法がこの患者にはベストなのか、と"会うこともない"患者さんの身になって、必死に勉強したそうです。
「眼科医師というのは、執刀医のことを指す場合が多いんです。でも、自分の体にキズを付けたくはないじゃないですか。誰もが人間の持つ、自然な力で治したい」
ただ、一度落ちてしまった視力は、自然治癒では限界がある。
「だから、視力はもとに戻らなくても、せめて現状維持。第一にこれを目指したんです。」
薬や手術に頼らず、"矯正器具"として眼鏡を位置づけること。これがAm.S.OCULOS北原さんの、眼鏡作りの基本理念。
「僕は医師免許を持っていないけれど、そんな自分が眼の治療にどれだけ力を貸せるのかを考えたときに、自分の持つ、レンズ研磨技術を役立ててみては、と閃いたんです。」

年を重ねるにつれ、「人のためになることをしたい」という想いが日に日に強くなってきた北原さん。進むべき道はこれしかないと、眼鏡専門店をオープンすることを決意。
「東京や北海道など、同じ理念を貫き、ずっと以前からお店を構えている方々がいて...本当に色々と教えてもらいました。そんな出逢いがなければ、この店は出来ていなかったでしょうね。」

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写真はちょっと...という北原さん。これくらいは、許してくれるかな?

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では、ここで"眼鏡は矯正器具"とは如何なる意味かを説明してもらいましょう。

「例えば、右と左で視力が極端に違う人がいるとします。合わない眼鏡やコンタクトレンズで一日過ごしていると、よく見える方の目でしか物を見なくなる。そうなると更に、悪い方の眼の視力が落ちる。悪循環なんです。」
なんでも、眼は使わないと退化してしまい、どんどん視力が落ちてしまうんだそうです。
「量産型の眼鏡店ではたいてい、機械のみで視力を測ります。これは他覚的検査といって、コンピュータがだいたいの視力数値を出してくれます。もちろん大事な検査ですが、あくまで参考程度。完全ではないんですね。」
北原さんは更に、自覚的検査、つまり、検査する本人と共に確認しながら測っていく方法を取っています。その種類はとても多く、「え?まだあるの?」と少し驚いてしまうかも。しかしこの自覚的検査こそ、眼鏡作りにとって一番大切な要素。

自分にぴったりの視力でものを見ることで、眼に負担がかからず、それ以上視力が進むことがほぼ無くなる。つまり、その眼鏡を掛け続けていれば、今以上に視力は進みにくい。だから"眼鏡は矯正器具"ということなのですね。


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これが自覚的検査器。オープン以来、連れ添ってきた相棒です。

「コンタクトレンズは非常に眼の負担が大きい。あまりお勧めできない」とも。
「どうしても眼に直接異物が入るわけですし、眼の呼吸の妨げになる。近眼・乱視は病気ではないけれど、それこそ雑菌が入って病気になる可能性も高い。眼鏡は医学的にコンタクトレンズよりも矯正値ははるかに高いんです。光学理論上でも立証されているこの事実は、ほとんどの人が知りません。」

各眼鏡店に、専門的な知識を持つスタッフを置き、ひとりひとり丁寧に検査するとなるとお金も時間もかかります。安価な眼鏡を、スピーディな対応で求めている現代人にすれば、北原さんのやり方はもどかしく感じるかもしれません。でも...
「うちは確かに安くはない。視力が落ちている方は特に入念な検査が必要。だから時間もかかります。しかし長い目で見て欲しいんです。視力に合わないものを長く使っているとさらに視力は落ちます。コンタクトレンズは楽かもしれませんが、眼に相当な負担がかかる。自分にぴったりの眼鏡なら、少なくとも今以上、極端に視力が落ちることはありません。」
ひとりひとりの視力に合うよう、レンズの微調整を行うのが、北原さんのもうひとつのお仕事。今まで培ってきたガラス研磨技術を駆使し、まさにオンリーワンの眼鏡を完成させます。

Am.S.Oclosではかかりつけのお医者さんのように、顧客カルテを保存しています。
「長年ご愛用して頂いている方も多くいらっしゃいます。経営は難しいけど、お客さんの眼のために、絶対に潰れるわけにはいかないですね。」

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もちろんアクセサリーとして気軽に買い求める人も多いとのこと。
「アパレル関係の方や美容師さんは、自分を見せることを熟知していらっしゃるので、刺激になります。例えば"このフレームに薄い黄色のレンズを合わせたい"と。一瞬驚くのですが、出来上がれば眼鏡にもご本人にも見事にフィットしているんです。お見事としか言いようが無いですね。」
レンズの色の種類も、今は格段に増えているのですって。

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店名のAmsはアミューズメント(娯楽)の略、OCULOSはオランダ語で「眼鏡」の意。
眼鏡を娯楽という視点で自由に楽しんでほしい...そんな想いの詰まった店、Am.S.Oclos(アムズ オクロス)。整然と並べられた美しい眼鏡たちのなかから、自分だけの眼鏡、手に取ってみませんか?


Am.S.OCULOS(アムズオクロス)
〒590-0943
堺市堺区車ノ町東2-1-1-101
TEL・FAX 072-228-6188
OPEN/CLOSE 10:00~20:00
定休日  木曜日

Am.S.OCULOS(アムズオクロス)豊中店
〒560-0053
大阪府豊中市向丘2丁目10-10-101
TEL  06-6841-6188
OPEN/CLOSE 10:00~20:00
定休日  木曜日

 

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