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颯爽人 No.006

ツバキ庵 モリタマミさん

―――キレイの秘訣―――

着物を着たい! 無性に着たい! そんな時ってありませんか?
そうはいっても着物って、なんだか大げさじゃない?いえいえ、そんなことはないんです。
今回は、"特別なもの"と思われがちな着物を、一気に身近にしてくれるカリスマ着付け師、ツバキ庵 モリタマミさんにお話をお聞きしました。

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立ち姿もスラリと素敵なモリタマミさん。ご自宅兼教室のお庭には、"ツバキ庵"の由来となった椿がちょうど満開。


モリタさんはここ、堺区綾之町に来られて7年ほどだそう。着物にはずっと以前から興味があったのでしょうか?
「実は目覚めたのは堺に引っ越してからなんです」
モリタさんの完璧ともいえる着こなしからすれば、これは意外な事実。

モリタマミさんの最大の魅力は、目の覚めるようなセンス溢れる着こなし、そしてキレイに見せる着付け、この二点に尽きるかもしれません。
「自分の体型はこうだから、きっと着物は似合わないと思い込んでいる方も多いと思うんです。またはせっかく着物を着る機会があっても、体型のこと、着こなしのことを指摘されて気分が落ち込んだり。そうならないためには、どうすればいいのかを考えたんです」

様々なご縁、そしてタイミングが重なり、2006年に自宅を開放した着付け教室、ツバキ庵を開校。

着物着付けの駆け込み寺ともいわれるツバキ庵。初心者から、既に他所での着付け教室を卒業した方々が生徒として遠方から足を運びます。

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「着物ってある意味コスプレだと思うんですよね。非日常を纏うというか。いつもと違う自分になれるって、気分が良いじゃないですか。さらにきれいな着こなしが出来ていると、色んな方に褒められる。これって大事なことだと思うんです」
女性って褒められるとさらに頑張ろうという気分になりますものね。

さらに自分の頑張った姿を即、見てもらえる。それも着物の魅力とも。
「例えばお花や器のお教室に通っていて、展覧会で自分の作品を友人に見せるというのも楽しいとは思うのですが、着物は外に一歩出るだけで見てもらえる」
自分自身の着こなしを、行く先々で見てもらう。大げさにいえば、道ですれ違うすべての人に。
それでは益々"見られている意識"が高くなければいけません。
「その"見られている意識"が大事なんです。着物を着ていると特に年配の方の視線を感じるのですが、『あら、素敵に着ているわね』『こんな合わせ方もあるのね』と声をかけて下さる。着物を知っている人から褒めてもらえると余計に嬉しいですし、なにより知らない方との会話が生まれる。洋服だと声を掛けてくれるなんてこと、まずないじゃないですか。これも着物を着てよかったなって思う瞬間ですね」

年代を超えても、着物は共通のおしゃれアイテムなのですね。

「最近は素敵なアンティーク着物を着た、若い方も多くなってきましたよね。自分もそんな提案をしている雑誌などで着物に目覚めたくらいです。でも、せっかく素敵な柄行(がらゆき)、素敵な合わせ方なのに『ここをもっとこうすればすっきり着れるのに』『もう少し襟を抜けばもっと素敵なのに』など、少し残念に感じることも。やはりしっかりと基本を身につけてほしいという思いが強くありますね」
さすが目のつけ所が違う。気軽に着て欲しいからこそ、基本的な着付けをマスターすることが第一なのですね。納得です。

ところで、今日のお召し物も素敵なのですが、その襟はもしかして...
「そう、これ、チロリアンテープなんです」
ブログでもよくチロリアンテープを差し色にお使いになっていますが、こんな幅広のものもあるんですね。
襟の輪郭に赤が強調されて、優しい中にもシャープな印象がプラスされています。

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「いつも着物のことばかり考えていると、洋服屋さんや雑貨屋さんに行ってもつい着物に合うかなという基準で選んでしまうんですよ。この指輪は帯留めにぴったりだと思って購入したんです」
まあ可愛い! なるほど、周りにあるものを常に『着物に合うか』と見ることで、自然と感覚が養われていくわけですね。
「その通り。これだと洋服とも併用出来るし、便利に使えるんです」

では、今まで洋服で使っていた小物類も使えるということですか?

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モリタさんお気に入りの小物たち。流行のチロリアンテープから靴紐まで、なんでも着物に合わせてしまう発想には脱帽。

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「そうなんです。わざわざ新しい小物を購入しなくても、クローゼットに眠っているものを引っ張り出していくらでも活躍させてあげられるんです。...着物って、洋服よりもずっと幅広い着こなしが出来ると思うんですよね」
洋服よりも?それはどうして?
「洋服はどうしても上と下、分かれていてそれぞれに完成された形じゃないですか。大きなデザインセーターに大柄のフレアスカートなんて有り得ないけど、着物なら柄物と柄物の組み合わせが出来る。普段なら着ないような色合わせも着物でなら出来たりするんです。そこも着物の面白さですね」

モリタさんはもともと、デザインの専門的な知識をお持ちだったのでしょうか?
「以前はアパレルメーカーでデザインをするお仕事をしていました」
ああやはり。只者ではないこの組み合わせは、その経験からくるものだったのですね。

「着物の組み合わせもテキスタイルのそれと同じなんです」

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ブログからのピックアップ。力みすぎないコーデがたまらなく可愛い! 敢えて靴下ってところがまた...

「着物って一枚の大きな布なので、タイトなロングワンピースだと思えばいいんです。帯ひとつで印象が変わる、便利なワンピースなんだと」
だから...と続けるモリタさん。
「ちょっとした食事などは、柄行が古典のものより敢えてストライプやチェック柄などシンプルなものを組み合わせるんです。そうすれば、『わざわざ着物で来たのね』っていう空気にならない。洋服と同じような柄だと『そういえば今日は着物なのね』と。相手の負担にならない印象にすることで、着物へのハードルを下げることが出来るんです。実際、そんな合わせ方をすると『これなら自分も着てみたい』と言ってもらえる。"よっしゃ! "と思いますね(笑)」

モリタさんはいつもキレイに着付けておられるから、どんな着こなしでも説得力がありますよね。
「私は着物を着る人間からいえば順番的には逆なんです。フォーマルの知識が無い状態で、自分が楽しむためだけに着はじめたから。着物って知識から入ってしまうとあれもだめ、これもだめ、と駄目なことばかり教えてもらうことになりがち。もちろん、正式な場での知識は必要です。でも、普段着物ならそこまで堅苦しいことを考えなくてもいい。なにより、キレイに着付けてさえいれば、むしろ褒めて頂けたりするんです」
だからキレイに着付けるということが一番大事なのだと、モリタさんは繰り返します。

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2011年7月に繭堂夢璽奈アカリ珈琲とのコラボ、"浴衣でJazz Live"という着物イベントを企画、さらに2011年12月には大阪の堂島ホテルで『キモノホリック』を開催。それぞれ100人以上もの方が参加され、なんて影響力のあるひとなんだと驚いたものです。

「なんだか、そこに居ると着物でないと逆に浮くっていう空気だったでしょ?着物好きなひとって、着られる場が欲しいはずなんです。そんな方々のために、ますます機会を作っていきたいと思っています」
個性ある着こなしが許される場、というのは実はとても貴重なのですね。


着物が好き、着物が着たい...。そんな、静かな欲望を持っている人はきっと多いはず。
そんな人たちの背中を、気軽にポンッと押してくれるモリタマミさん。
明るい、その素敵な笑顔で。

着物を着ると『見られる』ことが念頭にきます。着こなしに気を遣い、自然と背筋が伸びる。日本女性の持つ、大切な感覚や意識を呼び覚まし、育てることができる。
着物はまさに、キレイの秘訣。これほどお得なアイテムは、なかなか無いのかもしれません。

あなたの家の、箪笥の肥やしになっている着物たち。この機会に目覚めさせてみませんか?
ツバキ庵 モリタマミさんが、懇切丁寧に手ほどきをしてくれますよ。

ツバキ庵
堺市堺区綾之町西  (自宅教室)
TEL :090-4282-7453
阪堺線綾ノ町駅 徒歩1分 / 南海本線七道駅 徒歩7分

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