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まちあるき No.122

飯匙堀に秘められた力

古事記に行き着くその歴史

堺には「どんな大雨が降っても水がたまらない」と昔から伝わる不思議なスポットがあるのをご存知ですか? 
それが、堺区宿院町の宿院頓宮内にある「飯匙堀(いいがいぼり)」。
「飯匙」とは「しゃもじ」の古い言い方で、その地形がしゃもじに似ていたためこう呼ばれるようになりました。

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 ▲入口。奥に見える鳥居の向こうが飯匙堀

周りの土地よりもぐんと低くなっているのにちっとも水がたまらない様子は、昔の人にとってさぞ神秘的に思えたことでしょう。
そのためこの飯匙堀には、「古事記」の登場人物である海幸彦の
「塩乾珠(しおふるたま):潮を引かせることのできる玉」
が埋められた、という言い伝えがあるのです。

海幸彦が海神から授かったという、潮の満引きを自在にあやつることのできる2つの玉、「塩満珠(しおみつたま)」と「塩乾珠(しおふるたま)」。
 その一つが埋まるとされる飯匙堀は、強大なパワーを秘めた神聖な地と考えられてきました。
その証に大阪一帯の地をお祓いする住吉祭の神事は、この場所で毎年行われています。

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 ▲飯匙堀

見たところ、現在は石垣で囲われた8m四方位の空間になっています。
もうとっくの昔にしゃもじ形の地形ではなくなっていたようです。残念! 
のぞきこむと、草むらの中に白い紙垂(しで)の掛かった大きな石が1つ。神秘的というよりも、むしろ飾りの無さがのどかな感じです(笑)。

住吉祭の時は、たくさんの見物客の中で古式にのっとった神事が行われるのでしょうが、普段はひっそりとつつましく時を刻んでいる飯匙堀様なのでした。
 ふと横を向くと、ずらっとしゃもじが並んでいます。見ていると、受験、結婚、健康・・など、なんでも受け止めて下さる、懐の深そうなお堀です。

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 ▲願い事を託されたしゃもじ

 ■この場所だけは変わりようがない 飯匙堀

宿院頓宮は、境内のほとんどが公園になっています。

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 ▲公園側から見た渡御所(右奥)と飯匙堀の玉垣(左手)

 「今の境内の面積は昔の6分の1くらいじゃないかな」と宿院頓宮の神職さんがおっしゃっていました。 戦災や土地開発の波をかいくぐり、変遷をとげてきた宿院頓宮。中でも飯匙堀はその土地の特異性から、とりわけユニークな存在といえるでしょう。 

老朽化が進んだため平成27年から開始された堀の改修は現在終了していますが、まだ奉賛金は受付けています、とのこと。奉賛金で、新しくなった飯匙堀の石柱の玉垣に氏名を刻むことができるそうですよ。 
今までも、そしてこれからもきっとあるだろう飯匙堀。 過去と未来をしっかりつなぐ、堺のおへそのような場所なのです。

 ●飯匙堀
  宿院頓宮西側 堺市堺区宿院町東2丁1-6

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